2018年5月11日より、『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』)を題材としたリアル脱出ゲーム“Fate/Grand Order×リアル脱出ゲーム「謎特異点I ベーカー街からの脱出」”が公演中だ。2018年6月10日まで原宿・ヒミツキチオブスクラップにて行われる東京公演は、すでにチケットが完売するほどの注目を集めている。本記事では、公演前日に行われたプレス体験会の模様をお届け。公演後に行われた、塩川洋介氏(FGO PROJECTクリエイティブプロデューサー)と加藤隆生氏(SCRAP代表)のトークステージの模様もリポートする。

『FGO』の世界で、サーヴァントたちと謎を解き明かせ! “Fate/Grand Order×リアル脱出ゲーム「謎特異点I ベーカー街からの脱出」”プレス体験会リポート_01
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会場の前に設置された案内看板。新宿のアーチャーとホームズが、ダンディでカッコいい!
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マシュやシャーロック・ホームズのパネルも展示されている。

 本公演は、プレイヤーたちが人理継続保障機関・カルデアのマスターのひとりとなって、謎解きに挑むリアル脱出ゲーム。レオナルド・ダ・ヴィンチから呼び出されたプレイヤーは、歴史の分岐(特異点)を修正するために、シャーロック・ホームズのいる19世紀末のベーカー街にレイシフトする。しかし、あることがきっかけで、60分以内に歴史を修正できなければ特異点ごと消滅してしまうという、命をかけた謎解きに挑むことになる。……というのが、本公演のあらすじ。1時間という時間ながら、濃密な物語をどっぷりと体験できた。

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公演前には、世界観やキャラクターの設定などを詳しく教えてくれるので、『FGO』をプレイしていない人でも楽しめるようになっている。
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公演中には、登場キャラクターたちによる会話パートがフルボイスで展開し、『FGO』の世界にプレイヤーをグイグイと引き込んでくれる。
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というわけで、『FGO』担当編集のしんのすけと、ふたりで挑戦してきました!

 プレイヤーたちは6人1組のチームとなり、つぎつぎと出される謎を協力しながら解読していく。ゲーム開始前にはカードを選んで“サーヴァント”を召喚するシーンなど、『FGO』らしい体験が味わえるのはファンにとって非常にうれしいポイント。といっても、『FGO』を知っていれば謎も簡単に解けるかというと、そうではない。『FGO』の世界観を楽しみつつ、閃きと推理力、そしてチームのみんなとの団結力で、“ベーカー街”を舞台にしたさまざまな謎に挑むことになるのだ。

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プレイヤーたちが使役できるサーヴァントは写真左から、アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕(セイバー)、ロビンフッド(アーチャー)、エリザベート・バートリー(ランサー)、アストルフォ(ライダー)、エレナ・ブラヴァツキー(キャスター)、ヘンリー・ジキル&ハイド(アサシン)の6騎。
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 もちろん内容についてはネタバレになるので記載できないが、結果としては筆者の入ったチームはあと1歩のところで脱出失敗。これまでの試験公演なども含めると、なんと脱出率は15%前後らしく、その難度の高さを身をもって知ることとなった。しかし、見知らぬ者どうし(しんのすけのことは知っているけれども!)で協力して謎に挑んでいく過程は、非常に心地よい一体感を味わえた。また、細かなセリフやテキストなどが、自身が単なる参加者ではなく、“マスター”のひとりとして参加していることを感じさせてくれる。謎解きファンも、『FGO』ファンも、納得できる完成度を誇っていると断言しよう。

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なお、プレス体験会では2組が脱出成功していた。マジでスゴイ!
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スタッフさんたちはカルデアの制服に身を包み、カルデア職員としてマスターをサポートしてくれた。
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会場では、参加者が購入できるキーホルダーなどの限定物販も行われている。
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 東京公演は2018年6月10日まで行われているものの、前売り券はすでに全日程完売済み。当日券の販売もないとのことなので、いまから遊んでみたい人は、ほかの会場へ足を運んでみよう。東京公演以外の開催会場は以下の通り。チケットの購入などは、公式サイトをチェックしてほしい。

※公式サイト:http://realdgame.jp/fgo2018/index.html

■公演情報
大阪公演:2018年6月2日(土) ~ 2018年7月1日(日) 会場:大阪ヒミツキチオブスクラップ
名古屋公演:2018年6月23日(土) ~ 2018年7月22日(日) 会場:ナゾ・コンプレックス名古屋
横浜公演:2018年7月7日(土) ~ 2018年7月22日(日) 会場:アジトオブスクラップ横浜
札幌公演:2018年8月4日(土) ~ 2018年8月19日(日) 会場:アジトオブスクラップ札幌
福岡公演:2018年8月4日(土) ~ 2018年8月26日(日) 会場:アジトオブスクラップ福岡・天神

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ノベルティ付チケット購入者には、青い蝶のピンバッジがプレゼントされる。

塩川洋介氏&加藤隆生氏によるウラ話!

 プレス体験会終了後には、塩川洋介氏(FGO PROJECT クリエイティブプロデューサー)と加藤隆生氏(SCRAP代表)のトークコーナーも実施。この企画がスタートした経緯や、制作秘話などが語られた。その模様をお届けしよう。

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左から、加藤隆生氏、塩川洋介氏。

 まずは今回の企画の発端は、自身が“やりたい”と言い出したことだと塩川氏は語る。2017年の夏ごろに初めてリアル脱出ゲームをプレイしたという塩川氏は、非常に感銘を受けたそうで、「存在は知っていましたが、クイズくらいのものとリアル脱出ゲームを甘く見ていたんですよ。でもそれがやってみたら……」と、作り込みの凄さなどに驚きを隠せなかったそうだ。ひとつの空間から、物語を表現できることがわかった塩川氏は、それならば『FGO』でもやってみようと思ったそうだ。

 逆に、リアル脱出ゲームを作る側である加藤氏は、今回の企画がスタートするまで『FGO』を遊んだことがなかったのだとか。実際に遊んでみると、『FGO』の素晴らしさに感動したそうで、とくに物語の要素を大絶賛。それをリアル脱出ゲームという空間に落とし込んだらどうなるのか、ワクワクしながら制作したことを語っていた。

 ちなみに加藤氏は、最初の10連召喚をした際に、強力なサーヴァント・マーリンを引き当て、さらにそのつぎの日もマーリンを引き当てたのだとか。「スタッフたちから絶対に人に言わないほうがいいですよ! って言われましたよ(笑)」と加藤氏は苦笑しつつも、『FGO』を楽しんでいることが伺えた。

 今回の公演のポイントについて、塩川氏は『FGO』を知らない人でも楽しめることを重視しつつ、マスターになるという体験を大事にしたことを語る。続いて加藤氏は、ギリギリまで謎解きの難度を調整していたことを明かしつつ「じつは、この公演が始まる1時間前くらいに、スタッフたちが空間をさらによくしようと、あーだこーだとケンカしていて(笑)。それぐらい、熱の入った作品になりました」と、裏話を披露。さらに、一部の謎解きは公演の2週間前に思いついたが、何とか実装できたということも明かしていた。

 また、本公演のタイトルには“謎特異点I”という文字が含まれている。Iがあるということは……? と尋ねられると、塩川氏は「もちろん、IIがやりたいからです。II、IIIと続いて、終局特異点くらいまで……(笑)」と、冗談を飛ばしながらも、次回の開催を熱望しているようだった。

 そのほかの製作秘話を聞かれると、加藤氏は今回の企画用に舞台やタイトルだけで50個以上の候補を塩川氏に提出したのだとか。その中から塩川氏が選出し、本公演の制作が決定したのだ。塩川氏は「(公演の)誰を顔にするのかが大事だと考えました。謎で楽しむという部分では、やはりホームズしかいないでしょう」と、リアル謎解きゲームと、シャーロック・ホームズの親和性を見て、今回の設定を決めたことを明かしていた。

 最後に塩川氏は「自分が言い出して、多くの方々の協力を得て、開催を迎えられました。これも“FGO PROJECT”のひとつだと思っています。『FGO』のコンテンツ作るのと同じ感覚法で挑みました。この公演で初めて『FGO』を体験した方は、ぜひスマートフォン向け『FGO』もプレイしていただきたいですし、すでにプレイ済みの方は、この公演でリアルでも『FGO』の世界を楽しんでほしいです」と語り、トークステージは終了となった。

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