『FF』の生原画が130点以上! “FINAL FANTASYと天野喜孝の世界展”が想像以上にすごかった

2018年8月10日から9月2日まで、東京・池袋にて開催される“FINAL FANTASYと天野喜孝展”。開幕の前日となる8月9日、メディア内覧会が行われた。その模様をリポートする。

 2018年8月10日から9月2日まで、東京・池袋にて開催される“FINAL FANTASYと天野喜孝展”。開幕の前日となる8月9日、メディア内覧会が行われた。

『ファイナルファンタジー』シリーズを中心とした圧巻の作品群!

 本展覧会は、画家、キャラクターデザイナー、イラストレーター、装幀家として活躍中の天野喜孝氏をフィーチャーし開催されるもの。

 1987年に発売された『ファイナルファンタジー』から最新作『ファイナルファンタジーXV』まで、『ファイナルファンタジー』シリーズ関連の原画など約130作品が展示されるとあって、ゲームファンも必見の展覧会となっている。

入り口では巨大なメインビジュアルがお出迎え。

 会場内は、“MONSTER”、“BATTLE”、“CHARACTER”、“FIELD”など、いくつかのテーマごとにエリアが分かれており、それぞれに貴重な生原画が惜しげもなく展示されている。

 本展のおもしろい試みとして、展示作品には、そのイラストが使用されているパッケージの実物がそばに置かれていたり、キャラクターの絵の近くには、そのキャラクターのフィギュアが展示されている。

フィギュアとともに展示されているキャラクターのイラスト。美麗な生原画を観賞する感動とともに、プレイ当時の思い出が蘇ってくる。

中には実物大サイズの展示も。

 パッケージともとの作品を見比べてみると、ゲームのロゴやパッケージで見覚えのあるあのイラストが、オリジナルの作品では、これほど大きなサイズで描かれていて、その繊細さ、その迫力を改めて強く感じることができる。

 また、タイトル名が乗りいわば“背景”となっていたロゴイラストの、文字の入っていない元絵をみると、その細かさ、艶やかな表現力がダイレクトに伝わってくる。これはぜひ現地で体感してほしい感動だ。

 展示作品の充実っぷりは他に類を見ない。イラストを1枚1枚眺めて、「このキャラクターにはこんな思い出があるなあ」とか、「うわあ、このイラストってこんなにも繊細に描き込んであったのか」と、感じ入ってじっくりと眺めていると、本当に日が暮れかねない。

 なにしろ『FF』関連の作品だけで132点あるというから、1点につき1分間観るだけでも、ゆうに2時間以上掛かる。すごいことだ。何が言いたいかというとそれほど展示が充実しているということです。

召喚獣たちのイラストもズラリ。美しい描線と淡い色使いで、独特の幻想的な雰囲気が生み出されている。

幻想的な映像体験“ファンタジーコリドー”

 順路の中ほどには、狭い通路にプロジェクターで映像作品が映し出される“ファンタジーコリドー”というスペースが待つ。

 天野喜孝氏の絵画に登場するキャラクターや光が飛び交う映像空間になっており、つぎつぎと映し出される映像の中を歩くと、あたかも異世界に迷い込み、天野喜孝氏の作品が持つ独特の浮遊感すら味わえるような、不思議な感覚を覚えた。

現代芸術家としての天野喜孝を感じるファインアート

 通路を抜けると、空間は天野喜孝氏のオリジナル作品が並ぶギャラリーへと変貌する。そこに展示されているのは、壁画と見紛うような巨大なイラストのパネル。近年、海外の個展や展覧会へ出展しているオリジナル作品が並ぶ。

 何より驚くのはその大きさだ。大胆な赤色が目に鮮やかな『Alice』(写真左)は、2.4メートル×3メートルという大作。こんなサイズの作品がつぎつぎと現れてくるのだ。シンプルな大きさが生み出すその迫力と、そこに描かれるイマジネーションの洪水に、息を呑むほど圧倒される。

 女の子を描く連作『CANDY GIRL』は1点1点はやや小ぶりだが、異なる色使いで描かれる真四角の作品は並べて展示されるとそれでひとつの作品のようにも見える。これらのファインアートには、作品の背景がラメのようにキラキラと輝いていたり(写真で伝わらないのが惜しい!)『FF』シリーズの原画を描くのとは異なる、驚きの工夫がなされている。詳しくは記事後半のインタビューをお読みいただきたい。

稀代のイラストレーター・天野喜孝を堪能できる

 ゲームイラストだけど水彩画。ポップなのにダイナミック。淡い色使いが特徴かと思うと、極彩色に圧倒される。日本人なのに海外作品のような雰囲気。繊細タッチで戦闘を描く。裸体画を描くような美しい線で異形のモンスターを生み出す。派手なカラーリングでも水墨画のようなシンプルさを感じさせる。そんな、相反するものを内包するのが氏の作品の何よりの特徴ではないだろうか。

 そんな魅力を持つ氏の作品を、『FF』シリーズの原画とともにたっぷりと鑑賞できる本展覧会。この夏、ぜひ訪れてみてほしい。

 ちなみに、すべての展示コーナーを抜けた先には、大充実の物販コーナーもあるので、展覧会の思い出に何かを買っていくのもいいだろう。

開催期間:2018年8月10日(金)~9月2日(日)
開場時間:11:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
会場:池袋・サンシャインシティ文化会館ビル3F展示ホールC(東京都豊島区東池袋3-1-4)
当日入場券:一般2000円、中学生以下1000円(すべて税込、3歳未満無料)
主催:ファイナルファンタジーと天野喜孝の世界展実行委員会(東映、サンシャインシティ、BS日本、ほか)
企画:東映
協力:天野喜孝事務所 エムズマネジメント スクウェア・エニックス ブレイク タツノコプロ
協賛:光村印刷
公式サイト http://amano-exhibition.jp/


サンシャインシティの池袋駅方面には、フラッシュ撮影をすることで絵が浮き上がるという大型フォトスポットも設置されている。東池袋駅から直接行き来すると見逃しがちなので注意。