2018年12月15日~16日、幕張メッセにて優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)をかけた『シャドウバース』(以下、『シャドバ』)の世界大会“Shadowverse World Grand Prix 2018”が開催された。1日目は丸1日かけて予選が行われ、そこで優秀な成績を残した選手8名が、2日目の決勝トーナメントに進出することができた。

 そして、見事決勝トーナメントを勝ち進み、王者の座と賞金100万ドルをつかみ取ったのは、『シャドバ』プロリーグ“RSPL”でも活躍する、よしもとLibalent所属のふぇぐ選手だ。

ふぇぐ選手(よしもとLibalent)

 ふぇぐ選手といえば、2017年3月26日に開催された全国大会“Shadowverse Rise of Bahamut~ファミ通CUP2017~”で優勝し、スタープレイヤーの仲間入りを果たしたプレイヤー。ファミ通CUP優勝という立場から、ファミ通としても縁が深い選手だ。筆者としても、個人的にその人柄やゲームのプレイスタイルに惚れ込み、さまざまな場面で彼の姿を追ってきた。そこで、記事前半はふぇぐ選手のこれまでの活躍を、そして記事後半に、今回の世界大会で優勝したふぇぐ選手の活躍をお届けしよう。

みずからの手でつかんだ世界大会への切符

 ファミ通CUP優勝後は、王者として公式イベントなどに呼ばれることが増え、プレイヤーの前でプレイを披露することが多かったふぇぐ選手。その甘いマスクと、元気いっぱいのトークで男女問わずファンが生まれることに。

ファミ通CUP2017より。キーカードをガンガンドローしてくる豪運を見せ付けて、優勝賞金400万円を手にした。
「優勝しましたぁー!!」と満面の笑顔でアピールする姿に、虜になる人も多かったのでは。

 その後のふぇぐ選手は、『シャドバ』関連番組やイベントへの出演が増えていく。日韓戦には代表選手として出場し、日台韓戦ではチーム優勝を果たした。また、2017年に行われた世界大会2017にも出場したが、こちらは残念ながら5位タイという結果に終わっている。

世界大会2017より。前年は、紅茶/PaR選手が優勝を果たした。
“シャドバフェス2017”より。イベントでは、一般プレイヤーへプレイを教えるコーチングも行い、『シャドバ』のプレイヤー拡大、国内のプレイヤーの力の底上げに貢献する。
また、“シャドバフェス2017”では、“RAGE”初代王者・ま選手とのエキシビションマッチも行われ、話題を呼んだ。
ただし、結果はま選手の圧倒的な勝利に終わった。

 そのあいだも、“RAGE”などの大会に参加していたものの、大会での成績は振るわず“ファミ通CUP王者”以外の戦績はほぼないという状況に。週刊ファミ通本誌で、過去何度かふぇぐ選手のインタビューをお届けしたが、その中で彼は「自分はチャンピオンの中で、いちばん弱いと思っています。ただ、運には自信がありますよ(笑)」と冗談交じりに答えていたことを思い出す。

“ニコニコ超会議2017”より。エキシビションマッチとして、グラビアアイドルの水沢柚乃さん、配信者のもこうさんと対決。
結果は、どちらにも敗北。ファミ通CUP王者として、イベントでも大会でも、悔しさの残る試合がふぇぐ選手には多かった。

 そんなふぇぐ選手の、実力が大きく伸び始めたのは、よしもとLibalentに所属し、2018年5月5日より開幕したプロリーグ“RSPL”への参戦がきっかけだと、筆者は思う。プロリーグ第1シーズンは、個人成績だけだと2勝6敗の負け越しという結果に終わっているものの、リーグ中に行われた“Shadowverse World Grand Prix 2018 JCGオンライン予選大会”で優勝。前回の世界大会は招待枠として参加したが、今回は世界大会への切符を、みずからの力で引き寄せたのだ。プロリーグという熾烈な戦いを経験していたからこそ、持ち前の“運”に“プレイスキル”が追い付いてきたのではないだろうか。

“シャドバフェス2018”より。大会への参加ではなく、プロリーグの開幕戦をステージ上でくり広げた。

世界最強の『シャドバ』プレイヤーに

 そして今回開催された、“Shadowverse World Grand Prix 2018”。ふぇぐ選手は予選を5勝3敗の4位という結果で、決勝トーナメントに進出。初戦は、ヨーロッパ代表のHishiro/REV選手と対戦し、これを撃破。準決勝は予選を1位で突破した日本代表のRiowh選手を相手に勝利を収め、決勝の舞台に駒を進めた。

1日目の予選に挑む、ふぇぐ選手。予選はクローズドで行われていたので、独特の緊張感が会場を包んでいた。
2日目にオープンとなった、世界大会2018のステージ。
ポカリスエットがスポンサーということで、来場者にはポカリスエットのゼリーが配られた。
幕間には、コスプレイヤーショーも開催。おなじみの公式コスプレイヤーに加えて、Leoさん(ローウェン)、Maulさん(ユリアス)といった海外からの特別ゲストも登場。
Leoさん、Maulさんの本人っぷりには、会場から黄色い歓声が上がるだけでなく、男性陣も「おおおーっ!?」とその完成度に驚いてた。
MCは平岩康佑氏、枡⽥絵理奈氏が担当。ゲストとして前園真聖氏も登場した。

 対するのは、アメリカ・ロサンゼルスにて開催された“PAM Shadowverse Open: 2018 Contenders Cup”にて優勝を果たした、Potwasher/TS選手だ。Potwasher/TS選手は、優れた判断力と読みの深さで、数々の強豪選手を圧倒し決勝に進出。その強さもさることながら、プレイ中も相手がくり出すプレイに驚いて見せたり、笑顔を浮かべたりと、本当にゲームを楽しみながら戦っていることがわかる、ユニークな選手だ。

Potwasher/TS選手
優勝候補のひとり、Salt選手を圧倒したPotwasher/TS選手。喜びのあまり、ステージ上で転んで仰向けになってしまうほどだった。

 初戦は両者・ヴァンパイアデッキを選択。試合中、ふぇぐ選手はマウス操作を間違えてしまって、出したくないフォロワーをプレイしてしまい、その隙を突かれて敗北。2試合目は、ふぇぐ選手が切り札として持ってきた、ウィッチのマナリアデッキが猛威を振るう。誰も見たことがないような最強のコンボをくり出して、勝負の流れを引き戻す。

怒涛のコンボを発動するドロー直前、「グレアーッ! グレアーッ!」と叫ぶ観客たち。マナリアウィッチのキーである“マナリアの竜姫・グレア”を引き当てれば勝利を目前というところで、ふぇぐ選手は見事に同カードをドローした。

 そして試合は2対2ともつれ込み、ラストはドラゴンどうしのミラーマッチ。Potwasher/TS選手は、対ドラゴン用のスペル“ドラゴニュートの威圧”をドラゴンデッキに仕込んでおくという、奇策を用意していた。試合の序盤、“ドラゴニュートの威圧”を使われて圧倒的不利を背負いそうな局面、ふぇぐ選手はそれを読み、見事に回避。ふぇぐ選手は序盤の苦戦を跳ね返したおかげで、最後の最後までどちらが勝つかわからない、シーソーゲームとなる。そして最後、切り抜けられなければPotwasher/TS選手が優勝という目前で、“ポセイドン”を引き当てる! “原初の竜使い”と組み合わせたコンボを発動し、勝利を引き寄せ、大会優勝を果たした。ふぇぐ選手には、賞金100万ドル(約1億1000万円)と、世界王者という肩書きが贈られた。

“ドラゴニュートの威圧”をPotwasher/TS選手が持っていることは、専用の観戦モードを使用しているため、観客にだけはわかるという状況。ふぇぐ選手は、読みだけでそれを回避したのだ。
“ポセイドン”も、「ポセイドンーーーーッ!!」と、観客たちが叫ぶ。彼らの応援が、ふぇぐ選手のドロー運を呼び寄せたのではないだろうか。
表彰式の準備中、天を仰ぎ思わず涙ぐむシーンも。
最後には、2019年にも“Shadowverse World Grand Prix 2019”が開催されることが発表された。優勝賞金は、今回と同じく100万ドル(約1億1000万円)。続報については、後日配信予定の“Shadowverse NEXT”で伝えていくとのこと。

ふぇぐ選手にインタビュー

 大会終了後、メディア向けにふぇぐ選手への囲みインタビューの時間が設けられたので、その模様をお届けしよう。

――まずは、優勝が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

ふぇぐ選手 100万ドルの“ポセイドン”が輝きましたね(笑)。

――大会2日間を振り返った感想を教えてください。

ふぇぐ選手 2日間とも、1日に1回大きなミスをしてしまいました。優勝はできましたが、来年に向けてそこを直していきたいですね。

――今日を振り返ってみて、いちばん苦しかったのはどこですか?

ふぇぐ選手 決勝戦の初戦、間違ってカードを出してしまった場面がありました。そこで集中の糸が1度切れちゃって。集中し直すのに時間がかかってしまいました。

――決勝の第2試合では、マナリアウィッチの怒涛のコンボが炸裂しましたが、そのときはどんな気持ちでしたか?

ふぇぐ選手 いやぁ、あそこまで完璧な動きは練習中でもやったことがなかったです(笑)。自分でも笑っちゃいました。

――デッキ構築についてですが、ドラゴンとヴァンパイアはマストとして、そこにマナリアウィッチを採用した理由を教えてください。

ふぇぐ選手 ドラゴンとヴァンパイアは、Bo3なら間違いないと思っていて。そこにもう1クラス入れるなら、ほかの選手たちはロイヤルとネクロマンサーが多いだろう、と思ったんです。その対抗策として、Bo5ではサードリーダーをマナリアウィッチにしました。キマイラウィッチも試しましたが、練習ではマナリアウィッチがすごく調子よかったので採用したんです。

――今回の優勝賞金100万ドルの使い道は考えていますか?

ふぇぐ選手 うーん、1億円って、壮大すぎてまだよくわからないです。なんだろう、うーん、とりあえずマンション買いたいですね!(笑)。

――大きな賞金目当てに、親戚や友だちが寄ってくるのでは……?

ふぇぐ選手 あーもう、とりあえず親に預けようかなと(笑)。

――最後に皆さんにメッセージをお願いします!

ふぇぐ選手 『シャドウバース』は本当にいいゲームなので、皆さんもっとも~っと遊んでください!

 なお、ふぇぐ選手はインタビューの中で、「世界王者になりましたが、今後の目標はありますか?」と問われ、「よしもとLibalentとして、チームでのリーグ優勝です。そして、来年の世界大会も連覇しますよ!」とも答えていた。週刊ファミ通本誌に掲載された『シャドウバース』2周年記念インタビューでも、「プロリーグ、世界大会、すべて優勝します!」と回答していた。」

 世界大会優勝は、有言実行を果たした。プロリーグ第2シーズンは現在、よしもとリバレントは2位という位置づけだ。まだまだ始まった第2シーズンが始まったばかりだが、ふぇぐ選手がプロリーグで、よしもとLibalentを優勝に導く日も近いのかもしれない。