2018年9月4日、デルのハイエンドゲーミングPCブランド“ALIENWARE”はプロゲームチーム“CYCLOPS athlete gaming”(以下、CYCLOPS)とスポンサー契約を結ぶことを発表した。
CYCLOPSは、『ストリートファイターV』や『ドラゴンボール ファイターズ』で世界の頂点を争うほどの実力を持つGO1選手や、『鉄拳7』をメインに活躍するたぬかな選手などが所属するプロゲームチーム。日本のALIENWAREブランドとして、プロゲームチームとスポンサー契約を結ぶのは初めてのこととなる。本稿では、発表会の模様をリポートする。
“世界と戦う”プロゲーマーをサポートし、ブランド価値の向上を狙う
発表会ではまず、デル コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部 本部長の田尻祥一氏が挨拶した。田尻氏は挨拶の中で今回のスポンサー契約について触れ、「esportsが注目される中で、ALIENWAREはこれまで個々のタイトルをスポンサードしてきた。つぎの展開として、選手やesportsを楽しむ個々人との結びつきをもっと強めていきたいと考えた」と話した。
では、なぜCYCLOPSとスポンサー契約を結ぶことになったのか。その具体的な経緯と狙いについては、ALIENWAREマーケティング シニアマネージャーの柳沢真吾氏より語られていった。
柳澤氏はその最初の理由として、CYCLOPSの“ユーザー目線での活動”に大きく共感したからだと述べた。ALIENWAREはオウンドメディア“ALIENWARE ZONE”を立ち上げたり、秋葉原に販売店舗を開店するなど、よりユーザーに近い立場での活動に力を入れてきた経緯がある。
一方でCYCLOPSも、自身で積極的に情報を発信していたり、イベント施設“Osaka esports basement.”を所有したりしている。ユーザーとのコミュニケーションを大事にする経営方針に、柳澤氏は以前から注目していたそうだ。
またもうひとつの理由として、“世界と戦うチーム”であることが挙げられた。柳澤氏はesportsではとくに周囲の盛り上がりが期待できる“日本人が世界を相手に戦うストーリー”を理想としており、最初から世界で戦うことを意識しているCYCLOPSなら「大きなうねりを起こせるパートナーになる」と考えたからだという。また、CYCLOPSはチーム運営やマネジメントに成熟しているという信頼感もあり、今回のスポンサー契約を決めたとした。
柳澤氏の話を受けて、eスポーツコネクト代表取締役社長の伊草雅幸氏は「ALIENWAREはカッコイイというのが第一印象。選手に持っていてもらいたいし、使ってもらいたくなる魅力がある」とし、また「グローバルな視点を持つALIENWAREにスポンサードしてもらえるのは光栄だし力強い。ブランドに恥じることなく、よりブランドの価値を高めるような活動をしたい」と述べた。
さらに会場には、CYCLOPS所属選手を代表して、たぬかな選手と『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』プレーヤーでストリーマーのキマリ=ロンゾ選手が登場。
「軽くて性能もよくて、海外遠征で『鉄拳7』の練習をするときに役立っている」とたぬかな選手が話すと、キマリ=ロンゾ選手は「ALIENWAREのPCは、初めはデザインのカッコよさに衝撃を受けたが、大きな力のあるPCという印象もある。『PUBG』は高いスペックが要求されることもあり、今回のスポンサードはとても光栄」と語った。
今回のスポンサー契約によって、ALIENWAREはCYCLOPSへの資金面のサポートやゲーミングPCの提供、また“検討中”だというコラボモデル開発などを含むプロモーション活動をともに行なっていく。また、9月4日17時頃からは、プレゼントが当たるTwitterキャンペーンも開催予定。
プレゼント内容については「CYCLOPSファンが喜ぶものになるかな」と柳澤氏は話した。まずは1年契約としてスポンサー提携がスタートするそうだが、「長く続けられればいいよね」と話もしているという。この先両者がどのような活動を展開していくのか、その今後に注目したい。
このほか発表会では、デル フィールドマーケティングマネージャーの鈴木快林氏とデル ゲーミングビジネスデベロップメントマネージャーの大島隆弘氏より、8月に発表されたばかりのゲーミングモニター『S2419HGF』と『S2719DGF』、またゲーミングノートPC『New Dell G3 17』が改めて案内された。
大島氏によれば、とくにデルブランドのゲーミングPCは2年連続で出荷実績が1.6倍に成長しており、非常に好調だという。デルの持つさまざまなブランドは、今後も積極的にゲーミング製品に力を入れていく。デルとして、ゲーミングPC市場やesportsシーンをさらに盛り上げたい考えを改めて強調する発表会となった。