アシュリー人気に続けるか!? お母さんのかわいさまでゴージャスな『メイドインワリオ ゴージャス』レビュー

2018年8月2日発売のニンテンドー3DS用ソフト『メイドインワリオ ゴージャス』レビュー。ナインボルトのお母さんがかわいくなってレギュラー入り。

 皆さんは、この世で一番恥ずかしいことをご存知だろうか? それは、『メイドインワリオ』みたいな笑えるゲームのレビューでスベることだ。

 8月2日に発売した『メイドインワリオ ゴージャス』は、まさにシリーズ集大成。直観的にプレイできる数秒~十数秒の“プチゲーム”が300以上も収録されていて、テンポよく襲い掛かってくる短いゲームを、ひらめきと瞬発力でばっさばっさ切り伏せていくのが最高に気持ちいい。

 だけどプレイしているうちに気付かされる。最大の魅力はそこではなく、ノーガードで殴ってくる開発陣のセンスのほうなのだと。プチゲームは捌けても、ユーモアのカウンターを食らって足腰ガタガタ。

 シニカルで、下品で、かわいくて、意味がわからない。世界は切り取りかた次第でこんなにおもしろく見えるんだと教えてくれる。

 「握手の位置だけでこんなにも尊大に……!」と感心したり。

 こういうので一日中げらげら笑い転げていられた小学生の夏休みに戻りたくなったり。

 一線級でかわいかったり。

 ??? 何?

 ジャンルも作風もごちゃまぜなゲームが数秒ごとに切り替わるから、色んな感情が現れては消え、テキーラをショットしてるような気持ちになってくる。実際、べろべろに酔っぱらった状態で遊んだらバカみたいに楽しかった。

個人的に一番好きなゲーム。“上半身の動きだけでボールを避ける”という、“クラスの冴えない奴が妄想するカッコいい動き”を的確にとらえていてめちゃめちゃ笑ってしまった。ソースは自分。

 そんなわけだから、こういう細か~い魅力の部分を正しく伝えていきたいのだが、仕込まれた小ネタが多すぎて解説が追い付かない。

 かといって「『メイド イン ワリオ ゴージャス』のうんこが登場するゲームを調べてみたwwwww」みたいな、主張の激しい企画を垂れ流すのは最悪。目的が、ゲームのおもしろさを伝えることから、ゲームを利用して自分をおもしろく見せることに変わっている。<オレだよ! ワリオだよ!>こそ絶対の不文律、ワリオ以上の自己アピールは禁止です。

 だから欲張らず、謙虚に、粛々とレビューを書いていく。

 うんこが登場するプチゲームは7つでした。見逃してたらごめんなさい。

アシュリーの人気に続けるか!? ナインボルトのお母さんがかわいいぞ!

 大きなゲームモードは3つ。各キャラクターのステージを順にクリアしていく“ストーリー”、特殊なルールでプチゲームをプレイする“チャレンジ”、獲得したコインを使ってコレクションアイテムを入手できる“ガチャコロン”がそれぞれ用意されている。

 ストーリーモードは前半と後半にわかれていて、前半は十字キーとAボタンで操作する“ピコピコリーグ”、3DS本体のジャイロを活用する“ぐるぐるリーグ”、文字通りタッチスクリーンで遊ぶ“タッチリーグ”と、それぞれ操作体系の異なるステージを独立して攻略していくことになる。後半戦は何でもありの“ウルトラリーグ”だ。

プチゲームの多くは過去作のリファインだが、amiiboやSNSをテーマにした完全新作も収録されている。

 こうしたストロングスタイルの『メイド イン ワリオ』がパッケージで登場するのは、2006年のwii用ソフト『おどるメイド イン ワリオ』以来およそ12年ぶり。昔を懐かしみながら、あるいは新作プチゲームに笑わせられながら、安心してプレイできる。

 一方で、本作には過去作から決定的に進化した点がある。キャラクターにボイスが付いたのだ。

 『メイド イン ワリオ』シリーズのキャラクターたちは、ユーモラスで、ビビッドで、統一感が無くて、どこかあざとい。カートゥーンネットワークのアニメみたいに魅力的。そんな彼らがしゃべりまくる。これは、たいへんよいことだ。

 ストーリーの前後に挿入されるアニメーションはフルボイスで進行するし、プチゲームの合間には応援や称賛の声を浴びせてくれる。ほとんどのキャラは失敗すると慰めてくれるのに、アシュリーだけはジト目で「へたくそ……」と罵ってくるのもポイントが高い。

 キャラクターといえば、ついにステージをひとつ担当するまでになったファイブワットにも注目したい。彼女は小学生の息子を持つ一児の母で、任天堂マニアの3月13日生なのだが……

 なんつうか、めちゃめちゃ人気出そうだな、と思った。

相変わらず豊富なおまけ要素をやり込み尽くせ!

 基本的なゲームの流れとしては、まずストーリーをひと通り遊んだあと、チャレンジを極めたり、コレクションを揃えたりといったやり込みに挑戦していくことになるだろう。

 チャレンジには、全ジャンルからごちゃまぜに出題されるものだとか、常にマックススピードで展開されるものだとか、さらには集大成と呼ぶにふさわしいカオスなモードもあったりしてスコアアタックが燃える。WiiU『ゲーム&ワリオ』で人気だった“こっそりゲーマー”が収録されているのもうれしい。

 それぞれ明確なクリアがあるわけではないのだが、挑戦の目安となる“ミッション”が設定されていて、段階的に達成感が得られるようになっている。

 シリーズおなじみのコレクション集めも楽しい。イベントアニメーションに自分で声を当てられるアフレコや、キャラクターたちが起こしてくれる目覚まし時計、謎のストーリーがくり広げられる電話など、おまけとしては充分な内容だろう。

 ちょっとしたミニゲームも多数収録されている。まあ、“ちょっとしたミニゲーム”の域は出ないのだが、それでも猫になってゴロゴロ転がりながら虫(?)を撃つ『ネコロイド』などは、つい手を伸ばしてしまう謎の誘引力がある。

 さて、ここまで良いところばかり書いてきたが、不満が無いわけではない。

 ステージの節目に挿し込まれる“ボスゲーム”についてはもっと濃い味付けでもよかったと思う。過去作のボスゲームは「無限に遊んでいたい」と思わせるような、舌に残るしつこい味の料理ばかりだったから、ちょっと物足りなく感じてしまった。

ボスゲームの中では、カット&アナのステージがお気に入り。文字通りのしつこい料理を作りまくる。

 正統派の『メイドインワリオ』が進化して帰ってきた。シリーズファンにとって、あるいは“おバカな笑い”に貪欲なキッズたちにとって、こんなに喜ばしいニュースは無いだろう。

 ぱぱっと遊べてしまうけど、すきま時間を潰すように使うのはもったいない。できればのんびりと、ムダを愛するゆとりを持ってプレイしてほしい。きっと新しい気付きを与えてくれるから。



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