2018年11月17日、アークシステムワークスが手掛ける人気対戦格闘ゲーム『ブレイブルー』シリーズの10周年を祝う記念イベントが実施。開発陣と出演声優の近藤佳奈子さんによるトークショーや対戦、特製コラボメニュー、クイズコーナーなどが行われた。本稿では現地の模様をリポートする。
蒼の祝宴 in 激突空間 スペシャルイベント
本イベントは、2008年にアーケード版対戦格闘ゲームとして登場した『ブレイブルー』が、シリーズを重ねて10周年を迎えたことを記念したもの。同シリーズのプロデューサー・森利道氏を筆頭に、プランナーの小澤陸氏と、登場キャラクターのノエルを始めとする複数のキャラクターを演じる近藤佳奈子さんが登場し、ファンたちとともに10周年を祝った。
会場となったのは東京・池袋のタイトーステーション池袋西口店の6階にある“THEATER CAFF & DINING STORIA”。開場時間の19時前には、事前に応募したファンたちが来場し、受付を済ませて入場。STORIAが提供するコラボメニューに舌鼓を打ちつつ、19時よりいよいよイベントの幕が上がった。
『ブレイブルー』シリーズを振り返る
最初のコーナーは、『ブレイブルー』シリーズを振り返るトークショー。場内のモニターでは、シリーズ作品がトピックスを交えつつ紹介され、出演メンバーが当時のおもしろエピソードなどを披露した。ここではその話題の一部を紹介しよう。
・『ブレイブルー カラミティトリガー』
2008年にアーケード版対戦格闘ゲームとして登場したシリーズ1作目。森氏は同作のキャラクター登場シーンについて、“キャラクターどうしの掛け合いを多くする”ことにこだわったとのこと。主人公のラグナは、ほぼ全キャラクターに対しての特殊な演出が作られており、通常の演出がいらないのではないかというほど力を注いだという。近藤さんは「当時のボイス収録は最初から涙涙でした(笑)」と振り返る。ノエルは自分に似ているそうだが、演技では嘘をつかなければならず、自分に近いほど嘘をつきにくくなるため演技に苦労したそうだ。
・『ブレイブルー コンティニュアムシフト』
2009年に同じくアーケード版で登場し、2010年には『コンティニュアムシフト2』が稼動。同作は家庭用版のチュートリアルが充実していたが、ボイス収録にはかなりの時間を要したとのこと。森氏は、「そのセリフのほぼすべてを担当した植田佳奈さんは、収録中にずっと苦笑いだった」と話し、笑いを誘った。小澤氏は当時プレイヤーとして遊んでおり、レリウスを使っていたという。一見すると扱いが難しそうなキャラクターだが、意外に使いやすく設計されていたのが強く印象に残っていると語った。
・『ブレイブルー クロノファンタズマ』
テルミ、アズラエル、アマネ、バレットなどの新キャラクターが加わり、2012年にアーケードで登場。森氏によると、同作を発表した会場のVIPルームがとにかく豪華だったという。出演メンバーたちが楽しげにそのVIPルームを堪能していたと話し、開発陣ならではの思い出を振り返った。近藤さんは、同作にて担当キャラクターが4人に増加。1冊にまとめられたボイス収録用の台本をすべてを読まないといけないため、たいへんな思いをしたと話して会場を沸かせていた。なお、同時期にはテレビアニメ版『ブレイブルー オルターメモリー』が放映。森氏は「またアニメをやってみたい」と意欲を見せていた。
・『ブレイブルー セントラルフィクション』
2015年に登場。同作ではナオト、ヒビキなどのキャラクターが加わったのだが、森氏は最初はテルミを参戦させる気はなかったという。しかし開発中に方針を変え、「かっこいいからやっぱり出そう!」と参戦が決まったのだという。同じく、ヒビキについても迷っていたそうで、カグラの秘書の立場のヒビキを戦わせるか迷ったが、ヒビキのような個性のキャラクターは『ブレイブルー』にいないことが決め手となり、参戦が決定したことを明かした。
・『ブレイブルー クロスタッグバトル』
2018年5月に家庭用向けとしてリリースされたばかりのシリーズ最新作。人気アニメシリーズ『RWBY』のほか、作品の垣根を超えてキャラクターたちが登場し、初のタッグバトル制を採用した作品。森氏は「現在好評発売中となっているので、ぜひ遊んでほしい」と話し、コーナーを締めくくった。
士官学校 期末テスト
『ブレイブルー』に関するクイズが出題されるコーナー。場内モニターを用いて小澤氏から問題が出され、森氏を含む来場者たちが4択で解答するという内容だ。問題はキャラクターの紋章、イベントシーンの場所、ラジオ番組のタイトル、BGMのイントロクイズなどとなっており、あらゆるジャンルの知識が問われた。中には森氏を悩ませるくらい難しい問題も出題され、大いに盛り上がっていた。
全問を終え、来場者の中から成績優秀者の3名がステージに上がり、森氏や近藤さんとNintendo Switch版『ブレイブルー セントラルフィクション』で対戦。すべての試合を成績優秀者たちが勝利し、森氏より賞状が授与された。
フリートーク
続いてはフリートーク。ここでは来場者が挙手で出演メンバーに質問し、質疑応答していく形式で進められた。質問の中には、森氏への『ブレイブルー』に関する設定内容が知りたいといったものや、近藤さんへのサイン会実施の希望などがあり、それぞれ思い思いの問いが投げかけられた。
森氏はそれらに対し「設定に関しては『ブレイブルー オルタナティブ ダークウォー』を待ってほしい」と解答。また、近藤さんは「ノエルと自分が似ていると仰っていましたが、似ていないところはどこですか?」という質問に対し、「私は料理ができます!」と答えて会場を沸かせた。加えて「目的を持って前に向かっていけるところは尊敬しています」と話し、ノエルへの強い思いを感じさせた。
以上ですべてのプログラムが終了。締めの挨拶では、森氏が「『ブレイブルー』のラグナの物語は終わりましたが、シリーズはまだまだ続けていきたいです。リリースが遅れて申し訳ないのですが、いまは『ダークウォー』を作っていますので、ぜひともリリースをお待ちください」と今後の展開をアピールした。そして最後は、出演陣が来場者とともに集合写真を撮影! 大盛況のうちにイベントはお開きとなった。