2018年12月1日、東京・池袋にあるサンシャインシティ内噴水広場にて、2018年11月16日に発売された『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』(以下、『ポケモン ピカ・ブイ』)のサウンドトラックCD発売記念イベントが開催された。
イベントには、本作のディレクターであり原曲の作曲も手掛けた増田順一氏と、本作の作曲・編曲を手掛けた景山将太氏が出演。楽曲に込められた思いや楽曲制作の裏話などが語られたほか、景山氏による生演奏も披露された。以下では、その模様をお届けしよう。
景山氏がカントー地方&『ポケモンGO』のBGMをメドレー形式で生演奏!
MCを務める鈴木笑里さんの登場とともにイベントがスタート。まずは、サントラCDの発売を“おいわい”すべく、ピカチュウとイーブイが登場。続いて、「ポケんちはー!」という挨拶とともに増田氏と景山氏がステージへ上がり、すかさず増田氏がピカチュウとイーブイにハグ! 景山氏も「いいなー!」と言いながら、同じく2匹とハグをし始めた。
ここからは、本作の音楽に関するトークパートへ。ゲームボーイの『ポケットモンスター ピカチュウ』をベースに開発された本作だが、元作品の発売から考えると、およそ20年もの歴史があることになる。増田氏いわく、その当時をどこか思い出させるような音楽に仕上げるように、とても気を遣ったとのこと。
また、景山氏の起用については、「『ポケモン』のことをよくわかってくれていて、かつそれをいまの時代に合った形にしてくれる人を考えたとき、すぐに“景山将太しかいない!”と思った」とコメント。さらに、最初のオファー時にはあえて『ポケモン』の楽曲であることは隠し、あまり規模の大きくないタイトルという体で依頼したという裏話も。その条件下でもふたつ返事で景山氏は答えたという。おふたりの信頼関係のもと、本作の素晴らしい楽曲たちは仕上がったというわけだ。
そんな誕生秘話が明かされた楽曲たちには、もうひとつ秘密が。本作は『ポケットモンスター』シリーズでは初めての“TVにつないで遊べるタイトル”ということもあって、ゲーム中で流れる楽曲はTVのスピーカーから流れる音が心地よく聴こえるように調整されているのだという。そして、今回発売されたサントラCDに収録されている楽曲は、オーディオ機器で再生した場合に心地よく聴こえるように、ゲームとはまた違った調整が施されているそう。この凄まじいほどの音へのこだわり、ぜひ両者を聴き比べて確かめてみてほしい。
そしてここからは、実際にゲーム中で流れる楽曲の演奏を担当したギタリストの堤博明氏とバイオリニストの白須今氏も登場し、景山氏と3人での生演奏が披露された。
ちなみに、披露された楽曲のセットリストはこちら
1. ~オープニング~
2. 街・どうろメドレー
・マサラタウンのテーマ
・トキワへの道‐マサラより
・ニビシティのテーマ
・タマムシシティのテーマ
3. ポケモンGOメドレー
・Goパーク
・捕獲(Goパーク)
演奏をひと通り終えると、景山氏が満面の笑顔で「楽しい!!」とひと言。増田氏も「素敵」と拍手を送った。するとここで、会場からは大きな拍手とともに“アンコール”がかかった。そんな期待に応えるべく、景山氏らが特別にもう1曲『ポケモンセンター』を披露してくれることに。そして、景山氏が会場に手拍子をリクエスト。会場が一体となって、最後の楽曲を楽しんだ。
こだわりの音楽を楽しみながら、ゲームをプレイしてほしい
イベント中に増田氏が、ニンテンドー3DSで『ポケットモンスター』をプレイする際に、消音モードでプレイしがちな人が多いことを嘆く場面があった。しかし、本作はテレビの大画面でプレイ可能なタイトル。ぜひ、堂々と音楽を流して楽しんでもらいたいと語っていた。
恥ずかしながら、記者もふだんは『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』をプレイする際、別のことをしている家族を気遣って、音を消してプレイすることがしばしばある。もちろんゲーム中の音楽はどれも大好きで、とくに通信対戦を行うときは、決まってグラジオのテーマを選ぶ、といったこだわりもある。きっとここまで読んでくれている皆さんも、お気に入りの楽曲があることだろう。『ポケットモンスター』シリーズの楽曲のクオリティについては、ここでいまさら語るべくもないことと思う。
『ポケモン ピカ・ブイ』は、良質なBGMを自然と、そしてよりいい音質で楽しめるだけでなく、だれかと共有できるというところがとくにすばらしい点だと感じる。家族がいるから気を使って音を消すのではなく、大切な人と大好きな音楽をいっしょに楽しめる。
そしてゲームのプレイ中だけでなく、好きなときに好きな楽曲を楽しめるのが、サントラCDだ。ついメロディーを口ずさんでしまう、お気に入りのBGMが脳内でくり返し再生される、という人にはとくにオススメ。というわけで、両方当てはまる記者はさっそく購入してきますので、この辺で失礼します!