2018年4月6日、日本橋三井ホールにて、サイバーコネクトツーがプロデュースするユニット“LieN -リアン-”の10周年記念ライブが行われた。本記事ではその模様をリポート。

 サイバーコネクトツーがプロデュースする2人組のユニット“LieN -リアン-”(ボーカル・三谷朋世、作詞作曲・福田考代)。おもに『.hack』シリーズの楽曲を手掛けるユニットで、2017年に結成10周年を迎えたアーティストだ。そして2018年4月6日に、“『LieN -リアン-』10周年記念ライブ 『.hack//追奏』”が開催された。本ライブでは、全13曲が生披露されただけでなく、ライブ中盤には『.hack』シリーズ15周年を記念して、『.hack//G.U. Last Recode』に出演した声優陣によるトークライブも行われた。本記事では、前半で“LieN -リアン-”のライブの模様を、後半でトークライブパートの盛り上がりをお伝えしていこう。

CDやTシャツなどの物販列には、開場前にも後にも、長蛇の列ができていた。
来場者には“LieN -リアン-”のプロフィールや朗読劇の台本などが掲載された豪華なパンフレットが配布された。

透き通るような歌声が、ホールを響かせる

 まずは、“LieN -リアン-”によるライブの模様をお伝えしていく。オープニングナンバーでは『.hack//』の『アウラのテーマ』から、そのまま流れるように『.hack//』全体のイメージ楽曲『Aura』へ。アウラのような白い衣装を身にまとったダンサー・Aylaによる舞いも披露され、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中でライブがスタートした。

 オープニングトークを挟み、続いては『.hack//G.U. Vol.1 再誕』及び、作品全体のテーマ曲である『やさしい両手』。三谷の透明感のある歌声とともに、ステージのスクリーンに『.hack//G.U. Last Recode』の映像も映し出され、ハセヲを思う感傷的な雰囲気が会場全体を包んでいた。

 続いて、『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』より『星をかぞえて』、『.hack//G.U. TRILOGY』より『Liar's Smile』、『.hack//G.U. Last Recode』より『Come back to The World』と3曲立て続けに披露。ライブ前半は、『.hack//G.U.』の楽曲が多数披露され、この後に続くトークパートを引き立てていたように感じた。

 トークパートが終わり、ライブは後半戦へ。まずは『.hack//G.U.』より『真実の行方』と、『優しくキミは微笑んでいた』を、2曲連続で歌い上げる。なお、このライブはサイリウムの使用は許可されているが、使用する観客は終盤までほぼゼロ。曲の披露のあとには歓声ではなく拍手を送る観客たちに、静かにじっくりと歌声に聞き入っている気持ちが表れていたように思う。

 続いては、『.hack//New World』より『光の雫』、『ドットハック セカイの向こうに』より『つながるセカイ』と、シリーズ作品のテーマ曲へ。そして、“LieN -リアン-”のオリジナル楽曲『桜花月』では、再びダンサー・Aylaが登場し、まるで桜が舞うような踊りも披露された。

 ライブは終盤を迎え、『.hack//G.U. Vol.4 あるいは世界を紡ぐ蛇たちの見る夢』のエンディング曲『心のままに』では、今日いちばんの伸びのある歌声を披露し、会場全体を響かせた。そしてアンコールでは、『.hack//Link』より『時の階段』と、『.hack//Versus』より『晴天桜花』を披露し、このライブ内で『.hack』シリーズの楽曲を網羅。『晴天桜花』では、観客全員がピンクのサイリウムを手に持ち、会場全体が桜満開となりいよいよ終幕。最後には“LieN -リアン-”が、涙を流しながら「また会える日を楽しみにしています!」と挨拶し、ライブは終了となった。

【2018年4月11日13時記事修正】
記事初出時、『晴天桜花』の楽曲名に誤りがあり、修正いたしました。読者の皆さまならびに関係者各位にご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。

豪華声優陣によるトーク&生朗読!

 続いては、ライブの中盤に行われたトークライブの模様をリポート。このパートでは、『.hack』シリーズのディレクターである松山 洋氏(サイバーコネクトツー)と、『.hack//G.U. Last Recode』のプロデューサーを担当した月田百合香氏(バンダイナムコエンターテインメント)が登場し、司会進行を務めた。まずは原作のムービーを公式がおもしろおかしくセリフを変更した“パロディモード”の朗読コーナーだ。

 ステージには、川澄綾子さん(アトリ役)、小林沙苗さん(パイ役)、斎賀みつきさん(エンデュランス役)、山崎たくみさん(八咫役)、榎本温子さん(アイナ役)といった出演声優陣が登壇。事前に観客たちに配布された台本には、新規書き下ろし14本のパロディシナリオが収録されていたが、今回はその中から選ばれたの8本を生披露することに。なお、ステージに登壇した声優陣はもちろん生アフレコで、ほかのキャラクターたちのセリフは事前に収録されたものとなっていた。

 1本目のパロディシナリオでは、ハセヲがゲームショップ店員に扮して『.hack//』を売るというもの。しかしそこに現れた朔望(望)が、まさかの「妖〇ウォッチください!」と言い放ち、会場は大爆笑! 川澄さんがこのセリフが大丈夫なのか心配すると、松山氏は「日〇さんにはナイショだゾ!」とオマケして、さらに笑いを起こしていた。また、6本目のシナリオでは八咫が「昔は“ヤ↑タ”というアクセントだったのに、なぜvol.4では“ヤタ↑”に変わったんだ!?」と、メタ発言! 松山氏は「僕のディレクションミスです(苦笑)」とぶっちゃけつつ謝罪。ラスト8本目では、アイナがメチャクチャに罵り、それに喜ぶオーヴァンというシナリオを、東地宏樹さんがイキイキと熱演! それに対し榎本さんはノリノリで罵倒を浴びせ、来場者からは笑いと拍手が送られていた。

 パロディモードのおつぎは、完全書き下ろしシナリオ“Resurrection”を朗読へ。このシナリオの時間軸は、『.hack//G.U. Last Recode』のラストである“永遠の最後の1日”で起きた、どこかのワンシーン。物語は、アトリ、パイ、エンデュランス、八咫、アイナが、ハセヲの5thフォームやオーヴァンの新たな姿について語るというもの。本編の終盤では、ハセヲの憑神”スケィス”と、オーヴァンの憑神“コルベニク”が融合し、“ユニゾンスケィス”として活躍した。しかし、エンデュランスはそれが気に食わないのか、スケィスと自身の憑神“マハ”が融合したヘンテコなスケッチを披露。また、新たな姿となったオーヴァンの髪の毛が伸びたのは、リアル世界では髪が薄いぴろし3(リアル世界では『.hack』シリーズのデザイナーを担当)が、「ゲームの中でくらいフサフサでいたい!」という願望によって実現したシステムだったなど、コメディタッチな会話劇が披露された。

エンデュランスが披露した“ユニゾンマハ”のスケッチ。愛が重い(笑)。

 最後には、約10年ぶりに『.hack//G.U.』のキャラクターたちを演じた感想を、出演声優陣が語る(ステージに登壇していない出演者は、ボイスメッセージが披露された)。中でも川澄さんは、当時の声が出るのか不安だったと明かしつつ「アトリが幸せになってくれて、私も嬉しいです」と、『Vol.4』での追加シナリオに触れる。また、ハセヲ役の櫻井孝宏さんは、いちばん印象に残るキャラクターがハセヲとのことで「何度も喉を潰しました」と当時を振り返りつつ、今後も『.hack//G.U.』が続いてほしいという願望を語り、トークライブは終了となった。