3月に日本語版がプレイステーション4とPCで配信されるや、絶大な人気を博しているエピック・ゲームズのTPS『フォートナイト』。最大100人のプレイヤーが孤島を舞台に最後のひとり(1チーム)になるまで戦いをくり広げる“バトルロイヤル”など、白熱バトルがプレイヤーを熱くさせている。爽快感バツグンの銃撃戦はもちろんのこと、建物をクラッシュ&ビルドできるクラフト要素も魅力だ。

 そんないま注目の『フォートナイト』を、FPS/TPSのオーソリティーBRZRKに熱くインプレッションしてもらった。

クラフト要素などを加味した、ひと味違った“バトルロイヤル”ゲーム

 昨年からPCゲーム市場を席巻しているのが、“バトルロイヤル”を題材にしたFPS/TPSのゲームだ。現在さまざまなデベロッパーがこの新たなジャンルの波に乗ろうと、先駆者である『H1Z1』や『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』に並び立つようなタイトルを制作中なのはご存じだろう。

 その中でもとくに勢いがあるのが『フォートナイト』だ。もともとこのタイトルはUnreal Engineの制作会社であるエピック・ゲームズがリリースしたスタンドアローンの建築要素のあるタワーディフェンス系のタイトルで、2017年にPC版やコンソール版がリリースされた。ただ、大ヒットには至らず、正直筆者としてはそのまま埋もれゆく作品だと思っていた。

 だが、2017年9月12日に突如としてバトルロイヤルモードの実装を発表し、同月26日に実装が行われた。さらに、バトルロイヤルモードだけであれば本編を購入せずともクライアントソフトをダウンロードすれば無料で遊べることも話題となり、一気にプレイヤーの数を増やしていった。

 そんな『フォートナイト』についてイロイロ書いてほしいと言われ、プレイステーション4用の日本語版リリースからじっくりと遊び、本作にそこまで人を惹き付けるものがあるのかを自分なりに探ってみた。

『フォートナイト』がほかのバトルロイヤルゲームとはひと味違うゆえんとは? BRZRKによるプレイインプレッションをお届け_03

 まず、ほかのバトルロイヤルを題材にしたゲームとの大きな違いのひとつが“見た目”だ。現在リリースされている同ジャンルのタイトルはどちらかというとグラフィックがリアリティー寄りで、さらに舞台となるフィールドが広大だ。対する『フォートナイト』は欧米の3DCGアニメに近いカートゥーン寄りで、マップは狭めとなっている。人によってはリアルな描画よりも、コミカルに見えるこちらのほうがとっつきやすいのかもしれない。

 前述した先達となるタイトルと比べると『フォートナイト』のマップは狭めの作りとなっており、フィールドは多少の高低差はあるものの基本的に開けた場所が多い。そのためゲーム序盤からコンスタントに銃撃戦が生じることも。まぁ、これは開始場所にどこを選ぶかも影響してくるし、なかなかプレイヤーと遭遇しないってこともあるんだけどね。

 当然のこと本作ではピストルやライフルなどの銃を使って戦うのだが、『フォートナイト』では銃を始めとして使用できるアイテムにはすべてにレアリティの概念がある。たとえば同じライフルでも、レアリティが高ければ与えられるダメージが上がるといった付加価値があり、戦局を有利に進めるにはそこそこのレアリティを誇る武器の入手が重要となる。

 しかし、そういった希少価値の高い装備品やアイテムなどはマップ上に配置されている宝箱の中に入っているため、参加者は試合開始直後から一直線に宝箱が配置されていそうな場所を目指して行動する。まぁ、当然お目当ての武器が出るとは限らないので、開始直後の生存競争に勝ち抜き、ドヤ顔で宝箱を開けるも、中身がショボくて真顔になることもしばしば。

 ちなみにこの宝箱は未開封の状態だと「シャラララ~」っといった感じの妙に神々しいSEを発していて、建物の屋根裏や納屋の奥などに隠されている宝箱を見つける手がかりとなる。で、長く『フォートナイト』を遊んでいると、このSEが聞こえることで“神々しい音=宝箱=よいもの”というすり込みが完了されているため、少しでも音が聞こえようものなら戦闘すら放棄し探そうとしてしまう……のは僕だけでしょうかね?

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 そんな感じで宝箱やさまざまな場所にあるアイテムをスカベンジしながら狭まるエリアに合わせて移動していくと、前述したように敵プレイヤーと遭遇する。ほとんどのバトルロイヤルを題材にしたゲームだと、もとからマップ上に配置されているオブジェクトで身を守ったり、ビークルを盾に使いながら戦うのだけど、『フォートナイト』はひと味異なる戦いが展開されていく。

 それが“建築要素”だ。プレイヤーはマップ上にあるさまざまなオブジェクトを、初期装備のツルハシで殴れば対応した資材を入手することができる (マップ上に配置されていることもある)。この集めた資材から壁や階段などを作成することができ、戦闘中に身を守る壁を作り出したり、ふつうでは登れない角度の坂に足場を作って登ったりといったことが可能になる。

 慣れないうちは思い通りに建築ができず、たどたどしい操作になってしまうのだが、慣れてくると自分の置かれた状況に応じてベターな建築ができるようになってくる。

 たとえば、サークルの外周となる場所に簡単な物見やぐらを構築し、安全圏内に入ろうと走ってくるプレイヤーを一方的に攻撃できる有利な状況を作ったり、大きな砦を構築した敵に対して斜めに伸びる階段を作り、上から乗り込んで暴れたり……といった感じでやり込めばやり込むほど建築スキルも上達し、プレイヤーの戦いの幅がグンと広がっていくのだ。

 その最高峰たるのが海外の有名な強豪プレイヤーやストリーマーで、元々のプレイヤースキルだけでなく高い建築スキルが相乗効果をもたらし、芸術の域にまで達している。いや、誇張なしに本当に凄いので、ぜひともYou TubeやTwitchなどで“Ninja”や“Shroud”といったトッププレイヤーのプレイを見てほしいと思う。

 筆者はどうなのかというと、まだまだ建築に不慣れということもあり、足場を構築中に根本を破壊されてしまい、高所からの落下で無事死亡という『フォートナイト』あるあるをくり返している。なんとかもうちょっとうまくなりたいんだけどね。あ、でもスクワッド戦(チーム戦)でダウン中の敵を鉄の壁で覆ったりといった、ケツの穴が小さい嫌がらせだけはかなり上達しました。

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 幾度となく負けまくり、ヒーコラ言いながらプレイしている『フォートナイト』なわけですが、ゲーム終盤の独特な緊張感は目を見張る物があるんですよね。たとえどんなに堅牢な砦を建築しても、そういった建造物はやたらと目立つし目の敵にされやすい。そうなると四方八方からロケットランチャーやグレネードランチャーの弾が飛び交い、余裕をかましていたのに気付けば追い込まれているなんてこともざら。

 ただ、そういうワンミスが命取りになるようなアドレナリン噴出間違いなしの状況を無事に凌ぐことができて見事生き残り“ビクトリーロイヤル”(『フォートナイト』でいう最後まで生き残り勝利した状態を指す)の文字が画面上に映し出されると、ふつうに「ヨッシャ!!!!」と声が出てしまうほど嬉しい。前述した建築要素とかもあるし、毎回異なる展開で先が読みにくいってのもあるんだけど、自分の判断がカチッとハマって勝ち残ったときは脳内麻薬を含めてイロイロ大排出されているような快感が得られる。ぜひこの喜びはみなさんに体験してほしい。

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 そんな『フォートナイト』のバトルロイヤルは定期的に期間限定で特殊なルールを実装しており、プレイヤーを飽きさせないための工夫を凝らしている。

 たとえば、“50人対50人”や“20人チームx5”、“エリア収縮高速化&資源入手量アップ”などといった通常のルールとは少し変わった遊びかたを期間限定で提供してきた。どれも通常のルールとはひと味違ったプレイフィールを得られるので、今後もどんなルールが実装されるのか非常に楽しみ。

 さまざまなハードウェアでリリースされ、今後もプレイヤーの数をどんどん増やしていくであろう『フォートナイト』。おそらくesportsシーンに向けたルールやシステムも実装されていくのではないかと筆者は予想している。乱文長文となってしまったが、せっかく無料でバトルロイヤルを楽しむことができるので、ぜひとも遊んでみてほしい。で、楽しいと思ったなら、お布施と思ってシーズンパスなどを購入してみてはどうだろうか。ちなみに僕はシーズン3のパスは購入済です。

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