E3 2018に先駆けて、2018年6月10日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたベセスダ・ソフトワークスのプレスカンファレンス、“Bethesda E3 showcase 2018”。今回で4回目となるショウケースは、『Rage 2』や『Fallout 76』が事前に発表されていたこともあり、大きな注目を集めることになったが、その期待にたがわぬ驚きの情報が連発したカンファレンスの発表内容を、まとめてリポートしていこう。
オープンワールドFPSに革命を起こす『Rage 2』の破壊力
中央にステージがあり、客席が周囲を取り囲んでいるというユニークな構成の会場は、やはり『Rage 2』や『Fallout 76』への期待で熱量高めの観客でひしめき合っている状態。
オープニングを飾る映像が終わり、満場の拍手の中で登場したのは、グローバル・シニア・バイス・プレジデントのピート・ハインズ(Pete Hinds)氏。今年のテーマは“作る(Create)”であり、この1年で獲得した“#1 Ranked Publisher in the World.”という各メディアからの評価に恥じないよう、10のゲームスタジオでさまざまな“世界”を作っていること、これから発表するのはベセスダ・ソフトワークスの“未来”であると宣言した。
その皮切りとなったのが、海外小売店ウォルマートのカナダ支部がやらかしたリークをネタにしつつ紹介されたオープンワールドFPSの『Rage 2』だ。
上記のアナウンストレーラーでも強烈なインパクトを与えたアーティスト、アンドリューW.K.(Andrew W.K.)の『Ready to Die』を、なんと本人が出てきて生演奏で披露するというサプライズには、会場も配信の視聴者も度肝を抜かれたのだが、「混沌の宴へとプレイヤーを誘う」(公式サイトより)『Rage 2』にはぴったりの景気のよさ。
新たに公開されたゲームプレイトレーラーで見られるその内容も、お祭り感は負けていない。プリアルファ版でのプレイではあるが、かなり過激で“らしい”ユーモア(RUCKUS THE CRUSHERが、本当にコレクターズ・エディションに同梱されるとは思わなかった)も含みつつ、いまのアクション・シューティングゲームとしてしっかりブラッシュアップされていることが、映像からわかるだろう。
シームレスのオープンワールドでは、目に入った車両に乗り込んで広大なマップを疾走しながらのビークルコンバットが楽しめるだけでなく、車両からフィールドの降り立ったらそのまま戦闘に突入することも可能だ。アサルトライフルやグレネードといったオーソドックスな武器を使った銃撃戦だけでなく、前作からおなじみのウィングスティック(ブーメラン)や、スライディングからのショットガンなど、かなり肉体的な戦闘も実現している。とんでもないスピードで激しく展開する銃撃戦は映像を見ての通りだが、排出される薬莢と武器の動き、豪快に吹き飛ぶ敵の姿や、細かい破片までもが飛び散る破壊表現から、数々のFPSを手掛けてきたid Softwareと、『Just Cause』や『Mad Max』を生み出したAvalance Studiosの共同開発は正解だったと確信。新たなアビリティーも実装されているようで、どこまで爽快で景気のいいバトルが楽しめるのか。E3ではプレイアブル・デモが出展されるようなので、現地取材班のリポートに期待したい。
成長と拡大を続ける『The Elder Scrolls』フランチャイズ
続いて発表されたのは、ベセスダの一大フランチャイズである『The Elder Scrolls』関連タイトルだ。まずは、『The Elder Scrolls』の世界観をカードに落とし込んだ、タクティカルカードゲームの『The Elder Scrolls: Legends』。現在はPCとiOS/Androidで展開されているが、近日中にNintendo Switch、PS4、XB Oneに対応することが発表。新たなクライアントもリリースされ、グラフィックなどが一新されるとのことだが、日本での展開は未定。ただ、本作でしか語られない『The Elder Scrolls』の物語を楽しめるだけに、家庭用ゲーム機への対応でプレイ環境が拡大するのは、『The Elder Scrolls』ファンにとってうれしいニュース。続報に期待したい。
そして、日本ではDMM.comにてサービス中の『The Elder Scrolls Online』から、新チャプターがアナウンス。いまや世界中で1100万人が楽しんでいるビッグなMMORPGとなった本作だが、ハイエルフの故郷を舞台にした『Summerset』に続いて、タムリエルのウェアウルフが題材となる『Wolfhunter』が新たなDLCパックとしてリリースされることが明らかとなった。“Moon Hunter Keep”と“March of Sacrifices”というふたつのダンジョンが登場し、ウェアウルフの呪いに苦しむ者たちを描くストーリーが楽しめるようだ(狩りの神であるデイドラ公ハーシーンも出てくるとか……!)。さらなるDLCパックとして発表された『Murkmire』は、アルゴニアンの故郷であるブラック・マーシュ(Black Marsh)が舞台の拡張コンテンツ。ザンミーアの遺跡、ヒスト最大の秘密など、アルゴニアンならずとも興味深い物語が体験できる。ふたつのDLCパックは、ともに2018年内リリース予定(海外)。いままでのDLCも、ローカライズされて発売されているので、こちらも期待していいはず!