ラジオアプリ“JFN PARK”にて放送中の『椎名慶治のゲーマー列伝』。この番組では、ファミ通.com制作協力のもと、音楽ユニット・SURFACEのボーカルを務める椎名慶治氏が、さまざまなゲストを交えてゲームにまつわるトークをくり広げる。
第4回のテーマは、前回に引き続き、椎名氏がハマっているスマートフォン用ローグライクゲーム『世紀末デイズ』。今回も『世紀末デイズ』の企画兼プロデューサーを務める、DeNAの“まこP”こと山口誠氏(以下、山口)を迎えて、同作にまつわるトークをたっぷりとくり広げた。本記事では、そのトークの模様をまるっとテキストでお届け! トークの熱気を感じたい方は、ぜひ“JFN PARK”アプリをダウンロードして、おふたりの生の声を聴いてみてほしい。
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椎名慶治がキャラクター愛を語る!
椎名 前回のトークでは『世紀末デイズ』について、まだまだ上辺と言うか、上澄みの部分だけで、あえて話を進めていきました。今回は山口さん、まこPの中でもうちょっと掘り下げたいところがあれば、ぜひ教えてください。まず、『世紀末デイズ』はアプリゲームですよね。据え置きゲームとアプリゲームの違い。『不思議のダンジョン』シリーズは据え置きゲームで、そのDNAを継いだ『世紀末デイズ』をアプリゲームとして作るとき、ここに違いってあるんですかね?
山口 まずは1回(ゲームシステムを)壊すくらいの感覚で作っているんですよ。そもそもコントローラーがないですし。ただ、企画としては『風来のシレン』ですとか、『不思議のダンジョン』シリーズをやった人たちが、いちばんおもしろかったところを取り出して、そこだけを楽しめればいいと。それ以外の要素をローグライクゲームをプレイしたことがない方でもプレイしやすいように、パッケージングし直す。そんな感じで作っていました。オート機能についても、とにかく“たたかう”を(繰り返して)やってください、みたいな発想で作ったのではなくて。『不思議のダンジョン』シリーズやった人たちは分かると思うのですが、“モンスターハウス”(敵が多数出現する部屋の一種)に入ったりして、ピンチになる前って意外と“Bダッシュ”(Bボタンを押しながら移動すると、ゲーム内での歩く速度は変わらずに、見た目のみ高速で移動できた)とか使ってて。本当に1手1手考えて遊んでいるわけではなくて。20階、30階と登っていけたときに、「ぼちぼち(1手1手考えて)やるか」って感じになると思うんですよね。(難度が上がってくる)“テーブルマウンテン”に行くまでは、サクサクBダッシュしながら遊んだりしてたと思うんですよ。それを実現するため、素早く進むようにオート機能を付けたんです。
椎名 『不思議のダンジョン』シリーズでいう、Bダッシュの代わりになると! たしかに、コントローラーがないからBダッシュできませんもんね。
山口 それを(ゲーム内に)わざわざ作ってしまうと、今度は画面の領域が狭くなってしまったりして、その結果アイテムが見にくくなってしまったり。なので、UI(ユーザーインターフェース)としてはあまり適切ではないと思っていて。その中でできるとしたら、やはりオート機能だなというところで作りました。
椎名 ちゃんといろいろな考えから生まれたってことなんですね。まこPも俺も世代的には、昭和50年代。本当にファミリーコンピュータ世代ですよね。その当時のゲーマーと、いまの(世代の)ゲーマーたちって、何か変わりましたかね?
山口 大きく違うのは、僕らファミコン世代の人たちって、ゲームひとつをしゃぶり尽くすくらい(遊んでいましたよね)。
椎名 うん、そのゲームだけを!
山口 1本ゲームをようやく買ってもらって、本当にしゃぶり尽くすくらい遊んで。裏技を探すとか、友だちといっしょに遊ぶとか。(クリアーしても)同じゲームを何度も遊んだり、縛りプレイ(アイテムを使わないなど、自らゲームに制限をかけて遊ぶスタイル)をするとか。本当にずーっとやってましたよね!
椎名 いまの世代の人たちは、『世紀末デイズ』のほかにも、パズルゲームのアプリをやったりだとか、疲れたらほかのアプリをやるっていう。一気にいろいろなゲームを遊べると。
山口 そうです。しかも皆さんクオリティの高いゲームを無料でやれたりするので、そういう意味で言うと、幸せな世代だと思いつつ、クリエイターとしては難しいところだと思います。(ほかのゲームに)負けないようにと。
椎名 僕は幸せな世代という言葉に違和感を感じます。僕は不幸な世代だと思います! やっぱり、そのゲームにとことんのめり込まずに「いいや、やめよう」ってなるのは、すごくもったいないと思う! ……うーん、でもそうか。僕もミュージシャン20年やってますから思います。(飽きられたら)「コッチの責任」ってなりますよね。
山口 そうなんですよね。
椎名 とことん遊び尽せないゲームを作った、俺たちが悪い。いい曲だと思われなかった、俺が悪いってなりますもんね。そうですよね。まず掴みはオーケーで、中だるみしないようにずっと物語を楽しませて、最後のゴールという着地点まで「すごかった」と言ってもらえるゲームを作るしかないですよね。……プレッシャーですか?
山口 そうですね(笑)。そこに負けないようには作りたいので(笑)。
椎名 それで『世紀末デイズ』ですが、キャラクターひとりひとりがすごく個性的で、僕は引き込まれてしまいます。そのなかでも大好きで、こいつとは絶対友だちになるなと思っているのがいるんですよ。羽間 緑! メチャクチャかっこよくないですかコイツ!
山口 あぁ~、SNSとかも含めて結構人気のキャラクターですよ。
椎名 そうなんですか! もう、ヤツの生き様ヤバい! まず家庭環境。このゲームってじつは絆や家族だったり、絶対に切れない強い血でつながっている部分っていうんですかね、そこをすごく描かれてるじゃないですか。ネタバレしてもいいと思うんですが、そのなかでも羽間くんは家族愛がちょっと薄いというか。「俺はIT企業の家で、家には家族があまりいないんだよね。でも、葵(主人公の天霧 葵)は、妹を大切にしなきゃダメだぜ!」 みたいな。なんでこんな哲学的な! お前スゲェいいヤツなだってなって! 俺いちばん好きです!
山口 ほかの人たちは“レゾネーター”と呼ばれるスーパーパワーを持った人たちですが、このゲームで彼(羽間)だけ人間のまま頑張るっていう。等身大の人を入れたかったんです。
椎名 僕はまだストーリーを全部進めていないので分からないですが、まさか羽間があの石に当たってイヤなことにならないのかなぁとか考えてやっていて(物語では、特殊な鉱物・オモイカネの影響で人間がレゾネーターとして覚醒する)。
山口 それもSNSとかでもよく心配されますね(笑)。
椎名 まだ(オモイカネの)反応が起きてないじゃないですか! 起きたときにレゾネーターになれるかどうかも分からないじゃないですか!(オモイカネの影響で“リジェクター”という怪物に変化してしまう場合もある)。もう……怖くて!
山口 (笑)。まあこれはネタバレになってしまうので、先のお話については言えないのですが(笑)。
椎名 いやぁ、よく描いてたなと。で、声優の鈴木達央さん。(羽間 緑に)メチャクチャ合ってますよね。
山口 すごく演技が上手で。収録のときも本当に身振り手振りをしながら演じられていました。
椎名 俺、声優さんのファンの気持ち、いままで分からなかったんですよ。僕は長くミュージシャンとしてやってきたので、アニメなどに疎いところもあって。いま(CD売り上げの)ランキングとか見ると、声優さんが上位にきたりしてるわけですよ。「なんでだろう? なんでこんな売れるんだろう?」って思ってましたが、これはね、売れる! 好きになっちゃったら、ドハマりしちゃいますね。僕は鈴木達央さんが、羽間 緑の声優として好きですけれども、この声をほかのキャラクターで聞いたときにも「うっ!」って振り返ると思いますよ。天霧 葵を演じる古川 慎さんも素敵で、シブさ、カッコよさ、クールさもよくて。なおかつ、天霧 葵だけ描かれかたが変わってくる。前回も言いましたが“デミ”(天霧 葵は“デミレゾネーター”と呼ばれる)と付く彼が、これからどう苦戦していくのか。これが結局キーになるわけですよね。そして、妹の安否! 僕はもう上野(ゲーム内のエリア5)なので、早く進めなきゃ! ってところなんですが! そして下妻さん(下妻 桃。ヒロインのひとり)。こんなにピリピリしている世界の中で「お腹が空いた」とか言ったりして!
山口 ちょっと天然なんですよね(笑)。
椎名 そこもいいですし。で、僕がまだ出会っていないキャラクターもいるんですよ。白金くん(白金 光)っていう。もうすぐですかね?
山口 ええ、もうすぐですね。
椎名 あと主要人物としては、火鳥 茜がいますよね。彼女はひとつ先輩なんですよね。
山口 先輩ですね。カッコいい女の子で、クールな感じで。
椎名 その5人が主要メンバーになってくると。でもいちばん謎なのが、携帯電話に石(オモイカネ)がぶつかって産まれた、ヒヨ! ヒヨがたまに、黙り込むんですよ。「えっ?」ってなるじゃないですか。人工知能じゃないのは分かったけれども、「お前何で黙り込んでんの!?」ってシリアスになりますよね、あんなに明るいのに。ヒヨを通じてどんな物語を描かれるのか楽しみです。
今後のアップデート予定などを訊く!
椎名 ちなみに今後の展開など、語れる部分はあるのでしょうか?
山口 シナリオに関して言いますと、現在配信している13章までを10月くらいまでにすべて解放します。そのあと、エピソード2に入ろうと思っていて……。
椎名 ちょっと待ってください! えっ、全13章でエピソード1が終わるんですか!?
山口 終わるんです。今度エピソード2になって、(エピソード1は)東京のお話ですが、今度は関西に行こうと。
椎名 えっ! 道頓堀とか行くんですか!
山口 本当に道頓堀とか、京都とかに行って。そのあたりを探索するような、そういうお話になっていくので。だいぶ(お話の)規模感も大きくなりますよ。
椎名 ヤバいですね! 槍は全国的に刺さってるわけですから(『世紀末デイズ』のストーリーは、世界に“サバキの槍”が降り注ぐところから始まる)、いまの話を聞いていると、関西のエピソード2が終わったあと、「じゃあ日本を飛び出しちゃおう!」ってこともありえなくはないと。
山口 はい、ありえない話ではないです。じつは最後のほうまで、誰と戦っているのかなど(設定が細部まで)設計されているので、ずっとお話は続いていきますから、それを楽しんでいただけたらなと思います。
椎名 僕の要望として、『不思議のダンジョン』シリーズをやっていた身としては、「フィールドにこんなすげー、超レアな武器が落ちてたじゃん!」みたいな偶然と出会いたいのですが、これは今後起きたりするんですか?
山口 起きる予定です。
椎名 ホントですか! ワクワクしかないんですけど!
山口 直近で言いますと、ハードや超ハードといった、ノーマル難度よりも難しいほうですと、未鑑定ボックスと呼ばれるものの、虹色のものが拾えるんですよ。
椎名 虹色が出るんですか! ジュラルミンケースみたいなやつの。レア4までのしか見たことがないのですが。
山口 虹色はレア5ですね。その中に、レアな武器が入っている可能性があります。あと、今後のバージョンアップで考えている“デスプロムナード”というコンテンツがありまして。まだ開発中なので詳しくは言えませんが、同じく確率でレアなものが出る予定です。体感としては『風来のシレン』の難しいところに行って、“剛剣マンジカブラ”(初代『風来のシレン』の中では、拾える武器でいちばんの攻撃力を誇る武器)を拾うくらいの感覚で作れたらいいなと。
椎名 「もうサクサクストーリーが進んじゃうよ」、くらいの!(笑)
山口 「ヤバい、この武器をとにかく育てなきゃ!」みたいな(笑)。
椎名 でも強化の素材を取るのはさらに難しいと! 尽きないですね、やり込み要素もいっぱいあると。ストーリーはある程度進められたので、そこで僕はハードをやってみたんですよ。もう別のゲームですね。ハードをやるまでは『世紀末デイズ』という新しいゲームをやっていた感覚でしたが、ハードをやったときに、「あっ、『不思議のダンジョン』だ」って思いました。ハードあたりから、少し出てくるんですよね手応えが。1歩間違えて、先制攻撃されたヤバさとか出てきて。そこのおもしろさが出てきますよね。
山口 超ハードになると、レベルがMAXになっていたとしても、いわゆるアイテムを駆使しなきゃいけなかったりとか。まさに1手のミスが、ヤバい状況を生んで、本当にヒリヒリした感じになって。あと、周りの人間がやられていって、ひとりなんだけれども、「もしかしたら脱出できるかも!」みたいな。
椎名 僕はハードの段階でそうなりました(笑)。でも、フレンド機能のおかげで進めました。僕よりレベルの高い人たちと冒険していって。意外と使えるのが、“狙撃班”(遠距離攻撃が得意なクラス)か“医療班”(回復が得意なクラス)。山口さんの中で、このクラスオススメ! っていうのはありますかね?
山口 僕はゴリゴリ押していくタイプなので、“戦闘班”(近距離攻撃が得意なクラス)と“魔能班”(範囲攻撃が得意なクラス)ですね。
椎名 “戦闘班”はスキルが爆発したとき、一撃で敵を倒せる力は敵わないですね。
山口 あと“魔能班”は全体攻撃ができるので強いですね。あとは班ではなく、キャラクターになるのですが、じつは『風来のシレン』シリーズのシレンを配っていまして。
(※シレンの配布は、2018年10月31日23時59分まで。)
椎名 僕もいただきましたよ! でも、いいんですか!? 星5のシレンを貰いましたけども! 僕は何かのミスかバグかと思いましたよ。いるんですよ、自分のキャラクターの中にシレンが! 「あれ、このゲーム『世紀末デイズ』だよな?」って! すみません、主人公よりメインはシレンでやっています。大丈夫ですかね?
山口 大丈夫です! シレンだけでやっているプレイヤーもいらっしゃるくらいで。性能はオールマイティですが、全体攻撃が使えるので、メチャクチャ強いんですよ!
椎名 しかもその技名がね、『風来のシレン』をやっている人は、「おおっ!」と思うような(必殺技は“クロンの追い風”)。
山口 ええ。しかも必殺技のエフェクトも、「おおっ!」と思うような。
椎名 本来ならあれ食らうと戻されちゃいますよね(笑)(原作では“クロンの追い風”を食らうと、シレンがダンジョンの最初に戻されてしまう)。でも『風来のシレン』をやっていた人は、シレンを使うことによって、「あれっ、このゲーム『風来のシレン』だっけ?」って、ハードモードをやったときに思うはずです。ぜひ、シレンを使ってほしいですね。あと、(このゲームは)ガチャが優しすぎる! いいんですか!? 10連ガチャをやり直しさせてもらって(『世紀末デイズ』のガチャは、初回のみ引き直しができる10連ガチャが実装されている)。
山口 やっぱり皆さんキャラクター好きなので、やりたいかなと思いまして。
椎名 すみません、俺、20回くらいやり直しました(笑)。
山口 そうですよね、僕もずっとやりました(笑)。
椎名 星5が1個出るのは分かったんですよ。でも星5が2個出ることもあって、ヘタするともっと出るじゃないですか! で、3つ出たときに、よっしゃ! と思ったら、3つ全部同じキャラクターだったんですよ!
山口 それ珍しいですね!
椎名 でもやっぱり自分のパーティ全員星5にしたいからってやり直して。で、探偵が出てきまして。
山口 ああ、淀川嵐子ちゃん。
椎名 でも僕とその子は相性が悪くてですね。やっぱり僕はシレンがよくて! 結局貰ったキャラクターをメインにしてやっているっていう。ただ、『世紀末デイズ』には、いわゆる“リセマラ”と呼ばれる、アプリを消して、引き直して、アプリを消してってやる煩わしさがないですから! やり直しできますので、自分の好きなキャラクターでゲームを始めてもらえればと。最初はスキルを使えばポンポンとゲームが進みますが、中盤になってきて、全キャラクターを自分で動かす設定にもできるじゃないですか。それにしたほうがいいシーンとかも出てきて。そうしないと危ないというか、僕が1歩動いたときに、オートだと「お前付いてくるなよ! お前は離れたところから攻撃しろよ!」ってなって。『不思議のダンジョン』などをやった人がワクワクできる展開は、中盤から始まります。そこまではストーリーを楽しんで、オートでかっ飛ばしていいと思うので。そして『不思議のダンジョン』シリーズを知らない人は、『不思議のダンジョン』シリーズ関係なく『世紀末デイズ』を楽しんでほしいです。
椎名氏が『世紀末デイズ』のキャラクターに……!?
椎名 このゲームを作っていて、いちばん難しかったのはどこですか?
山口 やはりUIですね。これまで(『不思議のダンジョン』シリーズ)は操作周りが分かりやすかったんですよ。上から文字が書かれていたりして、オーソドックスで、メチャクチャ分かりやすい。でもあれって、コントローラーがあるからできる状況だったんですよ。スマートフォンになると、コントローラー=プレイ画面になるので。それを読ませようとすると、画面が潰れてしまう。ゲームがどうなってしまったか分かりにくい。どこに何を置くのか、どういった順番で出すのか、というところがすごく難しかったです。
椎名 いまのところのベストが、いまの状態なんですね。今後アップデートがあれば、それも変わるかもしれないと。
山口 はい。新しい機能もどんどん増えていきますので。
椎名 ではプレイヤーからの、いい意味での苦情みたいなものは、受け止めているんですか?
山口 受け止めています。ゲームの中にご意見ボックスというのがありまして、そちらからいただいたり、あとはSNSとかも確認しています。
椎名 そういう意見をくれる人は、絶対にゲームをやめないですよね。
山口 そうなんです。意見はありがたいです本当に。
椎名 僕も長く(ミュージシャンを)やっていて、いろいろな褒め言葉もいただくんです。ただ、褒め言葉で自惚れてしまうこともあって、真に受けすぎるのも良くなくて。だから、100個いい言葉の中に、ひとつクレームがあったりすると、そっちのほうがじつは大事だと。これはデビューした当時、事務所から言われたことです。アンケートとか見て、ちょっとでも悪いことが書かれていたら、それをくれと言って読んでいました。その悪い部分をどんどん改善していったおかげで、20年やってこれた部分もあると思うので。山口さんも、そういったご意見をプロデューサー自ら読んでいるんですね。
山口 そうですね。
椎名 僕も(意見を)いっぱい送りますから!!
山口 (笑)。ぜひお願いいたします(笑)。
椎名 こういう武器が欲しいとか、どんどん言いたいです! あとなんだろうなぁ、『不思議のダンジョン』シリーズだと壺の中にアイテムを入れて合成したりしていましたよね。あの感じが、『世紀末デイズ』でも出せるんじゃないかと思うんですよ。サブ武器っていうんですかね、味方とかが落ちていた武器で攻撃する杖とかも、それをもっと強化して、最終的にかなり使えるようになる武器になったりしたら、便利になるんじゃないかと。フィールドで合成がしたいですね。帰ってきてからの合成もワクワクしますが、フィールド上で何かをしたら魔法武器になったりとか。この攻撃のあとにこの攻撃をしたら、連携になってダメージが増えるとか。ちょっと良くないですか?
山口 それおもしろいですね。ダンジョンの中で工夫ができるのは、おもしろいところなので、ちょっと何か考えたいです。
椎名 その代わりにクリアーしたら、その状態はリセットされる。連れて行った仲間が、医療班だったらまた違う効果が生まれたりですとか。せっかく3人でダンジョンに入るのですから、1回しか使えないけど3人が結託して放てる必殺技とか。そういうのも見てみたいです! そのエフェクトを見るためだけに、この3人でダンジョンに入ってみようとか……。あれっ、俺(ゲームクリエイターに)向いてます!?
山口 (笑)。いい案だと思います。奥深さみたいな部分をいま検討中でして。
椎名 逆に(協力技のような)そういうのじゃないと、倒せない敵が出てくるとか!
山口 あのー……。いただいて帰ります(笑)。
椎名 あ、あとここで絶対にそうしますとは言わなくていいので、お持ち帰りしていただいていいので。……キャラクター、出しません? 俺みたいなキャラクターを! 声優が俺でも!
山口 おっ、出します!?
椎名 (小声で)ノーギャラでいいんで……!
山口 あれっ、これ皆さん(ノーギャラでいい発言の)証人になりますよ!?
椎名 『世紀末デイズ』の世界で、ガチャで出てくるひとりのキャラクターでいいんですよ。物語に全然絡まなくていいんで。ガチャの中に、なんか“椎名”ってキャラクターがいて、必殺技がボイスとかで。ボイスで何が起きるかというと、敵が3ターン麻痺するみたいな。
山口 いいですね、ぜひ検討させていただきます!
椎名 リスナーの皆さんも、椎名がこれだけ推しているのだから、『世紀末デイズ』やってくれると思うんですよ。これでダウンロード数が伸びたら、ぜひ教えてくださいよ! ほかにもまこPが、ぜひお伝えしておきたいことってありますか?
山口 ゲームについてはしっかりと語りましたが、シナリオに関してもお伝えしたいです。コンセプトで“生きるを研ぎ澄ませ”っていうのがあって。ゲームのなかでも、“生きるを研ぎ澄まして、ギリギリ死ぬ!”というところを目指していますが、シナリオもじつはそういうコンセプトなんです。リアルの日常において、理不尽なことが多くなってきていると個人的に思っているんですよ。自分のせいじゃなく、理不尽は起きるのですが、その理不尽に対して僕らがどう抵抗していくのか、というのを考えたときに、僕の考えとしては“日常に戻ること”だと思ったんです。
椎名 深いですね。
山口 シナリオの中で葵くんとかも、理不尽なことは起こってしまい、それは変えられないんですよ。それをいかに気にせず日常を過ごすであったりとか、家族を取り戻して平常をいかに取り戻すのか、っていうのが、人間の強さなんじゃないか、というシナリオのコンセプトなんです。
椎名 エンディングに向けてのお話が少しだけ見える感じですね。
山口 ぜひそのあたりも楽しみにしてほしいなと。
椎名 壊れたものは元通りにならないので、いままで通りにはならなくても、それとは違ったある程度の日常を取り戻すと。
山口 人間の強さってそこにあるのかなと僕は思っていて。
椎名 そうかもしれないですね。『世紀末デイズ』のお話は非現実的かもしれませんが、置き換えてみたら、やはりリアルと近い部分があると思います。だから、引き込まれてしまったら、どっぷりいくと思うんです。これは何度も言いたいのですが、最初の30分! ダウンロードして、まずはジャズの気持ちいいサウンドを聴いて、そのときに出てくる紹介文で世界観を踏まえてもらって。で、ワクワクしながら物語を進めてもらえれば、もうそのときには『世紀末デイズ』の世界にどっぷりハマっていると思います。2週続けて同じことを言っていますが、まずそこをやってほしい!
山口 ぜひお願いいたします。
椎名 というわけで、まこPこと、山口さんとは2回に渡りトークをしてきました。いや本当にこの人が、このシナリオを作ってるの!? と思うくらい明るい人でした。今日で山口さんとはお別れになるのですが、最後にメッセージをお願いできればと。
山口 前回もお伝えしましたが、『世紀末デイズ』は、できるだけ多くの方に楽しんでほしいです。僕らが10代のころにやっていた『不思議のダンジョン』シリーズのおもしろさを、いまの10代の人にお伝えしたいと思っています。こういうゲームをやったことがないから分からない、難しそうって思う人も、とにかく30分遊んでいただくと、だいぶ変わるんじゃないかと。できればそこで興味を持っていただいて、『世紀末デイズ』だけでなく『不思議のダンジョン』シリーズもぜひ遊んでいただけたら、嬉しいです。
椎名氏&まこPミニインタビュー
まこPこと、山口氏をゲストに迎え、第3回、第4回と2回に分けて『世紀末デイズ』をメインにトークをくり広げた『椎名慶治のゲーマー列伝』。今回の収録を終えたおふたりに、その感想をお聞きした。
――今回、山口さんは椎名さんと語り合ってみていかがでしたか?
山口 トークがお上手で、そこに乗っているうちにいろいろなことを喋ることができました。メチャクチャ楽しかったですね。あと、恥ずかしいぐらい『世紀末デイズ』を褒めていただいて(笑)。僕がお話したいことも、しっかりと聞いてくださって。シナリオの部分含めて、僕がお伝えしたいことはかなり語れたので、とても嬉しかったです。
――トークの中で、椎名さんからゲームに出して欲しいと言うお願いもありましたが……!?
山口 可能性は大いにあると思いますよ。
椎名 おおっ! じゃあ曲も作りましょう! 無償で作りますよ! この業界、いちばん大変なのは事務所の許可とか、お金がどうとかですが、ウチの事務所はそんなのないんで!!
山口 ええー!?
椎名 曲も作りますし歌いますし、ボイスもやります! そこまでやってノーギャラでオーケーですよ!
山口 あぁー、嬉しい! ただ、もし出るとしたら、椎名さんが“レゾネーター”になりたいか、そこだけ聞いておきたいですね(笑)。
椎名 そこなんですよねー! 俺なれますかね!? 俺、怪物の向こう側に行っちゃう気がして……!!
――お話しが進むようでしたら、改めて詰めていただくとして(笑)、椎名さんがまだ『世紀末デイズ』をプレイしていない人々に向けて、いちばんオススメしたいポイントはどこですか?
椎名 ストーリーですね。ストーリーがスゴすぎて、続きを早く見せろ! って気持ちになっちゃうんですよ(笑)。だから、最初は全部オートプレイでいいと思います! それを見ながらシステムを理解していけばいいので。まずはストーリーにのめり込んでもらいたいですね。そのうちオートでは進めなくなってくると思うので、ストーリーの続きが見たい! というのを原動力にして、いろいろな戦法や育成を知って、そこで初めてゲームのスタート地点に立つのがオススメです。ちなみにBGMとボイスが本当に素晴らしいので、このゲームはミュートでやらずに、ボリュームを上げて、外ならイヤホンを付けてやってほしい!
――ちなみに、今回のトークでは『不思議のダンジョン』シリーズのお話も出てきましたが、椎名さんが思い出深いエピソードはありますか?
椎名 僕はとくに『風来のシレン』をやっていて、誰もがあるあるだと思うのですが、あのゲームって死んだらアイテムが全部なくなったじゃないですか。最大まで強化した“剛剣マンジカブラ”とか、“秘剣カブラステギ”とかに、特殊効果も全部付けて、これ以上強くならない! って、最強の武器にまで鍛え上げたのに、それがとんでもなく低い階層で消えてしまったことですね! たとえば油断して死んだり、あとはモンスターの“ケンゴウ”とかに武器を弾かれて、後ろにいたマムルにヒットして消えたりとか! それから、鑑定していない腕輪付けたまま“マゼルン”(装備を合成してくれるモンスター)に武器を投げたら、その腕輪が“遠投の腕輪”で、マゼルンを貫通して水に落ちちゃったみたいな! もう、そうなったら笑うしかなかったですね。育てた武器が消える、それに敵う思い出はないですよ!!
というわけで、次回の放送(2018年10月11日配信予定)は、どんなゲームをテーマに椎名氏が語るのか、ぜひお楽しみに! 番組に関する感想などは、アプリ“JFN PARK”内のトークルーム(※リンク)にぜひ書き込んでみよう!