「問題:『DARK SOULS REMASTERED』で白竜シースの尻尾を切断すると入手できる武器は何でしょうか?」
答えはもちろん“月光の大剣”。青白く光る刀身が美しく、さらには特殊モーションで斬撃まで飛ばせるという、一度見たら忘れられないシリーズファンおなじみの武器である。
だが、画像のような4択だったらどうだろう? つまり、問題文には続きがある。
「シリーズ3作品の武器アイコンから『DARK SOULS REMASTERED』の“月光の大剣”を選んでください」
2018年10月14日、大阪・マイドームおおさかにてフロム・ソフトウェアによるファンイベント“FROMSOFTWARE GAMES EVENT Autumn 2018 in OSAKA”が開催された。
最新作『SEKIRO: Shadows Die Twice』、『Déraciné』を含む4タイトルが試遊出展されるということもあり、関西はもちろん日本全国から1000人以上のフロムファンが集結。クイズコーナーで出題された前述の画像問題に参加者の4割近くが正解するなど、会場のグルーヴ感は相当のものであった。
ステージでは『SEKIRO: Shadows Die Twice』、『Déraciné』、『メタルウルフカオス XD』、『DARK SOULS REMASTERED』のトークイベントを実施。
『Déraciné』のキービジュアルを「首がないのがフロムっぽい」と評価するなど、“細かすぎて伝わらないフロムネタ”の応酬に会場は大盛り上がりだった。特に荒木美鈴さん(@MISUZU_zip)のフロム愛あふれるMCは最高。ぜひ今後のイベントでも活躍していただきたい。
そんなわけで、最初のステージはプレイステーション VR用ソフト『Déraciné』。あくまで「首がない」というのは冗談で、本作は姿の見えない妖精と少年少女の交流を描く“心温まるアドベンチャーゲーム”。ステージでは実機プレイが披露され、おだやかな空気に包まれた寄宿学校を探索する場面を確認できた。
トーク内容に触発されてか、映像を見ながら本気の考察を始める来場客もちらほら。筆者の後ろにいた3人組は、フレーバーテキストの文言だけで「妖精って実は○○が××してるんじゃないの?」「このテキストって△△の視点で書かれてるよね……」など、核心を突いていそうな推論を交わしていた。さすがはファンイベント、来場者の脳が鍛えられている。
続いては『SEKIRO』ステージ。興味深かったのは“ロールプレイの方向性”についての話だ。
本作は『DARK SOULS』や『Bloodborne』からシステムを一新した完全新作として製作されているが、中でも特徴的なのは“隻腕の忍者”という固定の主人公が存在する点だろう。これについて、『DARK SOULS』シリーズは“戦士”や“魔術師”といった数種類のロールから好みのものを選ぶ「横に広い」ロールプレイだったが、『SEKIRO』は“忍者”というひとつのロールを極める「縦に深い」ロールプレイを目指しているとのこと。
つまり前者の場合、たとえば脳筋戦士のプレイスタイルを選ぶということは、同時に魔法使いの道を捨てるということでもあった(もちろん、そこには自分だけのキャラクターを作る楽しみがあったのだが)。『SEKIRO』ではこうした葛藤を取り払い、剣術も体術も忍術も、最終的にはひとつのデータですべての技を極められるようになっているそうだ。
『DARK SOULS』ステージでは、MCの荒木さんがセンの古城に挑戦。入り口から最初の篝火までという難所(しかも攻撃手段ははロングソードのみ)で、事前の練習無しのぶっつけ本番だったが、攻略のコツを解説するという余裕も披露しながら見事達成。罠のギミックを逆に利用して蛇人を倒す滑らかな動きに、会場からは歓声が上がっていた。
『メタルウルフカオス XD』は2019年中旬の発売に向けて鋭意開発中。アメリカ合衆国の47代目大統領となり、機動兵器に乗り込んでクーデターを鎮圧するロボットアクションゲームだ。来場者に話を聞くと本作を目当てにイベントに訪れたという方も多く、隠れた名作のリマスターに対する期待を感じることができた。
また、『アーマード・コア』シリーズの名曲から“外せない1曲”をファン投票で選ぶ総選挙“ARMORED CORE 20th ANNIVERSARY SOUND REQUEST”の結果発表も開催。
栄光の一位に輝いたのは、『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』のトレーラーにも使用されている名曲『DAY AFTER DAY』。ステージで発表されたのは20位までだったが、特設サイトでは50位までを確認&試聴が可能となっている。
イベントの最後には、記事冒頭にもチラ見せした全18問のカルト(すぎる)クイズを出題。来場者には回答用サイトのURLが公開され、優秀な成績を収めた参加者には豪華グッズセットがプレゼントされた。
そんなクイズの内容はというと、出題者の人間性を疑う超難問、もはやフロム関係ない一般常識問題、「これまでのステージにヒントがある」「超簡単」と前置きしながらの完全なひっかけ問題etc。「騙して悪いが仕事なんでな」を地で行く内容に、会場は阿鼻叫喚に包まれた。
大盛況のまま幕を閉じた本イベント。スクリーンには試遊台のプレイ映像がリアルタイムで映し出されていたのだが、ゲームオーバー画面が映し出されるたびに会場から歓声が上がり、文字通り「死ぬほどフロムが好き」なファンたちの愛を全身で感じることができた。
なお、本イベント中に『Déraciné』プロデューサーの山際眞晃氏(ソニー・インタラクティブエンターテインメント)にショートインタビューを実施した。社外からのゲストという立ち位置でありながらカルトクイズコーナーで『Bloodborne』縛りプレイに挑戦させられてしまった山際氏に、11月8日に発売を控えた『Déraciné』への思いを伺った。(次ページ)