岡本吉起氏を直撃! 配信開始された新基軸のクイズRPG『マチガイブレイカー』は「日本を元気にしたい」と考えて作ったゲーム

リイカのスマートフォン向けゲームアプリ、『マチガイブレイカー』が先日(2018年9月12日)配信を開始した。本作は、数々のヒット作を手掛けてきた岡本吉起氏がプロデュースを務めるタイトルとなる。岡本氏に『マチガイブレイカー』開発の経緯などを聞いた。

 リイカのスマートフォン向けゲームアプリ、『マチガイブレイカー』が先日(2018年9月12日)配信を開始した。4つの選択肢の中にある、“マチガイ”を破壊することによってモンスターにダメージを与えていく新感覚のクイズRPGである本作。同作の開発を担当するのは、これまで数々のヒット作を手掛けてきた岡本吉起氏が立ち上げた新会社、株式会社オカキチ。『マチガイブレイカー』は、オカキチの記念すべき第1弾タイトルであり、岡本吉起氏が総合プロデュースを担うタイトルだ。

※『マチガイブレイカー』公式サイト

 ファミ通では岡本吉起氏にインタビューを実施。『マチガイブレイカー』について開発の経緯などを聞いてみた。ちなみに岡本氏は今年から活動拠点をマレーシアに移しており、インタビューはCEDEC 2018の講演のために岡本氏が日本に戻ってきたタイミングで行われた。岡本氏がなぜマレーシアに移住したのかに関しては、ただいま発売中の週刊ファミ通9月27日号(2018年9月13日発売)にて語っているので、そちらも読んでいただきたい(同インタビューの完全版は、追ってファミ通ドットコムでも紹介する予定)。

岡本吉起氏

オカキチ代表取締役

答えがわからなくても楽しめるクイズゲームの新しい形

――『マチガイブレイカー』はオカキチの第1弾タイトルとなりますが、改めてどういったゲームなのかを教えてもらえますか。

岡本 じつは、けっこう昔から温めていたテーマのタイトルです。これは僕が作るすべてのタイトルに共通することなのですが、「日本を元気にしたい」、「日本人に世界で活躍し
てほしい」という思いでゲームを制作しています。『マチガイブレイカー』はクイズゲームなのですが、この作品をたくさんの人に遊んでもらって、みんなに賢くなってほしいと思っています。

――ゲームを楽しみながら勉強ができるというのは、クイズゲームの理想ですよね。

岡本 でも、そもそも賢くないと、クイズって楽しめなくないですか? 問題の難易度もそうですが、問題の出しかたもひねりがありますし。そういう難しい問題を解くことがクイ
ズの楽しみであって、問題を解けない人にとってはむしろ苦痛になることもある。勉強とは総じてそういうものですし、それ自体が間違っているとは思っていませんが、僕は別のやりかたを模索しました。「あれ、これ答え何だったっけ?」、「うわ、忘れた!」くらいの軽い気持ちで楽しめたほうがいいと思うのです。『マチガイブレイカー』の問題は4択になっているのですが、本作では正解を選ぶのではなく、間違っているものを消していくクイズになっています。選択肢をひとつだけ残してマチガイをすべて消せば完璧な正解。でも、必ずし
もすべて消さなければいけないわけではありません。4つも選択肢があれば、ひとつくらいは“絶対間違っている”と思うものがありますよね。自信がないときは、そういう選択肢だけを消す、ということもできます。そうすることで問題をクリアーしつつ、正解を見て勉強ができます。不正解というストレスにさらされることなく、気軽に遊びながら賢くなっていくという流れができあがるわけです。

――正解のわからない問題でも不正解になることとなく勉強ができるというのは、かなり画期的ですね。選択肢の出しかたも含めて、問題の難易度には気を使われているのでは?

岡本 前述の通り、4択のうちひとつくらいは「これは絶対マチガイだ」とわかる選択肢があるように作っているのですが、個人的に苦手なジャンルがありまして……アニメの問題
は、置きに行っても間違えちゃいます(笑)。

――意外とアニメが苦手なのですね。ゲームと近しいジャンルではありますが……。

岡本 それは言わないでください(笑)。つぎに苦手なのが音楽で、そのつぎがゲームです。

―― ゲームも苦手な部類なのですか(笑)。 むしろ、どんなジャンルが得意なのでしょう。

岡本 雑学は得意です。ゲームはちょっと難しいですね……。「ゲームプロデューサーだからわかるだろ」と思うじゃないですか。それがそうでもなくて。皆さんもご存じの通り、タ
イトルが山ほどありますから、アプリゲームまで含めると本当に難しいです。もちろん、自分自身が開発に関わったタイトルについてなら、だいたい答えられますけども(笑)。

―― それはそうでしょう(笑)。

岡本 人によって得手不得手はあると思いますが、4択の中で正解じゃないものを選ぶ仕組み、しかもひとつだけでもいいというやさしいルールなので、それをおもしろいと感じ
てくれたら、ぜひ遊んでほしいです。

――マチガイを選んでいくという仕組みのほかに、作品としての特徴はありますか。

岡本 イラストがすごくきれいです。旧知の方に描いてもらっているのですが、彼の会社が仕上げてくれるグラフィックのレベルが本当に高いです。僕らにはない、いま風のセン
スを持っていると思います。つねに高いクオリティーを保ってくれるので、かなり信用しています。それから、監修をきびしく入れたので、問題の質には確かな自信を持っていま
す。これが本当にきびしくて(笑)。「それくらいオーケーでしょう」と思うようなところも妥協せずにきびしくチェックされています。問題を読んだときの言い回しが気持ちよくないとか、その回答は絶対に正しいと言い切れるのかとか。そんなにきびしくしたら100問も作れないのでは、と心配になるくらいです。

――それはきびしい……。とはいえ、必要なことですよね。

岡本 もちろん、それだけきびしくチェックしてくれたほうがクオリティーも高まりますから、助かってはいますが……。たまには愚痴を言いたくなってしまいます。

―― よければお聞かせください(笑)。

岡本 たとえば、「江戸時代に蘭学を推奨した大名は誰?」という問題で、一般的に有名な大名がいるのですが、「そのほかの大名が当時、蘭学を推奨していなかったと証明できますか?」とか言われるわけです。そんなこと、証明できないですよ。……というようなきびしいチェックをくぐり抜けた珠玉の問題を、ゲーム内ではお楽しみいただけます!

''――問題の質が高いのはプレイヤーとしてもありがたいことですが、先ほど岡本さんもおっしゃられていたように、問題数がどれくらいになるのかが気になってしまいます。クイ
ズ系のアプリゲームだと、同じ問題が何回も出題されて答えを覚えてしまう、というのもよくある話ですし。

岡本 はっきりとした数は答えられないのですが、問題はどんどん追加していく予定です。でも、同じ問題が出るのも、それはそれでうれしくないですか? 純粋にクイズを楽しもうとすると別の考えもあるかもしれないですけど、ゲームとして考えれば、確実に正解して強い攻撃ができますし、意外と嫌な気持ちはしないのです。それに、勉強の基本は反復練
習ですし、くり返すことによってしっかりと記憶されていきます。同じ問題を何回も解けば、それだけ確かな知識として自分のものにできるのではないでしょうか。

すべては日本の未来のため、マレーシアより愛を込めて

――ほかにゲームのシステム面で、これから遊ぶユーザーに注目してほしい部分は?

岡本 課金していない人でも十二分に遊べるようになっていますので、できるだけ多くの人に遊んでもらえたらと思います。

――課金しなくても遊べるというのは、どういう狙いがあるのでしょうか。

岡本 たくさんの人に賢くなってほしいので、まずはより多くの人に遊んでもらうのがいちばんだと思っています。家庭用のゲームだと、クリアーまでの道が基本的にあらかじめ定められていますが、アプリゲームは人それぞれいろいろな道があります。課金でゴリゴリ上がっていく道もあれば、無課金を貫いてキツい道を上がっていくやりかたもあります。僕はだいたい、課金ゴリゴリ型で遊ぶ人間ですけども(笑)。それはもう、人それぞれなので、どの人がどうやって遊んでも山の頂いただきを目指せるようになっています。一般に広く遊んでほしいので無課金でも遊べますが、もちろん課金ゴリゴリでも楽しめます。ガチガチに強化した装備を自慢するのもいいですし、逆に「そんな装備でいけるの!?」みたいな縛りプレイも楽しいと思います。本当のことを言うと、作り手としては、もちろん課金はしてほしいと思っています。でもそれ以上に、たくさんの人に遊んでほしい。遊んでくれる方が多いほど、企画もいろいろできるようになりますし。そのほうが僕たちもプレイヤーも楽しいだろうと思います。

――マルチプレイができるとうかがったのですが、具体的にはどんな感じなのでしょう。

岡本 4人パーティーで協力プレイができます。バトルごとに4ジャンルのクイズがあって、それぞれひとつずつ担当します。これが社内のテストでいつもいじめられていまして。できないって言っているのに、いつもアニメジャンルを押しつけられています(笑)。「そういうことする!?」とか言いながらワイワイやるだけでも楽しいですよ。

――それは、協力と言いつつ対戦のようになっていませんか(笑)。

岡本 本当ですね(笑)。協力プレイの面でいうと、攻撃役、回復役みたいな感じで職種を選んでプレイできます。回復役が不正解になってしまうとたいへんなので、自信のあるジ
ャンルを譲る、みたいなことも大事で。

――そういう形の協力プレイはユニークですね。それぞれがジャンルを選ぶということは、全員が違う問題を解くわけですよね。

岡本 そうです。だから、正解を知っている人が答えを教えてあげるということは難しいのです。それができてしまうとちょっと興ざめしちゃいますし、そもそも全員同時に解く
ことになるので、自分の問題に精一杯で他人に教えている余裕はなくて。ちなみに、それぞれの回答状況は見られるようになっているので、消した選択肢がひとつだけだと、「置き
に行っているな」とみんなにバレます(笑)。「真っ先に得意ジャンルを取っておいて、それはないだろ!」なんてことを言い合いながら、楽しく遊んで自然と賢くなっていく流れで楽しんでもらえたらなと。

――友だちどうしでやると本当に盛り上がりそうですね。それでは最後に、今後の活動について展望を聞かせてもらえますか。

岡本 すべての作品を、“日本を元気にする”という基本テーマで作っています。これからも日本を元気にすること以外は何も考えません。日本にはひたすら元気になってほしいです。くり返しますが、『マチガイブレイカー』もその一環として作っています。賢くないと将来の選択肢が少なくなってしまいます。いざ就職について考えてみると、もう医者にはなれない、弁護士にはなれないとか。そういうことがなくなってほしいと思っています。

『マチガイブレイカー』とは?

 4択クイズの中から間違いを消すことで、敵のモンスターにダメージを与えることができるクイズRPG。自信があれば3つ消して強い攻撃を発動、不安ならひとつだけ消してつぎの問題へ、といった戦略がカギとなる。立ちはだかる敵とのバトルを通じてプレイヤーキャラクターである賢者たちはレベルアップ。さらに、覚醒によって力を解放し、さまざまな強力スキルを習得していくことになる。手に入れたアイテムを素材として、ブキ、スピリットを製造可能。ブキ、スピリットは独自の必殺技を持ち、どの賢者に何を装備させるか、組み合わせ次第でバトルが有利になる。マルチプレイは最大4人で、協力して強敵を倒すことができる。豪華声優陣が役柄を担当しているのも魅力だ。基本プレイ無料。



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