2018年6月15日と16日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて『ファイナルファンタジーXIV』のオーケストラコンサート“FINAL FANTASY XIV Orchestra Concert 2018 -Eorzean Symphony-”が開催。初日の公演の模様をリポートする。

 2018年6月15日と16日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)のオーケストラコンサート“FINAL FANTASY XIV Orchestra Concert 2018 -Eorzean Symphony-”が開催。初日の公演の模様をリポートする。

 本コンサートは、2017年9月23日、24日に東京国際フォーラムにて行われた“交響組曲エオルゼア”の海外公演版。東京公演は2日間、昼夜2回の計4公演で20000人を動員するなど大成功のうちに閉幕し、日本のそのほかの地域だけでなく、海外からもさらなる公演が望まれていた。そうした中、世界最大級のゲームイベント“E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)”に合わせる形でアメリカ・ロサンゼルス公演、そしてヨーロッパ最大級のゲームイベント“gamescom”に日程を合わせてドイツ・ドルトムント公演が決定した運びだ。

 ロサンゼルス公演の会場は、アカデミー賞の授賞式などでも使われるハリウッドのドルビーシアター。世界中から光の戦士が集結した。

 さすが“ドルビー”の名を冠した劇場だけに(もともとはコダックシアターだったが、ドルビーが名称を取得してから音響装置などは一新されている)、音響環境は世界最高水準。今回、PAの真後ろかつセンターという最高のリスニングポイントをご提供いただいたのだが、生音とPAのバランスがすばらしく、それはもう至福の体験だった。

 セットリストは東京公演とすべて同じ。司会は『FFXIV』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏、途中でサウンドディレクターの祖堅正慶氏も登壇。軽妙なトークを披露した。スペシャルゲストとして『Answers』や『Dragonsong』の歌唱を担当したスーザン・キャロウェイ氏が登場した点も東京公演と変わらない。

 指揮は、非常に情熱的なタクトさばきを披露した女性指揮者Alexandra Cravero氏。演奏は、今回の公演のために召集された楽団The Seventh Astral Orchestra。訳すと“第七星暦管弦楽団”といったところか。合唱団はThe Angels' Chorus。情報を追っていた人であればわかると思うが、この楽団の命名は海外のコミュニティによって行われ、The Seventh Astral Orchestra以外では、Hydaelyn Philharmony(ハイデリン・フィルハーモニー)、Crystal Caravan(クリスタル・キャラバン)、Hydaelyn's Hamstrings(ハイデリンズ・ハムストリング。ジョークかと思われる)が候補として挙がっていた。日本においても、合唱団の命名(ミィ・ケット合唱団)をコミュニティで行ったことを覚えている人もいるだろう。

Eorzean Symphony SET LIST

Part 1
A REALM REBORN

A New Hope
Serenity
Breaking Boudaries
Out of the Shatterd Labyrinth
Ultima
Calamity Unbound
Rise of the White Raven
Answers

Part 2
HEAVENSWARD

Ominous Prognisticks
Painted Foothills
Revenge Twofold
Dragonsong
Moebius
Oblivion
Heroes
Heavensward

 冒頭の吉田氏のMCでは、ウルダハの曲『希望の都』は、『旧FFXIV』が非常にきびしいスタートとなった後、『FFXIV』を一生懸命リヴァンプ(改修)してもう一度メインステージに立たせるために、祖堅氏と何度も打ち合わせをして作った思い出の曲であると語った。また、東京公演と同様、吉田氏はオーディエンスに対して質問を実施。オーケストラコンサートによく来る人をタンク、たまに来るという人をヒーラー、コンサートは初めてという人をDPS、とロール分けを行い、「DPSの皆さんはタンクの指示に従ってたくさん拍手をしてください。タンクの方は拍手のタイミング、スタンディングオベーションのタイミング、皆さんにかかっています。そしてヒーラーの方、まわりに寂しそうなDPSがいたら、いっしょに拍手してあげてください」と指示を出し、会場を大いに沸かせていた。

FINAL FANTASY XIV Orchestra Concert 2018 -Eorzean Symphony-の模様がちょっとだけわかる動画

 また、東京公演を鑑賞した人はわかると思うが、『Moebius(メビウス)』での時間停止の演出も当然実施。曲の途中でオーケストラが完全停止する中、大太鼓を持った吉田氏、ベルリラを持った祖堅氏が「ピ、ピ、ピ、ポーン」と時報を奏でながらステージ上を横切り(会場の関係で、客席を横断することはできなかった)、オーディエンスは大盛り上がり! ドルビーシアターでもしっかりと“やらかした”。

 途中のMCでは、祖堅氏も登壇して吉田氏とやり取りが行われたのだが、印象的だったのは、吉田氏が「『旧FFXIV』を引き続いた2010年12月の時点では、まさか自分がドルビーシアターでのコンサートで司会をやるとは思いもよらなかった」とコメントすると、祖堅氏は「俺はいつかドルビーシアターで演ってやるって思ってましたけどね!」と返答。祖堅氏は今回の公演にあたり「やっと来れた」と語っていたのだが、こう聞くと“やっと”の意味はとても深い。

 最後に個人的な感想を言うと、同じ曲、同じ譜割、同じセットリストであっても、会場や指揮者、演奏者が違うとここまで印象が変わるのかと、新鮮な驚きがあった。つぎは2018年8月24日、25日のドルトムント公演となる。音楽の本場ドイツで、また今夜とは違った『FFXIV』サウンドが響き渡るのだろう。願わくば、こちらにもおじゃましたいのだが、果たして……。

おまけ

 ドルビシアターの並び(すぐ左側)に、世界的に著名な劇場“TCL・チャイニーズ・シアター”がある。劇場としてもすばらしいが、著名な映画人やミュージシャンの手型や足型が刻まれたブロックタイルでも有名。

ハリソン・フォード(左)とマイケル・ジャクソン(右)のブロックタイル。

 ドルビーシアターに隣接したショッピング施設の階段を上ると、ランドマークであるハリウッドサインが拝める。