ドーモ! ブンブン丸です。

 大作ゲームラッシュが続く今日このごろ、皆さん適度に睡眠時間は削れていますでしょうか? 自分は過分に削れてしまっておりまして、非常に危険な状態です。そんな悩みをさらに深刻にしていくタイトル『Battle Chasers: Nightwar(バトルチェイサーズ:ナイトウォー)』を紹介していこうかなと思います。

 このゲームは、Nintendo Switch版が2018年10月4日にリリースされたばかり。日本での知名度があまり高くないこともあり、話題に上がらない類のゲームかも。というわけで埋もれさせることなく、突き刺さる人にプレイしてもらいたいたくて紹介させてもらおうというワケです。

 そもそもなんでこのゲームなの? って話なんだけど、無性にRPGがプレイしたくなるときってありません?

 自分はあるんですよ。FPSだのMOBAだのスポーツだの格ゲーだの……いろんなジャンルのゲームをプレイするんだけど、唐突にRPGがプレイしたくなる時期が。そんなときに自分のツボにハマったのがこの『バトルチェイサーズ:ナイトウォー』。

 元々Steamでリリースされていて、海外での評判がすごくいいので興味があったんだけど、プレイするタイミングを微妙に失っておりまして。Nintendo Switchなら移動中でもやれるし、いいかもってことでプレイし始めたわけです。

 そしたらガッツリとハマりましてね……こうして皆さんに紹介させてもらっているというわけですわ。Nintendo Switchが子どもの専用機になってるというお父さん! RPGの時間ですよ!

『バトルチェイサーズ:ナイトウォー』プレイレビュー、Nintendo Switchが子ども専用機になってしまったお父さん、お母さんたちにお届けしたい!_01

コマンド選択型のバトルをじっくりと

 最近の国産のRPGはアクション寄りのものが増えてきて、ちょっと違和感を感じる人はそれなりにいるんじゃないかなと。『バトルチェイサーズ:ナイトウォー』はそんな人にオススメで、ゴリゴリのコマンド選択型のRPG。

 バトルで使えるコマンドを簡単に説明すると

  • アクション……とくにリソースを必要としないいわゆる基本コマンド。キャラクターごとに4つあり、シンプルな攻撃、防御がまとまっている。
  • アビリティ……リソースにMP(マナ)を使用するコマンドで、キャラクターごとに特徴的なものが揃っている。
  • バースト……パーティー全体で共有しているバーストゲージを使用する強力なコマンド。使用できる機会が限られているがその効果は絶大。

 こんなところ。パッと見た感じだとアビリティを連打すればいいのでは? と思いがちだが、そればかりではすぐにマナが枯渇してしまう。基本コマンドのアクションを使用することで、マナの代わりに使用できる“オーバーチャージ”というリソースが溜まり、基本コマンドとアビリティを織り交ぜて戦う、というのがこのゲームにおける基本的な戦いかただ。

 ただし、アビリティにはそれぞれに行動速度が設定されているため、威力の高いアビリティを使い続ければいいというわけではない。行動速度を考慮したうえで、状況に応じて使い分けていくというのが重要だ。

 必殺技的なポジションであるバーストは、行動速度を無視してコマンドを選択した瞬間に即時発動するため非常に優秀。また、各キャラクターには自身のステータスや、アビリティを強化できるボーナススキルや、ダンジョンの攻略時で敵とのエンカウント前に発動できるダンジョンスキルも有している。

 バトルのバランスはなかなか歯ごたえがあるという印象で、それは後半になればなるほど強くなっていく。中盤以降はボーナススキルを割り振ったうえでのキャラクターのビルドが幅広く行えるため、バトルがより戦略的に行えるようになる。このバトルの重厚さがこのゲームの最大の魅力といっても過言ではない。

『バトルチェイサーズ:ナイトウォー』プレイレビュー、Nintendo Switchが子ども専用機になってしまったお父さん、お母さんたちにお届けしたい!_08
画面左に出ているのがキャラクターの行動順。行動速度の遅いアビリティは敵に攻撃を割り込まれる可能性が高くなる。スタンなどの状態異常でカットされてしまうこともあるのでリスクが高い。
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基本的にオーバーチャージはバトルを跨いで持ち越せない。オーバーチャージを溜めつつ、積極的にアビリティを使っていくのがこのゲームでの戦いかた。基本行動だけとればいいというわけではないのだ。

王道RPGに必要な世界観とキャラクターたち

 ゲームの舞台は剣と魔法、それにちょっとしたメカ要素と……90年代のJRPG全盛時によく見られた設定だ。こういった世界観はマンネリするというところがなく、どちらかと言えばいい意味で安定、鉄板といったイメージ。オープニングからちょっとプレイしただけで、この世界観はやはり嫌いじゃないなと実感。この王道感がいいんだよなあ。

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剣と魔法に加えてちょっとしたスチームパンク要素。これがいいんですよ! 登場するキャラクターでそれぞれでバトルにおける役割が大きく異なる。

 ではここで、簡単にキャラクターを紹介してみよう。ちなみに、冒険に出られるのは3名までで、酒場での入れ換えが可能。下を参考にしてパーティーを組んでみるといいよ!

ガリー
 行方不明の父を捜す旅をしている少女。両手に父から授けられたガントレットを装備して戦う。序盤はアタッカーとしてそこそこ活躍し、中盤以降はガッチガチのタンクキャラクターに。パーティーの壁役として攻撃を一身に受け止めてくれる。敵を挑発したり、味方にシールドを貼るなど、防御的なアビリティが豊富。彼女がいるとバトルでの事故がかなり減り、安定感が増す。

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少女に壁役をやらせるってどういう設定だよ! って突っ込みたくなるが、小さな少女がデカいガントレット装備してるっていうギャップがいいよね。

ギャリソン
 伝説的な兵士だったがいまは傭兵に。ガリーの父親にパラディンとして仕えていた過去がある。そのつながりからガリーの旅をサポートしている。巨大な剣を武器に、敵を出血状態にするというなかなかに悪いバトルスタイルを得意とする。その見た目からアタッカーかと思いきや、予想を裏切らない清々しいまでのアタッカー。前述した通り出血攻撃を得意としているので、ビルド次第では物理攻撃だけではなく出血に特化した戦いかたも可能。単体攻撃に加え、複数を相手にした攻撃も得意。

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その見た目からは想像できないほどガリーを心配している。後半になるほどわかりやすいアタッカーとして活躍。

カリブレッド
 戦闘用に作られたの古代ウォーゴーレムでノランに修復され仲間に。腕のガトリングガンで敵を攻撃するド派手なアタッカーかと思いきや、ここでもギャップを狙ってくるという……。ビルド次第で火力を出せるのだが、どちらかというと回復、蘇生といったアビリティが豊富なので、見た目に反したヒーラーキャラクター。ダンジョンスキルでの回復も可能だったり、バーストでの即時回復&デバフも非常に便利。初心者は壁役のガリーとカリブレッドを入れておけばとりあえず安心。

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リスクの少ない回復手段でパーティーに安定感をもたらす。心やさしい機械兵器という良ポジション。

ノラン
 ウォーゴーレムであるカリブレットを助けるなど、素晴らしい知識を持つ賢者。賢者というわけあって、魔法を得意としている。攻守ともに幅広いアビリティを取得していき、回復手段も持つ万能型。何でもできるキャラクターゆえの器用貧乏さを感じることもあるが、雑魚殲滅力は全キャラクターの中でもトップクラス。ストレスなく道中を過ごしたい人向け。

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どちらかというと攻撃よりなので、アタッカー兼サブヒーラーというイメージ。バーストを使えば全体のマナを回復できて超便利。

レッドモニカ
 アウトローとして悪党名高い指名手配犯。悪事を働く盗賊ではあるが、友のギャリソンに対しては助けを惜しまない。悪いお姉さんという、自分にとってはドストライクなキャラクター。その身のこなしを利用して、回避タンクという独特の役割をこなす。守りに専念することが多いガリーに比べ、攻撃手段が豊富なのが特徴。ただし、柔らかいのでアビリティをうまく使って回避を高めておかないと攻撃を受け、すぐに倒されてしまうことも。攻防においてギャンブル要素の高いアビリティが多いので、使い勝手という面ではオススメできないが、実際プレイしていて楽しいのは確か。

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ステルスの要素もあるが、ちょっと使いにくい。回避しつつデバフをかけて戦っていくといい感じ。

アルモン
 冒険の舞台である、クレセントアイランドを護る騎士団のメンバー。島の脅威を感じ取り、目的を同じとするガリーたちを利用するかの如く行動をともにする。全キャラクターの中でもっとも回復に特化しており、味方を回復しつつ上限を超えた数値をシールドに回すといった優秀なアビリティを持つ。マナさえ枯渇しなければ、味方が倒れる心配はまずないだろう。自分のHPをマナに変換するアクションもあり、使いかた次第では浮沈艦となる。敵の体力を吸収したりと、騎士団に所属しなら闇の力を使っている的なダークヒーロー感がいいですわ。

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カリブレットよりもクセのあるヒーラー。見た目は怖いけど回復アビリティはえげつないほど強力です。

ランダム生成のダンジョンにクラフトなど……やり込み要素も

 ゲーム中に登場するダンジョンはランダム生成型で、訪れるたびに地形が変化する。コマンド選択型のRPGでは結構珍しいんじゃないだろうか? 

 本作ではダンジョンをクリアーすると、報酬として宝箱がもらえるんだけど、ダンジョンに入るときに設定した難度によって宝箱のグレードが変化する。レジェンドなど、難度を上げれば宝箱のグレードもアップし、得られるアイテムも強くなる。自信があるなら高難度でプレイしてみるのもいいだろう。序盤のダンジョンならランクを上げても何とかなるが、中盤以降のダンジョンは、レベルも厳しくなるのでかなりハード。

 ちなみに、町ではアイテムを購入するだけではなく、クラフトも可能だ。使用キャラクターの装備がうまく手に入らなかったときなどに利用するのがいいだろう。終盤になれば伝説的な装備品をクラフトすることもできる。こういったレアな装備集めもまた、RPGを楽しむための重要なポイント。クラフトできるのは装備品に加え、ステータス治療のためのポーション類も。

 また、装備品には魔法効果のエンチャントもできたりと、かなりの要素がある。クラフトした装備品やポーション類を巧みに使いバトルを堪能する。この一連の流れがじつに楽しいゲームなんですわ。

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条件をクリアーすることで可能になるクラフトレシピなど……テンション上がります! やりこみ要素と言えばダンジョン内での釣りも可能で、便利なアイテムと交換できます。

多少の不満点もあるけど歯ごたえある良RPGでした

 バトルの歯ごたえやキャラクターのビルドなど、コマンドバトルを楽しむRPGとしては非常によくできているというのがこのゲーム感想。多分自分みたいなコマンドRPG好きなら刺さる要素があると思うので、ぜひプレイしてみてほしいところ。

 ただ、ちょっともったいないなあという部分もいくつかあるのでそこも。せっかくバトルがおもしろいゲームに仕上がっているのに戦闘スピードが倍速などがない。とくに中盤以降は敵も強いので、戦闘時間が長くなりがちに。何度もダンジョンに挑戦する気力を萎えさせないためにも、スピードの変更機能はほしかったなあ。あと、日本語訳が入っているのはうれしいんだけど、精度がちょっと……。ひとりのキャラクターの口調が統一されてなかったりもするは気になりますわ。
不満点はこんなところかなあ。

 全体としてはよくできていたと思うし、不満点を改善したうえで次回作が出てくれればいいなあなんて思っています。ストーリーも悪くなかったので、原作のコミックも気になってるんだよなあ。こっちも和訳されて出てくれないかなー?