2018年9月6日にNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)とプレイステーション4で発売されるSNKの最新作『SNKヒロインズ Tag Team Frenzy』。本作は、『ザ・キング・オブ・ファイターズ』や過去のSNK作品に参戦した女性キャラクターたちが、2対2のタッグマッチで戦う意欲作だ。発売に先んじてプレイする機会を得たので、インプレッションをお届けしよう。
ゲームソフトを起動するとアイドル番組のオープニングのようなタイトルロゴから始まり、メインメニューではかわいすぎるアイドルソングが流れ続ける。一瞬「起動するゲームを間違えたか?」と感じるかもしれませんが、これが『SNKヒロインズ』の世界観である……といって差し支えないはず。この世界観はゲームをプレイしているときでも損なわれることはなく、必殺技を出せばキャラクターの手には動物がくっついているし、超必殺技の“ドリームフィニッシュ”を当てれば画面内になぜかケーキや果物が飛び散る。どういった経緯で、こんなわけのわからない世界観(褒め言葉)になったのか、開発者に問いたいレベルでファンタジーさに溢れています。
そんな『SNKヒロインズ』は、ワンボタンで必殺技を使い分けられたり、投げ技やガード行えるという親切設計の作品。いわゆる“シンプルな操作で、ド派手な対戦が楽しめる”のですが、こう説明すると「ゲーム内容も単純で、読み合いの深みもないんでしょ?」と思われる方がいるかもしれません。ですが、本作は格闘ゲームの老舗メーカーでもあるSNKの手により、ポチポチ押せばコンボがバシバシつながって、それでいて深みのある読み合いも発生するゲーム性となっているんですね。本記事で、シンプルさと奥深さの両立させた本作の魅力を、じっくりと解説していきます。
コレクション要素盛りだくさん! 充実のひとり用モード!
メインメニューで選べるゲームモードは8つあります。
カスタマイズ
キャラクターの見た目を変更したり、ポーズの切り換えなどが行える。
ストーリー
充実のストーリーを楽しみながら、コンピューター(CPU)と対戦するモード。
バトル
オフラインで対戦を楽しめる。最大4人が参加可能。
オンライン
オンラインを介して行える対戦モード。こちらも最大4人が参加できる。
ギャラリー
ムービーやイラストを鑑賞可能。ゲーム内通貨の“ゴールド”で未公開の要素も開放できる。
プロフィール
称号の変更・購入や、作成したアバターを変更できる。
データ
自分の保有しているさまざまなデータが閲覧可能。
オプション
各種設定の変更が行える。
ストーリーモードは、『SNKヒロインズ』オリジナルの物語を好きなキャラクターで楽しめるほか、特定のキャラクターの組み合わせでクリアーすると、レアなイラストを集めることもできます。また、ストーリー内でしか見られない美麗なムービーもあるので必見!
カスタマイズは、このゲームのもうひとつの顔とも言えるモード。ゲームプレイで獲得できるゴールドで、各キャラクターのアレンジコスチュームを購入できるほか、髪型、顔色、表情、靴やアクセサリーなどの小物を、自分好みにカスタマイズできます。さらに、作成したキャラクターで対戦したり、背景などを設定して写真撮影を行うことも可能です。自分のこだわりを爆発させてください。
バトルでは、CPUとのフリー対戦、トレーニングモードのほかに、初心者向けのチュートリアルモードも完備されています。操作こそ簡単な本作ですが、対戦で勝つためのルールがやや特殊だったりするので、まずはチュートリアルをサクッと終わらせるのがオススメです。ゴールドも貯まるので、一石二鳥!
ギャラリーでは、ゴールドを使って追加のキャラクターボイスやBGM、イラストやムービーが入手できます。ヒロインたちのファンにはたまらないイラストから、我々おじさん世代のSNKファンにもぶっ刺さるBGMなど、多彩なアイテムが多数存在するので、コンプリートを目指しましょう!
格ゲー好きも大満足なシンプルで奥深い対戦モード
ここからは、本作のメインとも言える対戦部分についても触れていきます。参戦しているヒロインは、以下の14人。
この魅力的なヒロインたちからふたりを選び、タッグバトルを行うことになります。なお、参戦キャラクターは今後のダウンロードコンテンツ(DLC)などで増えていく予定なので、どんなキャラクターが追加されるかいまから期待が高まります。
<操作方法(プレイステーション4版の場合)>
□ボタン……弱攻撃
△ボタン……強攻撃
xボタン……投げ技(空中でも発動可能)
〇ボタン……必殺技(左スティック、もしくは方向キーとの組み合わせで複数の技を使い分けられる)
R1ボタン……ドリームフィニッシュ(左スティック、もしくは方向キーとの組み合わせで複数の技を使い分けられる)
R2ボタン……パートナーと交代
L1ボタン……ガード(押し続けながら左スティック、もしくは方向キーを左右に入力すると緊急回避)
R3ボタン……アイテム使用(左スティック、もしくは方向キーの入力に応じて、アイテムの出現位置を調整できる)
本作の大きな特徴として、立ちやしゃがみ、パンチやキックなどの区分けがなく、通常技は弱攻撃と強攻撃が地上と空中でそれぞれ存在し、強攻撃のみダッシュから出せることが挙げられます。めくり攻撃や上段、中段、下段攻撃の概念がないため、困ったらガードボタンを押せば敵の攻撃をしのげるのは初心者にとってはありがたいシステムですね(もちろん、ガードは投げ技で崩されてしまうので、そこは読み合いになりますが)。
必殺技もワンボタンで放つことができ、左スティック(方向キー)との組み合わせで、出す技の種類も変えられます。基本的に、各キャラクター4種類の必殺技が用意されていますよ。また、超必殺技にあたるドリームフィニッシュも安心のワンボタン技。各キャラクター2種類用意され、複雑なコマンド入力を必要とせず、爽快感あるバトルが味わえます。
ガード以外の守りの手段として、ガード中に左スティック(方向キー)を左右どちらかに入力すると打撃無敵の緊急回避が出せます(空中にいる際は、L1ボタンで緊急回避)。そのほか、ダウンする直前にL1ボタンを押しっぱなしにすれば受け身も行えるので、ゲームに慣れてきたら、これらのシステムも意識してみてください。
地上にいる際に、R2ボタンを押せば、操作キャラクターを切り換えられます。通常技や必殺技を出して隙を消すように交代もできるので、攻守に渡って活用したいシステムです。本作は体力ゲージこそふたりで共有ですが、気力ゲージは個々に管理する必要があり、操作中のキャラクターよりも控えのキャラクターのほうが気力ゲージが回復しやすいので、交代するタイミングが非常に重要となります。
そして最後に、対戦中にランダムで出現するアイテムについても解説します。アイテムはチームでひとつストックでき、試合中であればいつでも使用可能です。相手に攻め込まれている最中にも使えるので、コンボの邪魔をしたり、ダウンを奪われたときの緊急回避に使ったりなど、使用用途はかなり多彩。試合を有利に運べるので、アイテムを取る意識を高めましょう。
下記の動画は、筆者のプレイ動画。ひとり用のモードで収録したのですが、本記事で説明した要素が詰まっていますので、ぜひご覧ください。
『SNKヒロインズ Tag Team Frenzy』プレイ動画
本作の醍醐味!? 2on2を4人で遊べば楽しさ無限大!
筆者が断然オススメしたい遊びかたが“2on2の4人対戦”。ひとり1キャラクターずつ操作して、控えのキャラクターはアイテムを使うタイミングを決められます。試合中にリアルタイムで交代しながら戦わなければならないため、二人羽織的な楽しさが詰まっており、味方と呼吸が合ったときの気持ちよさは、ほかのゲームでは味わえない喜びを感じられます。いや、マジで。
『SNKヒロインズ』の魅力についてざっくり紹介しましたが、格闘ゲーム初心者にはもちろん、生粋の格闘ゲーマーにも楽しめる内容になっているうえ、これだけいろいろなモードが楽しめて各4800円[税抜](各5184円[税込])と財布にやさしい価格設定です。ガチ対戦をしたい人はもちろん、パーティーゲームとしてライトに楽しむ人にもオススメの一本となっているので、ぜひ手にとってこのハチャメチャな世界観に浸ってみてください!