ガンホー×吉本興業×サイバーエージェントによるモバイル向け新サービス“mspo”とは? 寺田美絵氏(mspo代表取締役社長)にその真意を聞く

2018年9月28日、“mspo(エムスポ)”という新しい会社の設立が発表された。今回は、新会社において、代表取締役に就任した寺田美絵氏に、社名に冠したサービスである“mspo”が描くゲームシーンについて聞いた。

“mspo”のmは“mobile”のm!

 2018年9月28日、“mspo(エムスポ)”という新しい会社の設立が発表された。同社は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、サイバーエージェント、そして吉本興業の3社による合弁会社で、モバイル向けカジュアルゲームに搭載する新しいサービスを展開することとなる。少し乱暴な説明をすると、“モバイル版esports”という、新しいジャンルの確立を目指すというもの。カジュアルゲームとesports……一見相反する両者だが、“mspo”を介することで見える新しい可能性。今回は、新会社“mspo”において、代表取締役に就任した寺田美絵氏に、“mspo”が描くゲームシーンについて聞いた。

プロフィール

寺田 美絵(てらだ みえ)

mspo株式会社 代表取締役 過去には、2017年8月31日にサービスを終了したMMO RPG『エミル・クロニクル・オンライン』でプロデューサーを歴任。

“mspo”が目指すのは、カジュアルなesports

――まずmspoとは何か、mspoという名前に込められた意味は何か教えてください。
寺田mspoは、カジュアルなモバイルゲーム上で対戦マッチングの仕組みや、勝者へ賞品を付与する、新しい形のサービスです。ゲームがおもしろいのはもちろん、そこに競い合う楽しさと賞品がもらえる緊張感を生み出すことで、カジュアルゲームに対する熱中度を上げるのが目的です。mspoという名前の由来は、esports は“electronic sports(エレクトロニックスポーツ)”の略なのですが、こちらは“mobile sports(モバイルスポーツ)”です。開発時にプロジェクト名として呼んでいたものを、最終的に語呂をカジュアルにして縮めました。

――確かにmspoという響きには、親しみやすさを感じますね。
寺田 いわゆるesportsは、一般的には、ものすごく練習を重ねて挑むようなアスリート性の高いイメージがありますよね。また、一部のプロゲーマーのプレイに対して、多くは観衆として参加する側面があります。mspoで実現したいのは、もっとカジュアルなもので、観衆ではなく、あくまでプレイヤーとして、ゲームに気軽に誰でも参加できるサービスを作りたかったのです。通常のゲームはただ対戦するだけだと、勝った負けたで終わってしまいますが、mspoでは勝者にはAmazonギフト券と交換できる“mポイント”を付与する仕組みになっています。電車に乗っているときなど、空いた時間に少し遊んで、「もうちょっとがんばれば、mポイントが手に入るんじゃないか」くらいのカジュアルなサービスになっています。ですから、“sports”という言葉は直接使わないようにしました。

――設立に関係しているのが、ガンホー・オンライン・エンターテイメントさん、吉本興業さん、サイバーエージェントさんの3社ですが、これまでなかった組み合わせですね。
寺田mspoは、対戦が終わるたびに広告が表示される仕組みですが、そのためには広告を大量に確保する必要がありました。私たちとしては、このサービスを細々と、一過性のサービスとしてやっていくつもりはなく、多くの人に、長く、カジュアルに楽しんでいただきたいと思っています。そこで、日本トップクラスの広告開発・運営力を有しているサイバーエージェントさんといっしょにやらせていただこう、ということになりました。

――なるほど、一方、吉本興業さんはよしもとゲームスタジオを立ち上げるなど、最近では広い意味でのエンターテインメントに関わっている会社ですね。
寺田吉本興業さんはゲームにも注目されています。加えて、mspoの“ゲーマーではない人でもカジュアルに参加できますよ”という部分のPRにお力を借りたいと思って、協力していただくことになりました。

9月28日に開催された発表会。公式アンバサダーに麒麟が就任した。

発表会には、麒麟を始め、和牛、パンサーら、吉本興業のお笑い芸人が登場。一般層へのアピールにひと役買った。

――mspoに、今後よしもとゲームスタジオさんやガンホーさんのゲームが対応する予定はあるのですか?
寺田よしもとゲームスタジオさんのゲームが対応する可能性はあると思います。一方、ガンホーの作品は、どちらかというとカジュアル色が薄いので、mspoとは別のカテゴリになると思っています。

――mspoの構想は、ガンホーさんの社内で立ち上がったものなのでしょうか?
寺田仕組み自体は、アメリカにあるガンホーの子会社といっしょに開発したものです。構想は数年前からあって、事業としての収益性やユーザーさんが楽しめる要素が現在の形に落ち着くまで紆余曲折あっていまにいたる、という感じです。

――ちなみに、寺田さんが今回mspoの代表取締役に就任されたのは、どういった経緯からなのですか?
寺田私は経営をやってきたわけではありませんが、これまでにいくつかのモバイル作品のローンチに関わらせていただいた経験から、モバイルでゲームを出すのに必要なノウハウが頭に入っていました。じつはmspoの原型は、見た目や表現などがかなりアメリカ的な色が強かったのです。そこで、この新サービスをユーザーさんに届けるにあたり、日本のユーザーさんが見てびっくりしたり、戸惑ったりしないように整えたりする部分をまかせていただきました。

――mspoのロゴは、パンダのように見えて、かわいいですね。
寺田“m”の部分だけ“エム”と読むので、まず“m”を強調しよう、と。加えて、ロゴを考えていたデザイナーが「遊びで作った」と見せてくれたラフがすごくかわいいデザインで、「これだ!」という感じでした。

――かわいいものというのは、女性ユーザーを意識されている部分もあるのですか?
寺田意識しているところはあります。男性ユーザーはゲームのおもしろさや、勝負に勝つことにワクワクすると思うのですが、女性はポイント、お小遣いが貯まるという部分に興味を持っていただけるのではないか、と考えています。ですから、ロゴやデザインについても全体的なトーンを柔らかく、ポップなものにしています。

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