2018年10月14日、東京・ベルサール秋葉原で開催された“UBIDAY2018”で行われた、『ディビジョン2』のステージイオベントをリポートする。
 2019年3月15日発売予定のプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『ディビジョン2』は、前作から約7ヵ月後のワシントンDCを舞台に、プレイヤーは精鋭組織“ディビジョン”のメンバーとして、迫りくる敵勢力に立ち向かうオープンワールドのオンラインRPGだ。

 今回のステージには、クリエイティブディレクターのジュリアン・ギャリティ氏が登壇し、文字通り1/1スケールで再現されたワシントンDCをいかに没入感を感じられるものにして至ったかなど、開発秘話が披露された。

『ディビジョン2』 クリエイティブディレクターが舞台・ワシントンDC再現度のこだわりを語る【UBIDAY2018】_01
『ディビジョン2』クリエイティブディレクター、ジュリアン・ギャリティ氏

 ギャリティ氏は、今回のステージを3つの構成で進めた。まずひとつ目は、“WORLD LOGIC”。
 本作では、前作のニューヨークからワシントンDCへと舞台を移している。ギャリティ氏によると、シアトルやニューオリンズなども候補に挙がったそうだが、ワシントンDCになった決め手は“バラエティ”だという。ニューヨーク以上にさまざまな要素やスポットがあることが、選ばれた理由だそうだ。
 また、前作のニューヨークが真冬だったのに対し、本作は7ヵ月後ということで、白銀から真夏の世界へと舞台が移る。その“コントラスト”も本作の魅力のひとつだと言い、恐れおののいているだけだった市民もまた7ヵ月という時間の流れの中で、世界に順応しつつあるのだそうだ。

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 ふたつ目のポイントは“WORLD BUILDING”。ワシントンDCを再現するにあたり、実際に現地でリサーチ。しかも「もしウィルスが蔓延したらどうするか?」と、政治家や警察関係者、消防など、さまざまな職業の人に質問したそうだ。ステージではその際の映像が公開されたのだが、顔を隠している人物がいた。ギャリティ氏によるとその人物は元特殊部隊のメンバーであるため、顔を公に出すことができないものの、さまざまなアドバイスをくれたという。
 さらに開発陣がこだわったのが、街の音。ワシントンDCは忙しい街であるため、路地に入った瞬間の音の響きかたを正確に再現するために、早朝や深夜に録音作業を行ったそうだ。ギャリティ氏の「街を作るのはたいへん。しかし、街を再現するのはもっとたいへん」とのコメントが印象的だった。その再現のために、開発エンジンに新たなツールを加えた。そのおかげで、GISデータを使用することができ、文字通り1/1で街を再現することができたという。しかもそのまま出てくるのではなく、崩壊具合などはまるで本当に7ヵ月が経過したかのような表現が施されている。

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 最後の3つ目は“OUR IMMERSIVE WORLD”、いかにして没入感ある世界にすることを目指したかが語られた。本作では、居住区と商業地区だけだったニューヨークと比べ、ホワイトハウスやルーズベルトアイランド、リンカーンメモリアルなど、さまざまな施設が登場し、マップは20%ほど広くなっているそうだ。ギャリティ氏ら開発陣は、リサーチを行って忠実に再現し、さまざまな施設などが登場することで、ワシントンDCをひとつのキャラクターと捉えているのだそうだ。

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 最後に、ステージに参加した熱心なファンから、ギャリティ氏への質問が行われた。まず“ベータテスト”については、「ぼんやりとしか言えないが、来年の早い段階になるのではないか」(ギャリティ氏)。また“ダークゾーン”については、「もちろん存在し、もっとよくなっている。詳しくはまだ言えないが12月くらいには何か発表する」とのこと。そして、敵勢力の“トゥルーサンズ”については、「学校にいるガキ大将が集まった存在」とし、「すべての勢力は一新されている」とも答えてくれた。

『ディビジョン2』 クリエイティブディレクターが舞台・ワシントンDC再現度のこだわりを語る【UBIDAY2018】_14

 発売に向け、徐々に全貌が見えてきつつある『ディビジョン2』。ちなみに“UBIDAY2018”では、じつに20台の試遊台が用意され、4人ひと組での協力プレイが楽しめた。終日長い列ができていたほどの人気ぶりだった。