1972年に米国のATARIより発売された『PONG』。パドルを動かして、ボールを跳ね返すだけのシンプルな操作で、白熱の対戦が楽しめるビデオゲームとして話題を呼んだ。そんな『PONG』が最新技術を駆使したテーブル筺体の“PONG”として復活! 今回は、正規代理店として新生“PONG”の国内販売を行うタイトーの営業本部室特殊機器販売課の寺田征也氏に話を聞いた。

デジタルとアナログの融合
新生“PONG”の魅力について、「デジタルとアナログの融合」だと語るタイトーの寺田氏。そんな新生“PONG”だが、筺体内に組み込まれたモーターと磁力で、パドルとボールを動かすアナログな仕組みで動作している。アナログゲームがデジタル化するのはよくあることだが、その逆のパターンは珍しい。さらに、それがビデオ(デジタル)ゲームという存在を世間に広めるキッカケになったとも言われている『PONG』というのが非常におもしろい。
記者は『PONG』の発売時には生まれていなかったのだが、何度か触ったことがあったので新生“PONG”をプレイしたときは、新しいような、懐かしいような、どちらとも言えない不思議な感覚だった。しかし、すぐに寺田氏の言葉を思い出し「なるほど! 最新のデジタル技術と、アナログの懐かしい雰囲気のいいとこ取り。これがデジタルとアナログの融合だ!」と納得することができた。
また、寺田氏は新生“PONG”のもうひとつの魅了として、「誰でも楽しめるゲームルール」を挙げていた。シンプルなゲーム性は、オリジナルの『PONG』でも評価されていた点。それは新生“PONG”になっても変わってはいない。基本的には、ハンドルでパドルを移動してボールを跳ね返すだけなので、ロケテスト(※アーケードゲームの稼動前に一部店舗で試験的に稼動させること)の際には、家族連れや、中高生の友だちどうしなど、幅広い年代から好評を得たそうだ。ただ、シンプルだからと言って駆け引きがないわけではない。ボールをパドルのどの場所に当てるかによって、跳ね返るボールの角度が変化したり、オリジナルの『PONG』にあった要素が忠実に再現されているので、アツい対戦を楽しむことができる。
なお、新生“PONG”には、テーブルタイプとアーケードタイプの2種類存在する。ゲーム部分で大きな違いはないが、テーブルタイプはスマートフォンの充電ができるUSBポートが4口搭載されているほか、Bluetoothスピーカーから好きな音楽を再生することが可能。コインオペレーションに対応したアーケードタイプは、全国のアミューズメント施設などで順次稼動を開始。テーブルタイプは、下記の先行販売のほか、ECサイト“Taito Toys Market”でも販売される。

IDC OTSUKA 新宿ショールームにて先行販売を実施中
東京・新宿にある大塚家具のIDC OTSUKA 新宿ショールームでは、9月30日までテーブルタイプの先行販売を実施(※※当初、大塚家具のIDC OTSUKA 新宿ショールームでの先行販売は8月31日までの予定だったが好評につき9月30日まで延長された)。また、期間中は誰でも試遊が可能となっている。タイトーによると、新生“PONG”の魅力について大塚家具の担当者からは、「テーブルという家具でありながら、ゲームもできるという“驚き”です。日常空間で気軽にエンターテインメントを体験できるところが最大の魅力だと感じています」と好評のようだ。また、Bluetoothスピーカーから好きな音楽を楽しめたり、モバイル機器を充電できたり、付加機能が充実している点も評価が高いそう。
ショールームを訪れたお客さんの反応としては、客層を問わず、筺体を見た瞬間に「なにこれすごい!」、「カッコいい!」とインパクトは絶大の様子。さらに、ルールや操作がシンプルなため、ほとんど説明をすることがなくても、子どもからお年寄りまでの誰もがゲームを楽しんでいたそう。アタリフリークやゲーム好きはもちろんのこと、新居の家具を探しに来た新婚さんや、海外の方などからも購入を希望する声があるとのこと。
