厳選された20作の中から、トップ3のインディーゲームが決定! Google Play主催“Indie Games Festival 2018 ファイナルイベント”リポート

2018年4月28日に、インディーゲームの祭典“Indie Games Festival 2018 ファイナルイベント”が開催された。本記事では、同イベント内のコンテストにて、トップ10に入賞したメーカーがプレゼンテーション行った、ステージの模様をメインにお届けする。

 2018年4月28日に東京都・TABLOIDにて開催された、Google Play主催の国内インディーゲームの祭典“Indie Games Festival 2018 ファイナルイベント”。本イベントは、事前に選ばれたインディー作品20タイトルを対象に、一般参加者と特別審査員たちがポイントを投票し、トップ3を決めるというもの。

 まず、来場者の一般投票によってトップ10のゲームが選ばれ、その10タイトルの開発者が、ステージにてプレゼンテーションを実施。それを踏まえて、特別審査員たちが投票をし、トップ3が選出された。本記事では、プレゼンテーションの模様をメインにお伝えしていこう。なお、審査員を務めたのは以下のメンバー。

■審査員
安藤武博氏(株式会社シシララ 代表取締役 ゲームDJ)
カイロくん(株式会社カイロソフト プログラマー 兼 アイデアマン)
川島優志氏(Niantic, Inc.アジア統括本部長 兼 エグゼクティブプロデューサー)
キズナアイさん(バーチャルYouTuber)
中畑虎也氏(SELECT BUTTON inc.ディレクター)
林 克彦(株式会社Gzブレイン 週刊ファミ通編集長)
Chongsa Kim氏(Head of Japan Games Business Development, Google Play)
Hyunse Chang氏(Partner Development Manager, Google Play Games)
Sarah Thomson氏(BD Lead, Indie Games, Google Play)
松田白朗氏(Developer Advocate, Google LLC.)

(1)Million Onion Hotel ~ミリオンオニオンホテル~

 プレゼン1番手を務めたのは、『Million Onion Hotel ~ミリオンオニオンホテル~』。同作は、クレイジーなサウンドと爽快な演出が特徴のアクションパズルゲームだ。開発代表の木村祥朗氏は、ユーザーにより気持ちよく、より楽しくプレイしてもらえるように開発を心掛けたことをアピール。また、ゲームが完成間近のときに、ゲームデータを入れていた媒体が故障してしまい、イチから作り直すことになってしまった苦労話も明かしていた。

(2)クリスタル・クラッシュ【超攻撃的パズル合戦!】

 続いては、『クリスタル・クラッシュ【超攻撃的パズル合戦!】』のプレゼン。このゲームはロジックパズルとバトル要素が組み合わさった対戦ゲームで、相手よりも素早くパズルを解きながら、より多くの領地を占領したほうが勝利となる。高速にパズルで対戦をくり広げるという、その難しさもあってか、開発スタッフの福本 章氏は「このゲームはまだ未完成です。人を選ぶゲームですが、今後は誰しもがハマれるゲームを目指しています」と意気込んでいた。

[2018年5月2日午後11時25分:お名前の記載につき誤りがあったため修正させていただきました。関係者各位にはお詫びして訂正します。

(3)Craft Warriors

 3番手は、Translimit, Incが開発する、リアルタイムストラテジー『Craft Warriors』。このタイトルの大きな特徴は、ユニットを自分好みに自由自在に作成できること。プレゼンでは、Androidのマスコット・ドロイドくんを、ムービー中でみごとに制作。さらに、審査員でもあるキズナアイがユニット登場するというサプライズも飛び出した。作成したキャラクターはほかのプレイヤーとシェアが可能で、すでに1日に20万ユニット以上もの登録があるとのことだ。

(4)Ninja Flicker

 おつぎは東京工業大学デジタル創作同好会traPが開発した、『Ninja Flicker』。剣や手裏剣を使う忍者を、スマートフォンのフリック入力で操作するのが本作の特徴で、特定フリック入力をすれば、ステージを反転させるなどの忍術も使用できる。そんなゲームを、忍者の衣装を着た開発陣が、元気いっぱいにプレゼンテーション。フリック入力での忍者の動きを、身体を使って再現するなどして、アクション性の高さを強調しつつ、フリック入力のプログラムは完全にイチから作り上げたと、開発の苦労も明かしていた。

(5)ねぇAI、本当の事がしりたい

 プレゼンもこれで半分を迎え、続いてはコトリヤマ株式会社が開発した一風変わったクイズゲーム『ねぇAI、本当の事がしりたい』。本作では、プレイヤーがスマートフォンのAI(iOSでいうところの、Siri)となり、“しり”以外の言葉を、イラストの状況に合わせて入力していくゲームだ(じょ“しり”ょく、など)。コトリヤマは夫婦によるふたり組の開発チームで、このゲームを開発する前に、チェス型のタイトルを約1年半開発していたところ、あえなく挫折。そのせいで夫が落ち込んでいるところを、妻が“しくじり”、“じりひん”など、ダジャレを交えたイラストを描いて元気づけていたそうだ。その経験で笑顔になれた夫が、ゲーム化したいと思ったのが、開発がスタートした経緯だと明かしていた。

(6)怪異掲示板と7つのウワサ - 完全無料のチャットノベルゲーム

 つぎのプレゼンは、Entabridge Co., Ltd.による、『怪異掲示板と7つのウワサ - 完全無料のチャットノベルゲーム』。開発陣は、同社のノベルゲーム好き3人チーム。3人はゲームの中でもとくにノベルゲームが大好きだが、ノベルゲームは敷居が高め。だったら、敷居の低いノベルゲームを作ろうじゃないかということで、開発がスタートした。スマートフォンで手軽に、1話10分程度で遊べるように、すべてがオムニバスストーリーで展開。文章が説明文などがなく、会話文のみであるといった読みやすさや、LINEのようなチャットアプリでのやり取りや、キャラクターから電話がかかってくるなど、スマートフォンならではの演出にもこだわったそうだ。

(7)BQM - ブロッククエスト・メーカー

 Wonderland Kazakiri inc.が開発した『BQM - ブロッククエスト・メーカー』は、自身でダンジョンを作るゲームメーカー。パズルダンジョンゲームを作っていくうちに、作る過程をプレイヤーにも味わってほしいと思ったのが、開発がスタートした経緯なのだとか。誰でもダンジョンをデザインできるように、シンプル操作で複雑な仕掛けなども作成できるのが特徴で、作ったダンジョンは公開して、ほかの人に遊んでもうことも可能。製作者には入場料が手に入り、それを使ってさらに複雑なギミックを開放していける仕組みになっている。なお、開発陣はパズルを解いていくダンジョンだけが作られると想定していたところ、ユーザーたちはクイズダンジョン、タイムアタックダンジョンなど、柔軟な発想でダンジョンを生み出していることに驚いたと語っていた。

(8)ねこかわいい ぼくゆうれい

 HARAPECORPORATION Inc.制作している、『ねこかわいい ぼくゆうれい』。開発陣はゲームが苦手なので、苦手な人やゲームに興味がない人を狙ったという同作は、家具などを部屋に設置しつつ、いろいろなネコを自分の部屋に集めるゲーム。置いた家具によって、“泥棒ねこ”など、多彩なネコの姿を満喫できる。とくにユーザーから好評だったのが、キュートかつリアルなネコのアニメーション。ネコらしい動きを再現には、かなり努力を重ねたのだとか。また、同作はGoogleストアにて、ユーザーから75000件以上にも及ぶレビューを貰い、そのお礼としてゲーム内にネコの豆知識を詰め込むなど、ゲームが苦手だったからこその発想で、さまざまなアイディアを盛り込んだそうだ。

(9)PARADE!

 内田達也氏の個人製作による、『PRADE!』は、目に頼るのではなく、音を聞いてリズムに乗ることをメインとしたリズムゲーム。リズムに合わせて流れてくるマーカー(ノーツ)をタッチすればゲームが進んでいくが、ときどきマーカーが隠れてしまうなど、しっかりとリズムに乗らないと攻略できないようになっている。どんどんステージを進んでいけば、動物たちが主人公の後ろに回り、まさにパレード状態になるその賑やかさも特徴のひとつ。ちなみに同作は、内田氏が台湾のクラブで『とっとこハム太郎』のテーマソングで盛り上がる人たちの動画(気になる人は“とっとこハム太郎 台湾”などで検索してほしい)を見て、その盛り上がりをゲーム化したく、開発をスタートさせたのだとか。

(10)ネコの絵描きさん

 最後を務めるのは、Nukeninが開発した『ネコの絵描きさん』。同作は、人が描いたイラストを見て、それが何かを答える、または自分で描いて人に答えてもらう/評価してもらうといったイラストゲーム。とくに絵が苦手、絵心がない人でも楽しめるように、筆を白黒のみにしたり、消しゴムを用意しなかったりと、絵のうまい人とさほど差がつかないように工夫がされている。落書き程度のものしか描けなくても、しっかりとゲームが楽しめるゲームデザインには、審査員たちからも称賛の声があがっていた。ちなみにチーム“Nukenin”は、チーム全員が元“任”天堂の社員だったことから“抜け任”と名付けたそうだ。

ついにトップが決まる、結果発表!

 プレゼンタイムが終了し、いよいよトップを決める審査の時間へ。と、その前に、本コンテンストの審査とは異なり、集英社が独自にトップ20タイトルから審査して賞を贈る“少年ジャンプ+賞”の発表へ。なお、この賞を受賞したインディーチームには、なんと連載作品のゲーム化ライセンスと、最大1000万円の製作費などが贈呈される。

 そしてみごと受賞を果たしたのは、『ネコの絵描きさん』だ。Nukeninの代表者は、「受賞するとは思っておらず、心の準備をしていませんでした……。って、ジャンプのゲーム作れるんですよね!? どうしよう……(苦笑)」と驚きながらも、喜びを噛みしめている様子だった。

 そしてついに、トップ3の発表へ。トップ3に入ったタイトルは、Googleストアのトップにバナーが貼られるほか、ゲームが翻訳され海外配信も決定する。さらに、海外インディーイベントへの招待や、審査員キズナアイさんによるゲーム実況配信も確約される。一般票と審査員票により、入賞を果たしたのは、『Craft Warriors』、『PARADE!』、『ネコの絵描きさん』の3タイトルだ。

 『Craft Warriors』代表は海外展開ができることに喜びつつ、「ドロイド君とキズナアイさんに背中を押して頂きました」とコメント。『PARADE!』代表は、「トップ3に入れるとは思っていませんでしたが、(見た目などの)わかりやすさがあって、ちょっとズルかったかなと思います(笑)」と謙虚な姿勢をみせていた。そしてダブル受賞を果たした『ネコの絵描きさん』の代表は、「このゲームを応援してくださった人たちのおかげです!」と、感謝の言葉を述べていた。

 朝から夕方まで続いた本イベントも、これにて終幕へ。最後には、主催者や審査員たちからお別れのご挨拶。最後にキズナアイさんが、賞品であるゲーム実況について「責任を持って、日本、世界の皆さんに知って頑張ります!」と、受賞した3タイトルのPRに励むことを意気込み、イベントは終了となった。