『スプラトゥーン2』プロゲーマー、GG BoyZ たいじ選手インタビュー! E3 2018の世界大会への意気込みを聞く

E3 2018の『スプラトゥーン2』の世界大会に出場する、日本代表“GG BoyZ”たいじ選手にインタビュー!

 2017年7月21日の発売から、もうすぐ1年を迎える『スプラトゥーン2』。2017年のE3では発売前の本作を使った世界大会が行われたが、2018年6月12日から開催されるE3 2018では、ソフトの発売後としては初となる世界大会が開催され、日本代表として第3回スプラトゥーン甲子園の覇者、GG BoyZが出場する。GG BoyZは、現地時間2018年6月12日に行われた予選大会で、圧倒的な強さでストレート勝ちを収め、翌日の決勝大会へと駒を進めた。今回は、そのGG BoyZのリーダーであるたいじ選手に、現在の心境や意気込みなどを語っていただいた。(※取材は、2018年5月下旬に行われたものです)

プロフィール

たいじ

ゲームストリーマー(実況者)として人気を博す『スプラトゥーン2』のプロプレイヤー。チーム“GG BoyZ”のリーダーとして、第3回スプラトゥーン甲子園を制した。Twitter:@yaritaiji0324

スプラトゥーン甲子園やRAGEを経て

――E3 2018の世界大会のお話をうかがう前に、今年のこれまでの振り返りもお聞きしたいと思います。2018年2月の第3回スプラトゥーン甲子園で一度敗れた相手にリベンジを果たして優勝するという、劇的な展開を迎えましたが、あの後はいかがでしたか? たとえば、燃え尽きたといったことは?

たいじ 第3回スプラトゥーン甲子園の優勝は、いろいろな人に祝福してもらって。本当にうれしかったですね。でも、甲子園終了後にRAGE(RAGE Splatoon2 Extreme)の開催が発表されたので、すぐにRAGEに向けて意識を切り換えて練習していましたね。

――甲子園はナワバリバトルでしたが、RAGEはガチマッチルールでしたから、練習も変えないといけませんからね。

たいじ そうですね。ガチマッチのすべてのルールが採用されていたので、練習がたいへんでした。練習の方向性もかなり迷走していたんですが、ギリギリまでやってなんとか形にして……という状態でした。

――結果としては、RAGEはベスト4で終わりましたが……。

たいじ いやー、これまでの『スプラトゥーン』人生の中で、いちばん悔しかったですね。準決勝の試合は勝てた試合だったと思うので……。もし優勝できていればナワバリバトルでもガチルールでも最強の名を手にできたんですけど(笑)。

――大会後に敗因の分析はされましたか?

たいじ どうだったかな。結構前なので忘れちゃいました(笑)。ただ、単純に相手(TASO)のほうが練度が高かったと思います。相手はずっとガチルールをやっているチームでしたし。GG BoyZは甲子園に照準を合わせてナワバリバトルを練習していたので、ガチルールは駆け足で調整する形になってしまったという部分はあると思います。

――ふだん、いろいろなチームと対抗戦をされていますが、対抗戦はガチマッチが多いですよね。それと大会に向けての練習は違うものなのでしょうか?

たいじ いえ、ふだんの対抗戦が基礎になっています。ただ、対抗戦は基本的にルールがガチエリアになってしまうんですよね。とくに、ガチアサリは対戦相手が見つからなかったりして、練習すること自体にかなり苦労しました。

――ルールだけでなくステージも多いですし、さらにルールごとにいろいろなブキも試して……となると、数をこなさないとわからないことが多そうですね。

たいじ そうなんですよ。『スプラトゥーン2』はステージが多いので、いろいろなブキを持ったほうが強いと思っています。実際にGG BoyZのメンバーは、ルールやステージによってブキを持ち替えているんですが、それはやっぱり何度もプレイしないと練度が上がらないので、仕上げるのは難しかったですね。

――最終的には、ある程度納得のいく形に?

たいじ 自信はあったのですが、優勝したTASOは強かったです。決勝も3-0で一気に駆け抜けていましたし。

――TASOには、たいじさんと昔チームを組んでいたメンバーもいたと思うのですが、悔しいようなうれしいような……といった感覚もあったのでしょうか?

たいじ いえ、純粋に悔しかったですね(苦笑)。絶対に負けたくないと思っていたので。

――なるほど。その後、話は変わりますが、以前プロゲーマーを特集した週刊ファミ通(2018年3月22日号)でたいじ選手を取り上げさせていただきましたが、反響はいかがでしたか?

たいじ 親から連絡が来ました(笑)。あとは、僕の配信の視聴者も読んでくれたみたいで、TwitterのDMで感想を送ってきてくれましたね。やっぱり反響大きいなーと。

――ありがとうございます! それ以降、『スプラトゥーン』のプロゲーマーも増えてきましたよね。たいじ選手は、この状況をどのようにお考えでしょうか?

たいじ うれしいですよ。それだけ注目度が高くなっている証拠ですし、どんどん増えてほしいですね。ただ、最近DetonatioN Gaming(DNG)が解散してしまって……。

――DNGの解散はショックでした。なかなか公式大会で結果が出なかった影響があるのかもしれませんが、実力は非常に高かったですし……。

たいじ そうなんですよね。DNGとGG BoyZはかなり関わりがありまして、2チームでステージの立ち回りなどを話し合ったりしていたので、解散発表は本当に悲しかったです。DNGは残念ですけど、ただ、ほかのプロゲーミングチームなどでも『スプラトゥーン』部門ができたりと、『スプラトゥーン』にプロ選手が増えているのは、とてもいいことだと思います。

ウデマエX以降、そして、アドバイスを聞く

――4月からはガチマッチにウデマエXが追加されましたが、以降のガチマッチはいかですか?

たいじ めちゃくちゃおもしろいです! いままではウデマエがカンストすると、とくに目標がなくなってしまって、なあなあになる部分もあったんですが、現在は順位が出るので本気でやりたくなりますよね。

――ほかのプレイヤーの動きも変わりましたか?

たいじ 動きのレベルが変わりましたね。Xパワーが高い部屋だと、プライベートマッチの対抗戦みたいな動きをしている相手と当たることもあります。

――ウデマエXで遊ぶときは、得意なブキを使うのですか?

たいじ そうですね。最近はステージによっていろいろなブキを使っているんですが、ルールを見てステージを見て、自分が使えるいちばん得意なブキを選ぶといった具合です。

――やはりステージに合わせて変えているんですね。いまの環境でいちばん得意なブキは何でしょうか?

たいじ スプラシューターコラボかホットブラスターです。

――順位は最高どのくらいまでいきましたか?

たいじ 最高は、ガチヤグラで40位くらいです。いちおう、だいたいのルールで王冠(編注:各ルールで上位にランキングされているプレイヤーの名前の前に表示されるマークのこと)は付いています。でも、最近ガチホコバトルだけXパワーを落としてしまっていて(笑)。

――ガチホコバトルは苦手ですか?

たいじ もともとガチホコバトルは得意だったんですけど、最近は負けが込んでいます(笑)。でも、ガチエリアよりもガチヤグラやガチホコバトルが好きなんですよね。ガチエリアは撃ち合いよりもエリアの管理が重要なんですが、相手を倒すことが好きなので、ガチヤグラやガチホコバトルのほうが得意です。

――ガチアサリはいかがです?

たいじ ウデマエXになってから、めちゃくちゃ楽しいです! S+の時代はあまり動きを理解していない人も多かったんですけど、ウデマエXになってから、みんなちゃんと考えて動いているのが感じられるので。ガチアサリも最高60位くらいまでいきましたよ。

――すごいですね! イカ研究員さんの報告では、S+10以上(ウデマエX)は全体の1%くらいとの話でしたが、ウデマエが上がらずに悩んでいる人にアドバイスをいただけますか?

たいじ なかなか難しいですね……。でも、最初は世間で強いと言われているブキを持つべきですね。それで上がれなければ自分が悪いわけですから。それから動きを見直すといいと思います。

――いまだとホットブラスターとかでしょうか?

たいじ そうですね。あとはマニューバー系やスプラシューターコラボとかですかね? ジェットパックが再び流行り始めてますし。

――ちなみに、たいじさんは前作の『スプラトゥーン』を始めたときから、実力は高かったのでしょうか?

たいじ ほぼ無敗でA+(編注:当時はA+が最高ウデマエ)まで上がったと思います。もともとTPSやFPSをやっていたので、そういった経験値はほかのプレイヤーよりはあったと思います。

――最初からすごかったわけですね。その中で、ご自身で上達を実感した瞬間はありましたか?

たいじ 前作でチームを組んで対抗戦をやり出したときは、うまくなったと感じました。チームを組んで対抗戦をするのと、野良のガチマッチでは全然違いますから。

――チームを組むと野良でのガチマッチもうまくなると?

たいじ そうですね。野良以上に味方と相手の動きに合わせて考える必要があるので、ひとつひとつの動きを見直すきっかけになります。あと、そもそも対抗戦に来る人はレベルが高いですので、「そんな戦いかたあるんだ!」といった発見があって、学べることも多いです。ですので、チームを組んだのは正解だったと思います。

――なるほど。相手の動きを見て取り込むわけですね。

たいじ 野良でのガチマッチだけだと、うまい人も自分より下手な人もいますから、動きに統率が取りづらくなったりして、成長しづらいと思うんですよね。チームを組んで、強いチームと対抗戦をやるのがレベルアップにつながりやすいはずです。

――あと記者は、ここぞというときにエイムが合わなくて焦ってしまったりするんですが、そういったときはどうすればいいか、アドバイスをいただければ……。

たいじ 僕も焦ってエイムが合わなくなりますけど(笑)。逆に、頭を空っぽにして体の反応に任せるというのもアリだと思います。

――な、なるほど……! できるかどうかわかりませんが、やってみます。それにしても、たいじ選手もそうですし、ゲーム配信、実況をされる方々は、長時間ゲームをプレイしながら配信されますが、よく集中力が持続できるなと驚きます。

たいじ でも、ものすごく集中しているせいなのか、対抗戦をやっているとあっという間なんですよ。対抗戦でステージを1周するのに1時間半くらいかかるのですが、本当に一瞬です。さすがに3〜4時間経つと疲れてきますけど(笑)。

――もともと集中できるタイプだったんですか?

たいじ 子どものころからゲームを長時間遊ぶのが基本だったので。昔は10時間とか平気でやっていたんですけど、最近は5時間くらいで疲れてきます(笑)。

E3での世界大会「勝ちますよ!」

――そして、6月にE3で世界大会がありますが、出場が決まったときの気持ちはいかがでしたか?

たいじ めちゃくちゃうれしかったです! じつは、スプラトゥーン甲子園が終わったときに、甲子園のスタッフの方に「今年はE3の大会はあるんですか?」と聞いたんです。でも、明確な答えが返ってこなかったので、今年はないんだなーと思っていたんですよね。

――連絡はいつごろあったのですか?

たいじ RAGEで負けて帰ってきた日ですね。大会で負けてテンションが下がっていたんですけど、『スプラトゥーン2』の配信をしていたら任天堂さんからメールが届いて、一気にテンションが上がりましたね(笑)。

――すごいタイミング! ちなみに、海外へ行かれたことはありますか?

たいじ じつは初めてなんです。

――おお、初海外が世界大会ってすごいですね! 大会の前後でE3のほかの出展も見てまわれるといいですね。

たいじ 見て回りたいですね。僕の配信を見てくれている視聴者で、アメリカに住んでいる方が、E3に来ると言っていました。

――E3は、ゲーマーとしては憧れのイベントですからね。

たいじ ロサンゼルスにはディズニーランドもありますし、ラスベガスも行ってみたいんですけど、なかなか時間は取れなさそうで(笑)。なので、ひとまず全力で大会を楽しみたいと思います。

――去年は“ダイナめう”が出場して、準優勝でした。日本勢としては優勝すれば、リベンジになります。

たいじ ぜひリベンジしたいですね。とくにチームメイトのダイナモンは、助っ人として前回大会も出場しているので(編注:“ダイナめう”のひとりが辞退したために、ダイナモン選手が助っ人として参加した)、個人としても日本勢としてもリベンジしたいと考えていると思います。

――前回大会は発売前だったので、前作の知識で『スプラトゥーン2』をプレイすることになっていましたよね。今回は練習時間も取れますが、どんな練習をされていますか?

たいじ E3での大会ルールがまだわからないので、幅広く毎日練習しています。

――RAGEではハイパープレッサーを使わないブキ構成のTASOが優勝しましたが、そういうのを取り入れたりしているのでしょうか?

たいじ RAGEの直後は少しやってみたこともあるんですが、けっきょく元に戻りました。ほかのチームで強い編成というのは、そのメンバーの強いところを活かしているから強いわけです。だから、それをマネして取り入れたとしても、劣化コピーにしかならないんですよね。最終的には、チームメンバーの強みを活かす編成にするのがいいんじゃないかと考えています。

――最近注目しているブキはありますか?

たいじ クアッドホッパー系は流行りそうな気がします。亜種モデルが出たら、環境に食い込んでくるんじゃないでしょうか。

――マニューバー系はすでに練習していたりするのですか?

たいじ スプラマニューバーコラボを使うステージはありますが、メインで使うのはスプラシューターコラボかホットブラスターを使うことが多いですね。

――それでは、ステージごとにいろいろなブキを試している最中なんですね。

たいじ 決まったブキに固定する必要はなくて、いろいろ使えるようにしておけば相手のブキによって変更もできますから、チーム全員でいろいろなブキを練習しています。

――ちなみにGG BoyZとして、いちばん得意なルールは?

たいじ ガチエリアの勝率が高いと思います。

――海外勢はガチヤグラが得意ですよね。

たいじ 前作のときに、海外のユーザー大会に参加したことがあるんですが、ガチヤグラだけ異常に強くて、それ以外が弱いというケースもありましたね(笑)。

――海外はガチヤグラが人気ですから。

たいじ 日本だとガチヤグラの練習をするのもたいへんなんですよね。対抗戦で相手をしてくれるチームも少ないので。ただ、基本はガチエリアのような立ち回りをしつつ少しずつ押し込んでいくものだと思うので、ガチエリアを練習しておけば応用が利くだろうとは思います。

――勝算はありますか?

たいじ 勝ちますよ! アメリカの代表チームのメンバーと交流があって、少しだけ対抗戦もやらせてもらったのですが、手応えは感じています。ふだん通りにできれば勝てると思います!

――前回大会は、日本代表のダイナめうとアメリカ代表のDEADBEATの決勝戦になって、観客から「USA! USA!」というコールが起きていて、かなりやりづらそうな雰囲気でした。

たいじ なるほど。それは、集中力の維持はたいへんそうですね……。でも、それは乗り越えるしかないですから。

――また、2018年夏には追加コンテンツの『オクト・エキスパンション』が発売されますが、楽しみにしている部分はありますか?

たいじ 早くタコを使いたいです。それに、『スプラトゥーン』の公式ツイッターにステージの紹介動画が上がっているのを見たんですけど、パズルっぽいステージもあったりして、めちゃくちゃおもしろそうですよね。早くやりたいです。

――それでは、今後の『スプラトゥーン』に期待することがあれば聞かせてください。

たいじ 公式大会の回数を増やしてほしいですね。それがプレイヤーのモチベーションになるので、年2回くらいあればうれしいんですが……。

――どんなルールでやりたいですか?

たいじ 全ルールとかどうでしょう? ナワバリバトルもガチルールもやるミックスルールで。『スプラトゥーン』の真の実力が出そうじゃないですか?

――練習がたいへんそうですが、おもしろそうですね! では最後に、あらためてE3に向けての意気込みを聞かせてください。

たいじ E3が決まってから、すべてのルールに対応できるように練習をしています。チームの練度も上がってきていて、いまのところ負けないと思っていますので、がんばって優勝したいと思います!

――期待しています!

E3出場記念!? たいじグッズが販売スタート!

 2018年6月6日から、Webで遊べるエンタメくじサービス“eチャンス!”で、たいじ選手のイメージキャラクターをデザインした“たいじグッズ”の販売がスタート。特大たいじぬいぐるみや、特製スマートフォンリングなどが当たるようになっている(販売期間は、2018年6月6日(水)14:00〜2018年6月20日(水)13:59)。詳しくはこちら(https://echance.jp/kuji/taiji/)。

 このたいじグッズに関しても、たいじ選手にコメントをいただいた。

たいじ じつはE3記念としてグッズが発売されることになりまして……。

――グッズですか!

たいじ “eチャンス!”という、WebでできるエンタメくじサービスでA賞、B賞といった各賞が当たる仕組みのものです。ただ、E3記念とは言っていますが、内容的にはふつうのグッズです(笑)。個人的にいちばんのお気に入りなのは、A賞の特大ぬいぐるみです。

――どのくらいのサイズですか?

たいじ 1メートルくらいあります。

――デカい! ちなみに、このキャラクターは、たいじさんの何と呼称すればいいんでしょうか?

たいじ マスコットというかキャラクターというか。あとは……“分身”?(笑)

――2次元化で、急に白くなりましたけど(笑)。

たいじ 興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!

生中継番組でGG BoyZを応援!

 たいじ選手ら、GG BoyZが参加する『スプラトゥーン2』世界大会は、2018年6月12日(火)午前7時30分(日本時間)からスタート。準決勝で勝ち残った2チームが出場する決勝大会は、2018年6月13日(火)午前5時分(日本時間)から開始予定だ。どちらも下記サイトで、日本語同時生中継が行われるので、配信を見ながらGG BoyZを応援しよう! ちなみに、決勝大会の後は、Nintendo Switchで発売される『大乱闘スマッシュブラザーズ(仮題)』のエキシビジョントーナメントもある。GG BoyZと直接関係はないが、こちらも要チェックだ。