2018年12月23日、ネクソンはPC用オンラインFPS『サドンアタック』日本国内最強クランを決める大会“SAJCL 2018 Winter”のオフライン決勝戦を開催した。会場は東京アニメ・声優専門学校 北葛西校舎。
会場では出場したWyVerN、NabD、Lythronax、Soabhの4チームによって熱戦が繰り広げられたほか、新マップを含むアップデート情報が発表された。まずはアップデート情報からお伝えしたい。
新マップ発表はふたつ! 4年ぶり“サドンアタックフェスティバル”開催情報も
アップデート情報は、『サドンアタック』PMの橘氏から発表。まず、今後実装予定のマップとして、“B2研究所(仮名)”と“マーケット(仮名)”が案内された。
“B2研究所(仮名)”は、現在実装されている“B2”を広げたマップになる。また“マーケット(仮名)”はデパートのような場所がモチーフとなっており、大きさとしてはやや広めのマップだ。
また、変わったルールのオンライン大会“サドンアタックフェスティバル”が4年ぶりに開催決定。インビジブルモード部門とスナイパーライフル部門で大会が実施されるという。橘氏によれば、“オンラインで完結するもの”になるそうだ。
さらに橘氏からは、来年も同じペースで公式大会を開催する予定であること、また新規の武器を実装する計画があることが明かされた。ただし、新武器についてはあくまで計画の段階だそう。実装された際には「この武器がテーマの大会を開く」ことも考えているそうなので、こちらも期待したい。
優勝はSoabh。オフ大会初出場で初優勝を決める!
結論から言うと、“SAJCL 2018 Winter”で優勝に輝いたのは、Soabhだった。オフライン大会の舞台を踏むこと自体が初めてのクランでありながら、SAJCL 2017年末、2018年夏と連続優勝中のLythronaxを準決勝で破り、その勢いで決勝大会常連のWyVerNを見事になぎ倒していった。
SAJCLでは、爆モードを使用した2セット先取ルールが採用されている。ひとつのマップで6ラウンドを勝利すると1セット獲得で、2セットを先取したチームが勝者。また試合中は、勝利数に関わらず5ラウンド目が終わると攻守交代となる。
試合でSoabhの動きが冴え渡ったのは、とくに序盤の攻めだろう。準決勝では前回チャンピオンのLythronax相手に多くのラウンドでファーストキルを決め、相手スナイパーを潰して優勢に立つケースが目立った。
最初こそ緊張で攻め負けることがあったものの、2マップ目に突入してからは全員生存の完封勝利も見せつけるなど、一気に勝利を重ねていった。
決勝となるWyVerN戦では、1マップずつを取り合った3マップ目が圧巻だった。お互いが得意マップに挙げる“クロスポート”で防御側を選んだSoabhは、攻め側の定石であるラッシュをことごとく止め、乱戦を絡め取り、あっという間の5連続勝利で試合を決定づけた。
また優勝を決めた第7ラウンドでは、頭脳戦が光ったところもおもしろい。攻め側に回ったSoabhがラッシュをかける瞬間、グレネードではなくダイナマイトを投げ込んだのがそのシーンだ。
ダイナマイトの特徴は、攻撃力はグレネードと同等ながら、投げ込んでから6秒後に爆発する(グレネードは4秒後爆発)ところにある。
この日、試合ではグレネードを投げ込み、その爆発を合図として一気に撃ち合いに持ち込むケースが多かった。そのため“グレネードの爆発をギリギリ避けて、もとの有利な場所に戻る”動きをした場合、ダイナマイトの爆発は見事に突き刺さる。
優勝へのリーチがかかった痺れる場面だったが、逆に相手にこそ余裕がないと冷静に分析し、利用したような作戦に見えた。このダイナマイトの爆発は、グレネードを避けるような動きをしたWyVerNメンバーに大当たりし、最後は一気に決着が付いた。
Soabhの見事な快進撃は、SAJCLに鮮やかな新風が舞い込んだ瞬間だとも言えるだろう。
Lythronaxのクランリーダー、LYTHRONAX:AC選手による「ここ最近は大会が同じようなメンバーだったので、新しい人たちが出てきてくれて嬉しい。これをきっかけに、『サドンアタック』がもっと盛り上がってくれれば」というコメントも印象的だった。
この日がきっかけて追われる立場となったSoabhは、今後どのような活躍を見せてくれるのか。来年の大会シーンにいまから注目だ。