ゲーム業界の未来を担うのはコスプレイヤー!? 独自のプロモーション展開を見せるgumiに突撃取材

ゲームの宣伝活動で早くからコスプレに着目し、有効活用してきたgumi。『ファントム オブ キル』のアートディレクター・ 木村将人氏と、宣伝担当・仁田俊秀氏に、コスプレに対するこだわりをうかがった。

 9月20日~23日に開催された東京ゲームシ ョウ2018を彩った、各企業ブースのコスプレイヤーたち。昨今ではゲームの宣伝活動にコスプレイヤーを起用する企業も多いが、そのなかでも早くからコスプレに着目し、有効活用してきたのが『ファントム オブ キル』などを手掛けるgumiだ。同作のアートディレクター・ 木村将人氏と、宣伝担当・仁田俊秀氏に、コスプレに対するこだわりをうかがった。

写真右から、木村将人氏(文中は木村)、仁田俊秀氏(文中は仁田)

プロフィール

木村将人(きむらまさと)

gumi                             Studio gg2                           ヴァイスプレジデント                      スタジオヘッド

仁田俊秀(にったとしひで)

gumi                              gumi gear 2ndStudio gg2                     プロモーションセクション/マネージャー

声優×コスプレイヤー企画で リアルな感動体験をお届け!

――ゲームの宣伝にコスプレを活用することは、 いつごろから始められたのでしょう?

木村 2014年の『ファントム オブ キル』(以下、『ファンキル』)リリース時ですね。人気アイドルの皆さんに、キャラクターのコスプレ姿でイベントやCMに出演していただいて。翌年には、仕事としてコスプレに取り組むコスプレイヤーの方たちを起用して、“東京アイド ルフェスティバル”にもブースを出展しました。

――積極的にコスプレに注力される理由を教えてください。

木村オリジナルタイトルの場合、まずは何よりもキャラクターを知ってもらうことが重要なんです。気になるキャラクターがいるからこそ、そのゲームをプレイしてみたくなる。そうした引っ掛かりになる要素として、コスプレはひとつの仕掛けとして有効なのでは、と考えました。そこから、テレビCMでもコスプレしたタレントさんを使っての絵づくりをしてみた……という経緯です。

仁田ただ単に「CMにタレントを起用しただけ」ですと、ありがちな広告宣伝になってしまいますが、タレントさんのコスプレ姿を通すことで、ひとりでも多くの方にキャラクター、ひいてはゲームの情報に触れていただけるのではないかと。コスプレ自体が宣伝に効果的な手法だという考えが根底にあります。

――その後、コスプレイヤーの起用に力を入れるようになっていったわけですが、イベントでの演出などで御社ならではの取り組みがありましたら教えてください。

木村昨今のゲーム業界では、声優さんの起用もヒットを目指すうえで重要なファクターになっていますが、『ファンキル』では声優とコスプレイヤーが共演するような展開にチャレンジしてみました。今年8月に実施した“ファンキル2018 ビジョンライブナイト”というイベントでは、声優の声に合わせてコスプレイヤーがパフォーマンスをくり広げる……といった企画が、ものすごく評判になって。つい先日の4周年記念イベントでも実施しましたが、こうしてゲーム、声優、コスプレイヤーのファンに、いっしょに楽しんでいただける取り組みを今後も効果的にできたら、おもしろいと考えています。

仁田ファンイベントというと、トークステージや原画の展示といった催しが一般的ですが、 弊社の実施するイベントでは、ユーザーの皆様の体験に徹底してこだわっています。先日のイベントでは、コスプレイヤーを起用することでキャラクターを現実化してみようという狙いがありました。VRではなく、ゲームと同じ声でしゃべるリアルなキャラクターに会える。声優だけでもコスプレイヤーだけでもできない、特別な企画となりました。

――コスプレイヤーだからこそ実現できた企画ですね。コスプレのクオリティーを保つために、気をつけていることはありますか?

木村製作段階の話になりますが、写真や映像で見せるのか? リアルなイベントで見せるのか? コスプレを披露する環境に応じて、使用する生地の材質や色味は毎回変えるようにしています。たとえば、原作の色味を忠実に再現していても、照明の当たりかたひとつでぜんぜん違った雰囲気に見えてしまうので、そのあたりはいつも念入りに調べてから、手掛けるようにしていますね。

仁田基本的にキャラクターに扮してもらう際は、スタイルなど目につく部分をはじめ、コスプレイヤーごとに衣装の着かたやカラーコンタクトの色を微妙に調整するようにしています。ちょっとでも差異があると、やはり不自然なんです。ユーザーから見た“品質”は、初めてコスプレイヤーを起用したときから一貫して気をつけているポイントです。

ラジオ番組では、プロデューサー・今泉潤氏(写真右)がパーソナリティーを担当。『ファンキル』のアルマスを演じる鷲見友美ジェナさん(写真左)が、アシスタントMCを務め、人気声優陣と多彩な企画を展開する。

コスプレイヤーの意見も取り入れる柔軟な思考が強み

 原作ありきのゲームとは違い、オリジナルタイトルの場合ひと目見ただけでユーザーの興味を引くような、独創的なキャラクターが求められる。そのための起爆剤として、コスプレイヤーの重要性は今後もますます高くなっていくだろう。そうしたなか、声優×コスプレイヤーといった新たな展開を思いつくなど独自のセンスが光るgumiは、今後もプロモーション展開において他社より一歩リードした立ち位置をキープしていくことになりそう。その一環として、同社が手掛けるラジオ番組“今泉P presents ファンキルにまつわるエトセトラ 絶!”には、『ファンキル』の公式コスプレイヤーが出演。コスプレイヤーならではの視点でゲームに対する意見を語ってもらい、今後の展開にも活かしていくという。このように新たな発想を貪欲に取り入れていくgumiの姿勢は、業界に大きな影響を与えるかもしれない。