2018年8月30日に発売を控えるKONAMIのサッカーゲーム、『ウイニングイレブン 2019』(以下、『ウイイレ2019』)。8月8日に体験版のダウンロードがスタートした本作だが、その前日には今回の体験版ではプレイできないものの、近年の『ウイイレ』(とくにコアユーザー)にとっては欠かすことのできないゲームモード、myClubの新要素を『ウイイレ2019』の開発陣から直接説明してもらえる場がゲームメディア向けに用意された。ここではその模様と、『ウイイレ2019』のアシスタントプロデューサー、益田圭氏のミニインタビューをお届けする。

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当日はmyClubモードの解説のほか、サッカーメディアやテレビ局、芸能人ゲーミングチームを交えたメディア対抗戦も行なわれた。
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イベントには『ウイイレ2018』の世界大会、PESリーグを筆頭にさまざまな大会で優勝&上位入賞を果たしているプロプレイヤーも来場(左からかつぴーや選手、Mayageka選手、SOFIA選手、レバ選手)。

現実とのリンク&育成の自由度が増した『ウイイレ2019』のmyClub

 myClubの解説は益田氏と、プロモーション部の斉藤亘氏が担当。まず話題にあがったのは、『ウイイレ2019』のmyClubでとくに注力したという、現実のサッカーの試合とのリンクから生まれる“Featured Player”について。

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『ウイイレ2019』の実機を使ってmyClubの概要を説明する斉藤氏(写真左)と益田氏(写真右)。

 Featured Playerは『ウイイレ2019』の発売後、現実のサッカーの試合結果を受けて毎週木曜日に行なわれるオンラインアップデート時に選ばれる選手のこと。1週間のあいだに現実のサッカーで活躍を見せた選手が能力値の上がった状態で登場し、スカウトのチャンスが生まれる。

 Featured Playerはただ漠然と能力値が上がるのではなく、ハットトリックを決めたFWなら決定力に関する能力、芸術的なアシストを見せた選手ならパス精度やテクニック……といったように、Featured Playerに選ばれる理由になったパフォーマンスに応じた能力がアップしたり、場合によっては新たなスキルも習得しているという。そしてFeatured Playerに使われる選手画像も、活躍した試合での姿をチョイス。週末の試合で“撮れたて”の画像が月曜にはゲーム内で反映されているスピード感で海外サッカーファンの心をくすぐるとともに、同じ選手が何度もFeatured Playerに選出された際の対策にもなっているのが特徴だ。

 加えてFeatured Playerの選出は「ある程度はポジションや選出回数のバランスも見る」(斉藤氏)うえ、『ウイイレ2019』はブラジルやアルゼンチンなど南米のリーグも広くフォローしているため、毎回見知った選手だけがFeatured Playerに居並ぶことは、開発前のテストでは少なかったという。実際今回の説明で使われたテスト結果(2017年11月のある週がベース)でも、南米の選手がFeatured Playerにいたり、ポジションもGKやサイドバックもノミネートしていた。ただ「センターバックの選手はなかなか選ばれにくい」(益田氏)らしく、Featured PlayerにDFが選ばれた際は、積極的に獲得に動いたほうがいいかもしれない。

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通常のゲームモードで使える選手を超える能力値が設定されているFeatured Player。

 現実とのリンクといえば、『ウイイレ2019』でバルセロナやシャルケ、インテルやミランといったパートナー提携を結んでいるクラブに関しては、Featured Player以外でも特別な選手が配信されるサービスを行なう用意があるという。現在実現に向けて動いているというのが、ダービーマッチの前など重要な試合のある週に、クラブ側が選んだメンバーをmyClub用の選手を配信するという試み。実現すればミラノダービー(ミランvsインテル)の週は、ゲーム内外で盛り上がりが見られそうだ。

 そしてFeatured Playerにあわせて、myClub内で行なう試合にも現実のサッカーと毎週リンクするモード “ライブイベント” もスタートする。期間限定で開催されるさまざまな大会に参加することで、特別な報酬が獲得できる。

 また “ウィークリー PES リーグ” が新設される。これは毎週初めに同レベルの実力を持つプレイヤーを20人程度のグループに振り分け、1週間の成績を競い合うリーグ戦形式のルール。毎週近い実力のプレイヤーどうしで戦ってランキングポイントを競い合う形式になったため、ポイント上位でもらえる報酬を(その週のがんばり次第で)得られる可能性がアップ。また獲り逃したとしても、結果に納得感が得られるレギュレーションになっている。

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1週間ごとにプレイヤーの実力が判定され、極力実力が近い者どうしでの対戦を実現するライブイベント。

 前作までのmyClubからの変更ポイントとしては、育成やチーム編成の強化についてのアナウンスがあった。まず獲得できる選手の枠が“1000”からスタート。そのうえでフォーメーションや登録選手、戦術といったスカッドも複数登録することが可能になったため、チームの管理が格段に楽になっている。さらに『ウイイレ2019』では同じ選手を複数人キープすることができるうえで、選手をトレーナーに転身して育成の効率を高めたり、3人以上獲得した場合は同じレアリティの選手と交換できるなど、選手の獲得、保有まわりの利便性もアップしている。

 選手育成に関しては、ただレベルを向上させていくだけでなく、「新しいトレーナーにより、プレイヤーの色を出せるようになった」(斉藤氏)が大きなポイント。選手にスキルを習得させたり、ポジション適正を上げるコーチの登場により、選手個人を運用する幅が拡大。プレイヤーがその気になれば、1チームの中で能力の違うメッシを(試合に出せるのはひとりまでだが)“複数”用意する、なんてことも可能になっているそうだ。

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選手の保有枠が増加し、育成の自由度が上がったことで、複数のチームや戦術を使い分けつつオンライン対戦が楽しめるようになっている。

アシスタントプロデューサー 益田圭氏が語る、体験版の注目ポイント

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――この記事がアップされるころには体験版の配信が始まっていると思います。ここを見てほしい、楽しんでほしいと思っているポイントはありますか?

益田 今回の体験版はオンラインのクイックマッチで対戦できるのが一番大きいところかなと思います。前作はCO-OPモードの初搭載にあわせ、発売前に2週間オープンベータテスト実施しました。オンライン対戦ができることもあり、お客さまの盛上がりを感じたのですが、その後に配信された体験版ではオンライン対戦ができず、がっかりする声もありましたので、今回は発売日までの盛上がりを継続させたい意図もあり、クイックマッチでオンライン対戦ができるようにしました。

――『ウイイレ2019』では新しいミドルウェアを導入したとのことですが、その変化は体験版のどのあたりを見ればわかりやすいですか?

益田 グラフィックのどこが変わったか? という受け取りかたは人によって感じるところは変わると思うのですが、スタジアムのライティングについてはかなりグレードアップしています。今作で新たに追加され、現地取材も行い緻密に再現されたシャルケの “フェルティンス・アレーナ” が体験版にも搭載されていますので、ぜひ入場デモなどもチェックして、その変化を感じてもらえればと思います。

――選手のタトゥーなんかもよりリアリティーが増しているように感じました。

益田 そのあたりは前作から取り組んでいるところで、パートナークラブさんの所属選手には3Dスキャンに協力してもらっていますし、タトゥーやほかの身体的な特徴はほぼそのまま再現されています。今回はグラフィックの質感も向上しているのですが、選手の動き、アニメーションにも注目してほしいですね。とくにボールをコントロールしていない選手の動き、オフサイドラインぎりぎりにいる選手のパスの待ちかただったり、近くでパスミスやボールコントロールを失った味方選手がいると、ミスをした選手だけじゃなくて周りも少し慌てるようなしぐさをしたりします。かなり細かくて試合に没頭していると気づきにくいんですけど(笑)。人間らしい、またはその選手らしい動きの再現は、全体的に増えています。

――なるほど。あと今日『ウイイレ2019』を初めて触らせてもらって、これまでよりも先行入力が効くように感じたのですが、この辺りは狙って調整しているのでしょうか?

益田 コントロールの部分の調整はいつも意識していますね。選手の動きがリアルから離れると納得感が薄れるのは避けないとダメなんですけど、自分がボタンやスティックを入力したら選手がすぐ動く気持ちよさ、ダイレクト感は大事にしています。ここは毎回つねに取り組んでいる部分なのですが、入力からのレスポンスが早くなっていると感じてもらえたのなら、それはうれしいですね。

――最後に体験版をプレイ、製品版を待っている読者にメッセージをお願いします。

益田 まずは体験版を触ってもらって、オンライン対戦もガンガン遊んでほしいですね。今年は『ウイイレ2018』のときと同様にesports的な盛り上がりにもさらに力を入れつつ、myClubで誰でも広く楽しめるオンラインマッチからPESリーグへの広がりも感じられるようになっています。ぜひ『ウイイレ2019』を楽しんでみてください!