2018年6月11日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催された、ユービーアイソフトの“E3 2018カンファレンス”。
『アサシン クリード オデッセイ』や『ディビジョン2』のプレゼンテーションが事前に予告され、ファンの期待が高まる中で実施された本イベントでは、これら目玉タイトル以外にも多数の最新情報やサプライズが会場を盛り上げた。
本稿では、そんな発表内容を総まとめ。明らかになったユービーアイソフト最新タイトル情報をお届けしていく。
豪華タイトルを大量放出! 超パワー! 超スピード! これがユービーアイだ!!
ステージが始まると、鼓笛隊の演奏とともにド派手な一団が会場を占拠。『JUST DANCE 2019』によるオープニングアクトだ。海外では2018年10月23日に発売予定で、対応プラットフォームは、プレイステーション4、Xbox 360、Xbox One、Wii、Wii U、Nintendo Switch。
続いて始まったのは、超大作スペースオペラ映画を彷彿とさせる美麗ムービー。「ここまでやるか!」と息を呑むクオリティの『Beyond Good And Eivil 2』最新映像には、前作(日本未発売)にも登場したレジェンドキャラクターが揃い踏み。海外のシリーズファン(と、日本にいながら本作の魅力をご存知の愛の深いみなさん)のハートをがっちりと掴んだ。
さらに、アルファ版のプレイ映像も公開。インド風の大都市で戦闘や移動、戦闘機に乗りこんでのドッグファイトがシームレスに展開される様子が確認できた。また、アナウンスによればフレンドとのオンラインマルチも可能とのこと。
発売日こそ発表されなかったが、昨年E3 2017のサプライズ発表からさらに期待がぐんと跳ね上がったプレゼンテーションであった。
続いて述べられたのは、3500万人のプレイヤーへの感謝の言葉。これは全世界における『レインボー シックス シージ』のプレイヤーコミュニティが誇る人数である。
それを記念して、ドキュメンタリー映像『アナザー・マインドセット』の制作が発表。トッププレイヤーやストリーマーひとりひとりに密着し、彼ら・彼女らの人生と本作とのかかわりを描く内容になるとのこと。もちろん今後のアップデートや世界大会の開催も約束され、来年のいまごろには3500万という数字がさらなる拡大を遂げているかもしれない。
カンファレンスはバイオレンスとユーモアにあふれたレースゲーム『トライアルズ ライジング』の発表から、『ディビジョン2』と続く。
これまた実写と見紛う新規ムービーが公開。6月10日(現地時間)のXbox E3 2018 ブリーフィングでも実機映像が流れたが、UBI本家からは新要素の詳細な説明がなされた。
エージェント(=プレイヤー)は世界の、歴史の、文明の最終防衛線となり、新たな脅威と戦うことになる。舞台はワシントンD.C.で、最大8人で挑戦するレイドの存在も明らかに。加えて、無料の大型アップデートでゲーム体験は発売後も拡大していく。
また、パーティーでの役割を尖らせられるような新要素も発表。スペシャリスト(専門職)のスキルが追加され、Signature Weaponと呼ばれる新兵器(スナイパーライフルやグレネードランチャーなど)との相乗効果で、より個性の光るキャラクタービルドが可能になっている。
日本発売は2019年3月15日。ベータ版の登録も開始。
続いて、バンドの生演奏とともに『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』の大型アップデート『ドンキーコング アドベンチャー』が発表。配信は6月26日。ファミ通ドットコムでは、後日ディレクターのDavide Soliani氏(※)へのインタビューも掲載する。
※昨年のE3 2017で、大ファンの宮本茂氏に名前を呼ばれて感動の涙を流したことが話題になった。
2019年発売予定の海戦PvPゲーム『スカル アンド ボーンズ』も戦闘ムービーが公開され、気になるシステムにも光が当たり始めた。
特定のヒーローはおらず、プレイヤーは自分だけの海賊団を率いて(カスタマイズして)戦うことになる。天候や潮のような要素もあり、海戦に勝利するためには自然を味方に付ける必要がありそうだ。
うって変わって、つぎに紹介されたジャンルはVRホラー。『ロード・オブ・ザ・リング』や『ゾンビスクール』のイライジャ・ウッドが登壇し、彼の手掛ける新作ゲーム『Transference』を紹介。幽霊や殺人鬼のような既存の恐怖を描くわけではないようだが……?
こちらのタイトルに関しては、別途紹介記事をE3期間中に公開予定。ホラーファン、イライジャファンは期待してお待ちいただきたい。
さて、一番の歓声が上がったのは続いて紹介された『Starlink: Battle for Atlas』だろう。未開の宇宙や惑星を探索する本作は、実際のフィギュアをカスタマイズしてゲームに読み込ませることで、それにリンクして作中の戦闘機も装備が変化するシステムが話題になっていた。
そんな本作と任天堂の『スターフォックス』とのコラボがサプライズ発表! 悲鳴にも近い歓喜の叫びが上がった。
さらに、昨年のE3 2017に引き続いて宮本茂氏も登場。フォックスの戦闘機“アーウィン”のフィギュアを手渡されたシーンではゲストのボルテージも最高潮に。なお、『スターフォックス』コラボはNintendo Switch版のみの実装となる。
『フォーオナー』に中国モチーフの第4勢力の追加が発表され、いよいよ最後のタイトルとなる『アサシン クリード オデッセイ』が本格発表。
『アサシン クリード オデッセイ』の舞台は古代ギリシャ。主人公(シリーズ初となる男女選択可能/ストーリー上の違いはなし)は、スパルタの英雄レオニダスの槍を受け継いでおり、槍に秘められた神話の力を使って戦うことができる。
ジャンルはRPGと明言されており、超常的なスキル(カスタマイズも可能)で敵を蹴散らしたり、選択肢でストーリーが変化したりと、自由度や没入感がより高められているようだ。
本作に関しては、E3中に実施したインタビューと先行プレイ動画を近日公開予定。古代ギリシャのビビッドな色使いは、思わず息を呑むほどに美しかった。
さて、『アサシン クリード オデッセイ』と『ディビジョン2』の予告ムービーで幕を開けたユービーアイソフトのE3 2018カンファレンス。これら2本の発表が会場を沸かせたことはいうまでもないが、AAAと呼べるタイトルが矢継ぎ早に登場し、興奮冷めやる暇のないプログラムであった。
注目すべきは、これらすべてがユービーアイソフトによる自社タイトルであるということ。『アサシン クリード オデッセイ』は、前作『オリジンズ』から約1年での発売となる。これほどのクオリティーの作品を短いスパンで世に出し続けられるパワーには驚くほかない。
猛スピードで未来へと向かうユービーアイソフトについていくだけで、ファンも、メディアも、嬉しい悲鳴といったところだが、そんなこんなで気が付けばE3 2019が始まっていそう。そんな幸せな予感がする。