2018年7月12日、日本HPは7~9月に発売するゲーミングPC新製品の発表会を開催。同社が展開するハイスペックゲーミングPC“OMEN by HP”シリーズのほかに、メインストリーム層向けの“Pvilion Gaming”の新商品も発表された。

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 今回発表されたのは、超高性能15インチゲーミングノートPC『OMEN by HP 15』や、デスクトップPC『HP Pavilion Gaming Desktop 790』、PCゲーマー向けモニター『HP Pavilion Gaming 32 HDR ディスプレイ』など。

 また、反応速度で世界最速を謳うキーボードとマウスや、暑い季節にうれしい冷たくなるヘッドセットなど、ユニークな製品もお披露目され、同社がゲーミングPC市場にかける熱い想いが伝わってくるプロダクトばかりだった。本稿では発表会の様子をリポートする。

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ふたつのブランドでPCゲーム業界を活性化

 発表会が始まると、まずは日本HP コンシューマー事業本部長・岡戸信樹氏が、ふたつのゲーミングブランド“OMEN by HP”と“Pavilion Gaming”の違いついて説明した。

 前者の“OMEN by HP”は2016年に立ち上げたブランドで、超高性能なスペックが特徴。岡戸氏は「現存するすべてのゲームを、高解像度でプレイできる」と断言した。もちろん、そのぶん価格も高価なプレミアム製品のため、本気でesportsに取り組むプレイヤーに向けたシリーズだ。

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日本HP 常務執行役員 Eコマース事業本部 兼 コンシューマー事業本部 事業本部長 岡戸信樹氏。
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HPのゲーミングブランドの位置付け。

 そして後者の“Pavilion Gaming”は、前者に比べると安価なシリーズだが、ゲーミングPCを名乗る以上、岡戸氏は「スペックに妥協はしていない」とコメント。また、デザインをシンプルにしているため、コンテンツクリエイターにもオススメできるシリーズとのこと。

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Pavilion Gamingのラインアップ。

 日本HPは2017年に東京ゲームショウに初出展し、おもにOMEN by HPのブランド認知度向上に手応えを感じている。今年はそれをさらに加速させるため、2018年の東京ゲームショウにも出展を予定。

 さらに、9月からはアジア太平洋地域の11ヵ国を対象にした賞金総額は5万ドルの『PUBG』アジア大会“OMEN Final Circle(オーメン ファイナルサークル)”をHP主催で企画している。

 参加資格など詳しい情報は明らかにされなかったが、アジア各地域の代表20チームを11月3~4日にタイのバンコクに集結させ、チャンピオンを決定。日本からはアマチュア1チームとインフルーンサー1チームが決勝大会に参加予定。詳細は決まりしだい、公式Twitterなどで発表されるそうだ。

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OMEN by HPのゲーミングPCとデバイスを紹介!

 発表会の後半は、同社コンシューマー事業部 プロダクトマネージャーの森谷智行氏から各種新製品の発表が行われた。発表された各製品を、森谷氏のコメントとともにひとつずつ紹介していく。

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パーソナルシステムズ事業本部 コンシューマー事業本部 製品部 プロダクトマネージャー 森谷智行氏。

OMEN by HP 15

 目玉製品のひとつは、15.6インチIPSディスプレイを搭載した高性能ゲーミングノートPC『OMEN by HP 15』。2017年版モデルからスペックやデザインなどがリニューアルされている。

 今回発売されるモデルは“パフォーマンスモデル(19万9800円)”と“ハイパフォーマンスモデル(21万9800円)”の2種類で、どちらもCPUは第8世代インテル Core i7-8750H、メインメモリー16GB(最大32GB)、256GB(SSD)+2TB(HDD)を搭載。

 グラフィックボードが異なり、パフォーマンスモデルはNvidia GeForce 1060、ハイパフォーマンスモデルはNvidia GeForce 1070 with Max-Q Designとなっている。

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「すべてのゲームを快適にプレイできる」と語る森谷氏。
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先代との比較。ディスプレイは同じなのに、ボディーは小型化されている。
天板のデザイン。

 細かなスペックは公式サイトを見ていただくとして、OMEN by HPの特徴を端的にまとめると以下のような感じ。

【OMEN by HP 15の特徴】
・モデルは2種類、グラフィック性能が異なる
・現存するすべてのゲームを最高画質でプレイ可能
・15.6インチフルHPディスプレイのリフレッシュレートはなんと144Khz!
・先代モデルよりもベゼルを狭くして小型化(幅7.4%、奥行4.6%)
・吸排気口を見直して本体内の熱を効率的に逃がす設計
・SSDとHPを搭載しているため、速度と大記憶容量を両立
・USB端子を本体両サイドと背面に用意
・8つのネジ(プラスドライバー)を回すだけで本体を開けられる

・パフォーマンスモデル
価格:19万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

・ハイパフォーマンスモデル
価格:21万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

OMEN by HP 15 製品詳細ページ

ゲーミングキーボード『OMEN by HP Sequencer キーボード』

 反応速度世界最速のゲーミングキーボード。従来のキーボードに比べ、なんと10倍の速度で反応するそうだ。その理由は、メカニカルキースイッチに内蔵された光学検知機構。キーが押されたことを光で検知し、信号を送っているとのこと。

 また、本体右上に搭載された横長い円柱は、くるくると回るボリュームコントローラー。手のひらでサッと音量を変えられるのが使いやすそうだった。

価格:1万2800円[税別]
発売日:8月中旬

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ゲーミングマウス『OMEN by HP Reatorマウス』

 世界最速を謳うゲーミングマウス。キーボードと同様にクリック時の信号は光学センサーで管理されており、従来よりも3倍速い速度で信号を送る

 また、センシビリティーの設定幅を広く用意してあったり、握ったときのポジションを変更できるのもうれしい。取り回ししやすいメタルケーブルは、ユーザーからの意見を取り入れて採用したそうだ。

価格:8000円[税別]
発売日:2018年7月12日

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ヘッドセット『OMEN by HP Mindframeヘッドセット』

 ゲーマーならずともほしくなってしうまのが、こちらのゲーミングヘッドセット。イヤーカップにこもった熱を電気的に除去するという、世界初の機能を備えている。

 仕組みは金属に電流を流して熱を放出する“ペルチェ効果”。CPUの熱を逃がす“ペルチェ素子”と同じ原理をヘッドセットに採用したものだ。冷却に使用する電源はUSBから供給され、涼しさは3段階に調整可能。

価格:1万3000円[税別]
発売日:9月下旬

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ゲーミングPC用カバン『OMEN X by HP Transporter バックパック』

 17インチサイズのノートPCがらくらく入る、ノートPC運搬用に開発されたバックパック。簡単には潰れないハードシェルポケットがあるため、ヘッドセットなどをしまっても型崩れがしない。

価格:1万2800円[税別]
発売日:2018年7月12日

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ゲーミングノートPC『HP Pavilion Gaming 15』

 メインストリーム層に向けたゲーミングノートPC『HP Pavilion Gaming 15』。

 CPUは第8世代インテル Core i7-8750HかCore i5+8300H、グラフィックはGeForce GTX 1050かGoForce GTX 1050 Tiを選択でき、全4モデルが用意されている。

 ユニークなのが“クリエイターモデル”と名付けられたモデル。15.6インチのUHDディスプレイ(3840×2160)を搭載しており、そのほかの3モデルはフルHD(1920×1080)となっている。ゲームプレイだけでなく、動画編集や写真現像でも力を発揮するノートPCだ。

・スタンダードモデル
価格:10万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

・パフォーマンスモデル
価格:12万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

・ハイパフォーマンスモデル
価格:14万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

・クリエイターモデル
価格:16万9800円[税別]
発売日:2018年7月12日

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ゲーミングデスクトップPC『HP Pavilion Gaming Desktop 790』

 アシッドグリーンのLEDがかっこいいデスクトップゲーミングPC。インテル第8世代Core i7-8700、Nvidia GeForce 1060~1070を搭載した、ふたつのモデルがラインアップされている。

 USB端子やオーディオ、メモリーカードスロットなどを本体前面に配置し、使いやすいデザインとなっている。

・モデル名:790-0011jp
価格:18万8000円[税別]
発売日:2018年7月12日

・モデル名:790-0012jp
20万8000円[税別]
発売日:2018年7月12日

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ゲーミンデスクトップPC『HP Pavilion Gaming Desktop 690』

 『790』シリーズよりも小型な本体に、CPUとしてAMD Ryzen、グラフィックボードにはAMD Radeon RX580(8GB)を搭載したゲーミングデスクトップPC。CPUはAMD Ryzen 5-2600かAMD Ryzen 7-2700を選択できる。

・モデル名:690-0023jp
価格:14万3000円[税別]
発売日:8月9日

・モデル名:690-0024jp
価格:16万3000円[税別]
発売日:8月9日

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ゲーム用モニター『HP Pavilion Gaming 32 HDR ディスプレイ』

 ゲーミングPC用に開発された、32インチHDRディスプレイ。解像度はQHD(2560×1440)だ。

 リフレッシュレートは75Hzで、応答速度は3ms。VESA認定HDR 600ディスプレイで、暗部から明部まで滑らかで美しい表示が可能。発表会では「ゲームだけでなく、写真の現像にも威力を発揮するモニター」と紹介された。

価格:5万4800円[税別]
発売日:8月9日

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OMEN by HP ゲーミングマウス 400

 OMENブランドでもっともリーズナブルなマウス。センシビリティーは1600dpi~5000dpiまで8段階、本体のLEDの色は8色に設定できる。また、マウスのほかに低摩擦のプラスチック素材を使ったマウスパッド『OMEN by HP ハードマウスパッド200』も発表された。

・OMEN by HP ゲーミングマウス 400
価格:4000円[税別]
発売日:2018年7月12日

・OMEN by HP ハードマウスパッド200
価格:3000円[税別]
発売日:2018年7月12日

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OMENを外出先から操作できるアプリケーションがすごい!

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 OMEN用のコントロールソフトウェア『OMEN Command Center(コマンドセンター)』が進化し、“OMEN Game Stream”が追加された。従来はPCの各種設定(CPUの稼働率測定やLEDの色や光りかたの設定など)を行うソフトだったが、新たに追加されたこの機能は、とても魅力的だ。

 発表会で紹介されたストリーミング機能は、自宅に置いてあるOMENでゲームを起動させ、映っている画面だけを外出先のノートPCなどに転送させる機能。画面の情報だけを送信しているため、GPUを搭載していない非力なノートPCでもPCゲームを快適に操作できるのがウリだ。

 もちろん操作はノートPCで行うのだが、キー入力情報だけを自宅に置いてあるOMENに送信しているため、「遅延はほとんどない」と森谷氏は語る。FPSは40~60程度とのこと。

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写真ではわかりにくいが、右側のPC「OMEN by HP 15」で起動させたゲーム画面を左側の非力なPCに転送し、操作を行っている。ラグは感じられなかった。
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OMEN Game Streamの設定画面。

 ストリーミング機能を使用するにはホストとなるOMENのPCが必要だが、それ以外の機能はOMENブランドのキーボードやマウス、ヘッドセットでも使用できる。『OMEN COMMAND CENTER』はマイクロソフトストアにて無償でダウンロードできるので、使用感を試したい人は誰でもダウンロード可能だ。