驚愕の変貌を遂げたサイゲームスの新作タイトル“Project Awakening”――開発中核メンバーの多胡順司氏と相場良祐氏に直撃!

“PlayStation LineUp Tour”で公開された、サイゲームスが手掛ける新作タイトル“Project Awakening”。同作について、多胡順司氏と相場良祐氏にインタビューを行った。

 2018年9月10日に開催された、プレイステーション4の最新タイトルの映像が楽しめるライブショーイベント“PlayStation LineUp Tour”。同イベント内でサイゲームスが開発中と発表されていた、“Project Awakening”の最新映像が公開された。

 2016年に行われた発表会“Cygaems NEXT 2016”で公開された同作の映像を覚えている方は、同映像を観て驚愕しただろう。何せ、映像の雰囲気や中身、すべてがまったく異なるものになっていたからだ。巨大なドラゴンのようなモンスターと戦う戦士と思われるキャラクター。敵の攻撃を受け、吹き飛ばされながらも激しく斬り結ぶ戦闘シーンの迫力。そして最後に登場する謎の巨人。この映像だけを観ていれば、ただただ興奮し、ワクワクするばかりの内容と言える。しかし、以前に公開された映像を観ていると、こう思ってしまうのだ。「空から落ちてきた、あの女の子どこいった……?」と。そんな疑問に答えていただくべく、同作を制作する中核メンバーである、多胡順司氏と相場良祐氏にインタビューを行った。

Project Awakening

プロフィール

多胡順司氏(たごじゅんじ)

サイゲームス技術本部Cyllista Game Engine統括マネージャー。“Project Awakening”ではディレクターを務める。

相場良祐氏(あいばりょうすけ)

『ファイナルファンタジーXI』アートディレクターなどを務めた後、サイデザイネーションに入社。“Project Awakening”ではアートディレクターを務める。

―――まずは、「どうしてこうなった……?」という印象なのですが(笑)。以前に“Cygames NEXT 2016”で公開された映像と雰囲気がまったく違うものになりましたが、その経緯からうかがえれば。

相場 以前発表した映像をご覧になった方からすると、そういう感想になりますよね……(笑)。

多胡 順を追ってご説明すると、2016年からさらに遡って、サイゲームスのコンシューマーへの取り組みは2014年にPS4への参入を発表した段階から始まっていたのですが、会社としてそこから内製エンジンの開発なども含め、着々とコンシューマーの取り組みを進めてはいたんです。

相場 2016年ぐらいの時期は、社内に実力のあるスタッフも集まってきたタイミングというのもあって、“Project Awakening”としての、ある意味“決意表明”のような形でお出ししたのが“Cygames NEXT 2016”での映像でした。

多胡 そこからまた2年のあいだで、いろいろと試行錯誤をしてきたのですが、ある程度お見せできるクオリティーのものが形になったかなということで、今回映像を公開させていただいたという感じですね。

―――以前の映像で空から落ちてきた女性は、どうなったのでしょう?

相場 うーん……いろいろと試行錯誤をする中で、このゲームはおじさんとドラゴンが戦うゲームに変わっていきました(笑)。ちょっとおじさんにしすぎたのでもう少しイケメンにしたいなぁとは思っています(笑)。

多胡 ゲームの細かい部分はまだまだこれから作っていくので、あの女性もまたどこかで出せる展開にできたら、という思いはあります……。

―――今後の開発次第ではまたあの女性が見られることもあるかもしれないということですね。作品のタイトルは“Project Awakening”が正式名称なのでしょうか?

多胡:作品タイトルはまだ決まっておりません。“Project Awakening”はあくまでプロジェクト自体のコードネームです。

―――なるほど、では改めて、“Project Awakening”についてうかがっていければ。まず、多胡さんと相場さんは、本作にどのような形で関わられているのでしょうか? 役職のほか、実際にどのような作業をされているのかをうかがえれば。

多胡 私はディレクターとして、ゲーム全体の方向性を決めております。戦闘の調整などは、私自身も直接作業に入っていますが、基本的にはゲーム性や見た目の部分など含めて確認して決定するというのが役割です。

―――CEDEC(日本国内のゲーム開発者向け技術交流会)の講演などで、Cyllista Game Engineを担当されているというのも拝見しましたが、そちらはいまもやられているのでしょうか?

多胡 はい、Cyllista Game Engineについては、“Project Awakening”と並行して開発の統括をしております。そのあたりの知見もこのプロジェクトで活かしているところはありますね。

―――なるほど、相場さんはいかがでしょうか。

相場 私はアートディレクターとして参加しています。絵を描いたり、出来上がってくるアートをチェックしたりという作業ももちろんしていますが、数名で立ち上がったプロジェクトだったので、立ち上げのころからみんなといっしょに勉強しながらゲームがきちんと作れるように、わりとなんでもやっています(笑)。

―――プロジェクト全体でゲームを作っている感じが伝わってきました(笑)。そうして制作されている“Project Awakening”ですが、どのようなジャンルのゲームになるのでしょうか?

多胡 ジャンルはアクションRPGです。今回の映像ではアクション要素の部分を見ていただきましたが、RPG的なキャラクターの成長要素などもある作品となります。

―――シングルプレイ専用なのでしょうか? それともマルチプレイが可能なのでしょうか?

多胡 今回お見せした映像は1対1のバトルでしたが、ゲームとしてはマルチプレイで遊べるもので、敵も複数同時に出てくるようなものとなる予定です。

―――バトルではフィールドをかなり縦横無尽に移動しながら戦っているようですが、広大なフィールドでモンスターと戦うゲームなのでしょうか?

多胡 映像でお見せしたのは、ゲーム内のボス戦です。ボス戦でもどこかひとつの狭い空間で戦うというわけではなく、比較的広めのステージを移動しながら戦う形になっています。

相場 将来的にはかなり広いフィールドで戦うようなものにしたいと思って、いまはがんばって作っています、という感じですね。

―――かなりキャラクターがキビキビと動く印象を受けましたが、ゲームのスピード感は映像のようなものになるのでしょうか?

多胡 そうですね、本作ではテンポよく遊べる“プレイ感”はかなり意識して作っていて、映像の内容からはそんなに変わらないものになるかと思います。ジャンルとして“アクションRPG”とお伝えしましたが、アクション部分が気持ちいいものになるようには作っていますね。

―――ちなみに、今回の映像は実機映像なのでしょうか? プリレンダリングムービーを組み合わせている部分などは?

相場 戦闘中の映像以外の部分も含めて、全編を通してプリレンダリングのムービーの箇所はなく、実機映像ですね。

―――あの映像がすべて実機映像とは驚きです……。ここからは少し話題を変えて世界観に関する内容をお伺いしたいと思います。映像内で“戦狼”という言葉が出てきましたが、何かの組織のことなのでしょうか?

多胡 “戦狼”はモンスターを討伐することを生業とするギルドのような組織です。主人公は、その組織に属するメンバーのひとりということになります。

―――映像後半では樹木が結晶化するような演出も見られました。これはどのような意味を持つものなのでしょう?

相場 かっこいいかな、と思って作りました(笑)。……という部分もあるのですが、設定を軽くご説明すると、結晶化は“世界に迫っている危機”のようなもので、主人公は世界を結晶化させる存在と戦っていくことになります。

―――それは最後に出てきた、槍のようなものを持った巨大な影のことでしょうか?

相場 詳細は……遊べるようになってからのお楽しみで、ということでいまはお話ししないでおきます!

―――楽しみにしています(笑)。では、これもいまおうかがいできるのかわかりませんが、発売時期などは決まっているのでしょうか?

多胡 まだちょっと詳しいことはお伝えできないのですが、年内に続報をお伝えできるかと思います。そちらをお待ちいただければと……!

―――では最後に、今回の映像で興味を持った方も多くいると思います。そんな皆さんへ向けて、ひと言ずつメッセージをお願いできれば。

多胡 ユーザーの皆様に素晴らしいものを提供できるように、スタッフ一同、全身全霊をかけて開発をしています。なるべく早い段階で楽しんでいただけるようにがんばっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

相場 がんばって作っています! あといっしょに作ってくれる仲間も随時募集中です!