【『オクトパストラベラー』レビュー】「ずっと旅を続けていたい……」ゲームの全要素が絡み合って生まれるバランスこそ最大の魅力

スクウェア・エニックスとアクワイアが手掛けた完全新作RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』。 本作の見どころを、担当編集者によるレビューを通じて紹介する。

 2018年7月13日に発売された、スクウェア・エニックスのNintendo Switch用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』。すでにプレイを楽しんでいる人も多いと思うが、「気になっているんだけど、まだ遊んでいない……」という人のために、本作の見どころを改めて紹介していこう。

 『オクトパストラベラー』は、たくさんの魅力を持っている。「誰の物語から始めようかな?」と楽しく悩ませてくれる、個性豊かな8人の主人公。懐かしいドット絵を使いながらも、新時代のテイストも持つ、“HD-2D”と呼ばれるグラフィック。ちょっと硬派な難度で、それゆえに戦略を練るのが楽しいコマンドバトル。その戦略が、“バトルジョブ”の存在によって、より深まっていくのも楽しい。……と、要素ひとつひとつが、それ単体でアピールポイントとなり得るのだが、本作のいちばんの魅力は、それらが絡み合った結果、「ずっと旅を続けていたくなる」と思わせるバランスを生み出していることだと思う。

 8人の主人公たちのメインストーリーは、ゲームの舞台となるオルステラ大陸の、あちこちにある町で発生。それぞれの町には、さまざまな町人たちがいて、彼らに主人公固有の“フィールドコマンド”を使って働きかけることで、アイテムを買い取れたり、新しい情報をゲットできたりする。だから、“新しい町に行って、人と接する”こと自体が、とても楽しい! RPGをプレイしていると、「町の人に話しかけるのが面倒くさい」と思ってしまうことがあるが、本作では面倒になるどころか、全員に話しかけないと気が済まなくなるくらいおもしろい。

基本的に、装備は町人からゲットする。ショップはたまに使うくらい。いいアイテムを持っている町人を見つけると、うれしくなる。

町人ひとりひとりに、バックグラウンドが設定されていて、それを読むのが楽しい。ときどきクスリとさせられる。

 豊富に用意されているサブストーリーも、町巡りを楽しいものにしている要素のひとつだ。新しい町に行って、とある町人と出会い、「この人を、前に訪れた町のあの人と会わせれば、サブストーリーをクリアーできるんじゃ……?」と気づいたら、もう、確かめずにはいられない。ついつい前の町に戻っちゃう。

 そうして世界を巡るうちに、アビリティやバトルジョブなど、バトルシステムの理解が自然と進んでいき、「この町人を“誘惑”で同行させれば、あの敵をラクに倒せるかも?」、「このアビリティ、 この効果と組み合わせたらめちゃくちゃ強いんじゃないか?」と、自分のパーティーならではアイデアが浮かんできて、それを試すのがまた楽しいのだ。

各土地ならではの美しい景色や、バトルジョブによって変わる仲間の見た目……旅を続ける中で、視覚的な楽しさを得られるのもうれしい。

 メインストーリーやサブストーリーは、ひとつひとつのボリュームが無駄に多くはなく、本作においては、それでちょうどいいと感じる。いちストーリーのクリアーまでの長さがわかりやすいことが、旅を続けたくなる欲を刺激するのに一役買っているからだ。「よし、つぎの町でアーフェンの第2章をクリアーしたら、今日はやめようかな?」、「いや、もうちょっとだけ続ければ、オフィーリアの第2章もクリアーできるし……!」、「ああ、やっぱり、このサブストーリーをクリアーしてから……」と、ついつい寝る間を惜しんでプレイしてしまう(そして結果的に、かなりのボリュームの物語を体験することになる)。

 ここまで説明してきたように、すべての要素が連動しあうことで生まれる“旅の楽しさ”が、『オクトパストラベラー』の醍醐味だ。どれかひとつでも要素が欠けていたら、これほどのおもしろさにはならなかったと思う。また、どれかひとつが飛び抜けすぎていても(たとえば、シナリオが膨大なテキスト量の大長編だったり、バトルジョブが数十種類あったりしたら)、このバランスは成り立たず、プレイ感覚は変わっていたのではないかという気がする。

 なお、体験版で遊べる範囲でも、本作の魅力は十分味わえるが、物語が第2章に入るあたりから、ゲームは格段におもしろくなる。プレイヤー自身が、進む道を選び、パーティーメンバーを選び、バトルジョブを選ぶことで、自分なりの旅の物語が醸成されていく。

メインストーリー第2章からは、パーティーチャットが発生。こうしたささやかな会話があることで、仲間たちの関係性を、自分の中で想像しやすくなる。また、一定の条件を満たさないと見られないが、酒場で発生するチャットはユルい雰囲気で、それも楽しいよ。

ゲーム終盤には、旅が終わってしまうのがさみしくて、「まだ行っていない場所はないか?」と、地図をじっくり見たりするほど、旅にのめりこんだ。

 『オクトパストラベラー』を見て、グラフィックの雰囲気や、“8人の主人公”というキーワードから、『ロマンシング サ・ガ』を思い浮かべる人は少なくないだろう。事実、私も最初は「似ている気がするな」と思っていたが、遊んでいくと、『ロマサガ』にも、開発スタッフが過去に手掛けた『ブレイブリー』シリーズとも異なるゲームだったことがわかった。これまで無数のRPGを生み出しておきながら、まだ新しいRPGを作り出せるスクウェア・エニックスの手腕は、「さすが!」のひと言。気が早いが、続編が出たらいいなあとも思うし、『オクトパストラべラー』ともまた違う、完全新作が見たいなあとも思う。とにかく、これからも新しいRPGを作ってもらえたらうれしい。

OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』最新情報まとめ特設サイト
ファミ通.comでは、主人公レビューや開発者インタビューなど、本作に関するさまざまな記事を掲載している。詳しくは、下記の情報まとめサイトでチェック!
https://www.famitsu.com/sp/180705_octopath/



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