今月始めにアメリカのシアトルで行われたゲームイベント“PAX WEST”。日本一ソフトウェアのアメリカ支社NIS Americaは会期中に会場近くで体験ルームを出展しており、今後発売予定のタイトルを試遊することができた。
その中のひとつが、海外でNintendo Switch向けに11月発売予定となっている『SNK 40th Anniversary Collection』。SNKの40周年を記念して初期作品を収録した本作、実はNIS Americaがパブリッシャーとして企画に関わっている製品なのだ。
というわけでデモ機を手に取ってみると、なんと謎のアタッチメントに刺さった状態で、縦画面で動作しているではないか! 本作に収録されているような往年のアーケードゲームは縦長の画面比率を持っていることも少なくないので、縦画面対応だと画面を広く使えてよろしいことである。
Switchを縦画面で持てるアタッチメント“Flip Grip”
さてこの縦画面対応アタッチメント、実はゲーマー向けグッズを展開するFangamerがクラウドファンディングを経て開発したサードパーティ製品“Flip Grip”。海外では11月後半より12ドルで発売される予定だ。
開発にあたってビデオゲーム歴史家のJeremy Parish氏が参加しているように、もちろんSwitch向けのレトロゲームのことを念頭に制作されており、まさにターゲットど真ん中な『SNK 40th Anniversary Collection』のPAX WEST出展に合わせてテスト版が提供されたというわけだ。
ちなみにアタッチメントの両サイドにJoy-Conをはめ込んで使う形となっているため、操作するにあたってあまり通常の携帯モードからの違和感はなく、持った時の重心の違いに慣れさえすれば意外なほどすんなり使えてしまった。
なお同社の日本支部であるFangamer Japanによると、このFlip Gripを今後日本のストアでも取り扱う予定があるそうなので、スキモノ諸氏の人は続報を待とう。
ループレバータイトルはツインスティックシューター方式を追加
さて話を『SNK 40th Anniversary Collection』に戻すと、本作の発表時にいくつかコメントを見かけたのが「ループレバーどうすんだ」ということ。ループレバーとは、スティック部分そのものの回転も入力になっているという、『怒』などのアーケードタイトルに採用されていた入力機器のことだ。
さすがに専用コントローラー対応というわけには行かず、ループレバー採用のタイトルは、2本のスティックで移動と向きを分ける、要はツインスティックシューター方式の操作を追加しての収録となっている(ちなみに『怒』シリーズはいずれもアーケード版と家庭用ゲーム機版を両収録する)。
資料も充実。無料アップデートで10タイトルを追加予定
時間に限りもあったし、当時のゲームをあまりちゃんと遊んでいたわけではないので移植度などについては差し控えさせていただくとして、最後にギャラリー機能についても触れておきたい。まずSNK40周年記念のミュージアムでは、『マイコンキット』や『与作』、『オズマウォーズ』といった最初期のものからカバーし、ゲーム画面や当時の販促資料を閲覧可能。
さらにSNKが出していたらしい白黒コピー本“Video Game Land”(VGL)や“『ゴッド・スレイヤー はるか天空のソナタ』の設定資料”といったものもボーナス収録されていて、もちろん『サイコソルジャー』などの各種音源も聴くことができるという、なかなかの充実ぶり。
うーん、海外主導の企画なのでいろいろと難しいかもしれないが、日本でも出てくれないものか……(マニアの人はギャラリーパートだけで輸入版の購入を検討してもいいんじゃないかと思う)。
それだけでなく、収録タイトルもアップデートでさらにパワーアップ予定。本作ではローンチ時点で13本のタイトルを収録するが(うち複数のタイトルでアーケード版/家庭用版を選択可能)、発売後に無料アップデートで全10種類のタイトルを追加予定だという。
PAX WESTで行われたパネルディスカッションでは、そのうちの最初の5本として『サスケvsコマンダー』、『Fantasy』、『ジョイフルロード』(Munch Mobile)、『航空騎兵物語』(Chopper I)、『バトルフィールド』(Time Soldiers)が追加対象であることが明かされている。