絵で味わうヴァナ・ディール
ヴァナ・ディール。
『ファイナルファンタジーXI』の世界を表すこの文字を見ると特別な感慨が湧き上がるのは、記者だけではあるまい。
約束をして集まり、知人たちと掴んだ勝利のこと。
焦がれた戦利品をついに手に入れ思わずガッツポーズを取ってしまったときのこと。
夜の深い時間に仲間ととりとめもない雑談に花を咲かせたこと。
そんなネットワークゲームならではの喜びのほか、国の歴史や民衆の暮らしが伝わってくる世界を歩く楽しさも『ファイナルファンタジーXI』ならではだと思う。
サンドリア、バストゥーク、ウィンダス……各国に暮らすノンプレイヤーキャラクターは、月並みな言いかただが個性的だ。
城にいる、いち騎士の名前や、研究所の博士が首をひねる仕草さえ、何年経っても思い出すことができる。
それほどに、この架空世界を形作るピースは多く、ひとつひとつが厚みをともなっている。
感傷に浸って前置きが長くなってしまったが、『ファイナルファンタジーXI』をいまも愛する人、かけがえのない思い出がある人に、お届けしたい本がある。
本日(12月5日)に発売となる画集『ファイナルファンタジーXI 皆川史生イラストレーションズ』だ。
イラストレーターの皆川史生(みながわふみお)氏が、2004年から2018年にかけて描いた『ファイナルファンタジーXI』のイラストおよびマンガを、一冊にまとめたもので、公式イラストや、書籍、雑誌、グッズイラスト、プライベート作品など、出典は多岐にわたる。
自身も熱烈な『ファイナルファンタジーXI』プレイヤーである皆川氏。
そのイラストからは、ゲーム中で直接描かれることはない、でも、きっとこのヴァナ・ディールに存在するであろう人々の営みが伝わってくる。
以下に、7章からなるこの本の内容紹介を引用してみよう。
Chapter1 冒険者の章
雑誌の特集記事に向けて寄稿したイラストや、攻略記事の挿絵など、プレイヤーキャラクター“冒険者”が主役になっているイラストを集めました。Chapter2 NPCの章
『ファイナルファンタジーXI』のストーリーに登場する個性的なNPC(ノンプレイヤーキャラクター)たちを描いたイラストを集めました。Chapter3 アイドル戦士ミュモルの章
ゲーム内で開催される夏のイベント“あますず祭り”に2008年から登場した“アイドル戦士ミュモル”の公式イラストと、ミュモルやウカのイラストを集めました。Chapter4 恋の空蝉1・2・3の章
ムック『ヴァナ・ディール通信』で連載していたマンガ『恋の空蝉1・2・3』の全話と番外編、登場キャラクターのイラストを集めました。Chapter5 ノベライズ作品の章
『ファイナルファンタジーXI』ノベライズ作品(はせがわみやび・著)にて、皆川史生が手掛けた表紙イラストや挿絵を集めました。Chapter6 エトセトラの章
非売品グッズのイラストや、映像コンテンツ『ヴァナTV』で使用されたイラスト、コミック作品、設定資料集の相関図など、バラエティに富んだ作品を集めました。Chapter7 ラフスケッチの章
ノベライズ作品のキャラクター設定画や、本書に掲載したイラストのラフスケッチを集めました。『ファイナルファンタジーXI 皆川史生イラストレーションズ』より
表紙と裏表紙には、128人のプレイヤーキャラクターのフェイスが描かれている。
自分の分身が、そして幾多の時間を過ごした仲間の分身が必ず見つかるだろう。
記者は、ちょっと口が悪いが付き合いのいいあいつのことを思い出し、昔話をしたいと思った。
“いいヴァナ・ディール”が詰まったこの本を、ぜひ手にとってみてほしい。
■書籍情報
書名:ファイナルファンタジーXI 皆川史生イラストレーションズ
発売日:発売中(2018年12月5日発売)
発行:Gzブレイン/発売:KADOKAWA
判型/ページ数:A4ワイド判(235×297ミリ)/192ページ
定価:4212円 [税込]/3900円 [税抜]
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