2018年12月1日、セガゲームスの中途採用説明会がマイナビクリエイターの主催で開催された。豪華クリエイター陣も登場し、貴重なエピソードを披露したトークセッションの模様をリポートする。

 2018年12月1日、『龍が如く』シリーズや『ソニック』シリーズ、『ファンタシースターオンライン 2』(以下、『PSO2』)シリーズなどで知られるセガゲームスの中途採用説明会が、セガサミー本社の新オフィスにて開催された。

 マイナビクリエイターの主催で実施されたこの説明会は、ゲーム業界で1年以上の勤務経験がある中途採用希望者に向けたもの。後半に行われたトークセッションでは、セガゲームスの開発スタジオを率いるプロデューサーおよびディレクター陣も登壇した。

 本稿では、セガゲームスでの働きかたや、社内の雰囲気など、ゲームファンにとっても興味深い話題が語られたトークセッションの模様を中心にお届けしていく。

セガゲームスは世界へと羽ばたく

 トークセッションに入る前には、中途採用説明会参加者に向けた説明があり、セガゲームスが属するセガサミーグループでの同社の立ち位置が語られた後、今後同社が目指す姿や、募集する職種について解説された。

 セガゲームスは国内のみならず、欧米を中心に海外にも複数のスタジオを展開している。その中でも子会社であるアトラスのアメリカ法人、アトラスUSAはローカライズ、カルチャライズの拠点となっている。

 たとえば、海外では『Yakuza』としてリリースされている『龍が如く』シリーズも、このアトラスUSAでローカライズが行われているという。

 こうした体制のもとで、国内で作ったタイトルを海外へ、そして海外で作ったタイトルをアジア、日本へと提供するという、国内外のスタジオが連携した相互的なグローバル展開を目標としているそうだ。

 これまで数々の人気タイトルをリリースしてきたセガゲームスだが、そうした既存のIP(知的財産)を成長させることだけでなく、現在は新規IPを打ち立てることにも力を入れていると語られた。

 挑戦的な姿勢を貫き、価値あるIPを生み出していくことで、会社・スタジオとしての価値も高めていくという戦略なのだという。

 そして募集する職種としては、プランナー、プロデューサー、プログラマー、デザイナーといった開発職が挙げられた。現在はおもにコンシューマータイトル、『PSO2』の開発に携わる人材を募集しているそうだ。また、そのほかに社内での交流イベントや、福利厚生についても説明されていた。

 その後、“セガゲームスでのキャリア”をテーマに始まったトークセッションには、下記のクリエイター陣が登壇。それぞれが所属する各スタジオの雰囲気や、セガゲームスの開発環境などに関するトークが行われた。

左から佐藤大輔氏、中村俊氏、木村裕也氏。

■トークセッション登壇者

  • 第1CSスタジオ部長 龍が如くスタジオプロデューサー 佐藤大輔氏
  • 第2CSスタジオ副部長 『ソニックフォース』プロデューサー 中村俊氏
  • オンライン研究開発部 『ファンタシースターオンライン2』ディレクター 木村裕也氏

 まずは3名が所属するスタジオの特徴や雰囲気について、自己紹介を兼ねたコメントがあった。佐藤氏が部長として取りまとめる第1CSスタジオの龍が如くスタジオは、“大人向けのエンタテインメント”をコンセプトに、ハイエンドでリアルな描写のなかで重厚なストーリーを描くタイトルを数多く手掛けるスタジオ。大人向けのゲームだけでなく、『モンキーボール』などのIPも同スタジオが開発を担当している。

 その名の通り、『龍が如く』などで知られるスタジオということもあり、社内からも怖い部署だと思われることもあるそうだが、佐藤氏いわく「背が高い人が多いのでなんとなく威圧感があるだけで、フランクでやさしい雰囲気のスタジオです(笑)」とのこと。

第1CSスタジオ部長 龍が如くスタジオプロデューサー 佐藤大輔氏

 中村氏が副部長を務める第2CSスタジオは、『ソニック』や、『ぷよぷよ』関連のIPを開発している。最近では、社内の組織変更にともない『新サクラ大戦(仮題)』、『戦場のヴァルキュリア』といったIPの開発チームも第2CSスタジオに統合されたため、手掛けるコンテンツの幅も広がったが、おもに日本に向けたコンテンツが多いという。

 ちなみに、木村氏の入社前の面接では、中村氏が面接官を務めていたそうだ。さらに、中村氏は以前『PSO2』にも携わっていたそうで、「いろいろなつながりがあって、おもしろい会社だと思います」と、異なるスタジオ間でも不思議な縁があることを語っていた。

第2CSスタジオ副部長 『ソニックフォース』プロデューサー 中村俊氏

 そして、木村氏が所属するオンライン研究開発部が開発しているのは、『PSO2』や『野球つく!!』といったオンラインタイトル。11月からサービスが始まったPC、スマートフォン向けアプリ『龍が如く ONLINE』も、龍が如くスタジオと共同で開発したとのこと。

 また木村氏はトークの中で、同スタジオが家庭用ゲーム機向け、スマートフォン、PCと、マルチプラットフォームに向けたオンラインタイトルを開発していることに触れ、「オンラインタイトルにおいては国内屈指の開発力があると思っています」と、説明会参加者に向けてアピールしていた。

オンライン研究開発部 『ファンタシースターオンライン2』ディレクター 木村裕也氏

 その後、トークは今年8月に移転した新オフィスについての話題に。佐藤氏は「長年働いたオフィスから離れるのは寂しかったですし、旧オフィスに便利な場所に住んでいたので、嫌だったんですけど……」と、最初は移転に乗り気ではなかったそうなのだが、実際に移転した後は「オフィスがきれいで働いていて気持ちがいい」と高評価。

 中村氏は移転に伴い設備が整ったことで、部署間でのコミュニケーションも円滑になっているとコメント。社員食堂で行われたというハロウィンパーティーでは、代表取締役会長CEOの里見治紀氏と、代表取締役社長COOの松原健二氏がコスプレをしていたそうで、直接会話をする機会もあったという。「こうした機会は以前のオフィスではなかったので、新しい展開も見えてくるのかなと思います」と、移転後の変化について語っていた。

 また、新オフィスにはセガサミーおよびグループ会社の本社機能が多く集まっているため、「グループ間での連携も、直接顔を合わせて行えるようになったのでスムーズになりました」と木村氏。コンテンツの開発、制作も効率的に行えるようになったようだ。

 続いて、説明会参加者に向けたセガゲームス内でのキャリアアップに関する話が語られたのだが、その中で佐藤氏から龍が如くスタジオのモデリング作業の裏話もポロリ。

 木村拓哉さんが主演に起用された『JUDGE EYES:死神の遺言』など、龍が如くスタジオのタイトルには著名人が登場することも多い。そうした著名人の3Dモデルは、何台ものカメラで全身を撮影してデータを作成するそうなのだが、そのままのデータではイメージに沿わないこともあるのだとか。そのため、本人の確認を取りながら、修正を重ねてイメージに近づけていくとのことだった。

 通行人などの名前がないようなキャラクターも、開発スタッフなどの社員がエキストラとして出演しているそうで、エキストラとして出演したい人を募集するメールが社員に向けて送られることもあるという。龍が如くスタジオの作品に出演したい人は、セガゲームスに入社するのがいちばんの近道……なのかもしれない。

 トークセッションでは、社内で催される取り組みについても言及された。なかでも特徴的だったのが、ゲーム開発者向けカンファレンスである“CEDEC”のように、開発者が自身の手掛けた作品について発表するイベントだ。木村氏は、社内向けの発表会であることから、「CEDECのような成功エピソードだけでなく、失敗談も聞くことができるのが利点だと思います」と語った。

 最後に求める人材について、佐藤氏は「モノづくりに情熱を持っている人」と定義。「趣味を仕事にしたくない人もいると思うのですが、情熱がなければ、人を感動させるいいものを作れないと思うんです。その情熱を持った人といっしょに仕事をしたいですね」と述べた。続いて、中村氏が求めるのは「高い目標を持っていて、現場を引っ張っていける人」。「5年後、10年後にセガゲームスをけん引してくれるような人を募集したいと思っています」とのことで、「“いまは無理だけど、5年後にはこういうことをしたい”という野望を持っている人を採りたい」と締めた。最後に語った木村氏は「自分が作ったものでユーザーに喜んでもらいたいという人が欲しいと思います」とコメント。

 さらに、「自分自身で新しい仕事を作りだせること」も、現場で活躍するうえで重要だとした

 求める人材への三者三様の考えかたが語られたところで、トークセッションは終了。3名の話を聞いた参加者たちが、セガゲームスの新星として活躍することに期待したい。

[2018年12月21日 17:00追記:登壇者の役職名を一部修正しました]