だだっ広いフィールドにブチ込まれた数多のプレイヤーたちが、最後のひとりになるまで死闘をくり広げる、いわゆる“バトルロイヤル形式”の対戦ゲームが世界的に盛り上がりを見せる今日このごろ。満を持して欧米から殴り込んできたドデカい黒船が、2018年3月8日にプレイステーション4とPCで日本語版が配信開始された、エピック・ゲームズによる基本プレイ無料の『フォートナイト』! 海外では以前から配信されており、同時接続数が340万人を記録するほどの超人気タイトルだ。

『フォートナイト』バトルロイヤルとクラフト要素が魅惑の遺伝子結合! プレイインプレッションをお届け_01

 現在、ゲームスタート時に表示されるモードは“バトルロイヤル(BATTLE ROYAL)”と“世界を救え(SAVE THE WORLD)”の2種類。バトルロイヤルは、広大な島を舞台に最大100人のプレイヤーが現地調達した装備で戦い、生き残りを目指す対人戦モード。

 一方の“世界を救え”は、有料版パックを購入することでプレイ可能になる。地獄のバーゲンセールの如く群がるモンスターの波状攻撃を仲間とともにしのぐ、Co-op型タワーディフェンスとでもいうべきモードで、現状は英語版での提供のみ。日本語版は2018年内に実装予定。

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バトルロイヤルのルールはシンプル

 本作のメインコンテンツであるバトルロイヤルの基本的な流れをザックリ書くと、

ゲームの参加者が揃うまで待機

島の上空を移動するバトルバスに乗り込み、降りたい場所へダイブ

島内で手に入れた装備でほかのプレイヤーを倒して生き残る

 このように非常に単純で、他のバトルロイヤル作品に慣れたプレイヤーなら、スムーズにプレイできるだろう。だが、本作には数々のユニークな味つけが施されており、これらのおかげで独自の存在感を放つとともに、世界中で確固たる人気を築いているのだ。

 その最たる例がクラフト要素。落ちているものを拾ったり、木や建物といったオブジェクトを破壊したりして建設資源をゲットし、それらを用いて足場や壁を作り出せるこの要素こそが、本作最大の特徴だ。クラフトがバトルロイヤルでどう活きてくるかは、追々紹介していくことにしよう。

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資源があればクラフトは一瞬。攻撃との切り替えも瞬時にでき、慣れれば目の前にバリケードを作りながら攻撃を行うことも可能……というか、勝つためには必須級のテクニックとなる。

 ちなみに、バトルロイヤルはひとりで戦い抜くソロのほかに、デュオ(ふたり組)、スクワッド(4人組)が選択でき、ほかのプレイヤーと協力しながらプレイすることも可能。加えて現在は、期間限定で20人ずつの5チームで戦う“チームバトル20(20名のチーム)”がプレイできる。こういった期間限定イベントは定期的に開催される予定で、海外版では“落ちているアイテムがレアなものだけになる”、“50人ずつの2チームに分かれて戦う”など、さまざまなイベントが開催されて好評を博してきた。

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バトルロイヤルには一定期間のシーズンがあり、各シーズンで発行される“バトルパス”を買ってゲームに参加すると、コスチュームなどの報酬アイテムが徐々にアンロックされていく。今シーズンで最後まで報酬アイテムをアンロックすると、公園のベンチでランチ食べてそうな殺し屋コスチュームが入手可能だ。

バトルロイヤルのためにある夢の島

 バトルロイヤルの舞台は自然豊かで、起伏に富み、さらにはさまざまな建物が節操なく建てられた広大な無人島。実際に人が住んでいたようなリアルなものではなく、まさに人が戦うためだけに作られた夢の島だ。各地にはコンテナの集積場や生垣でできた迷路、鉱山、湖、ドーナツ屋、ブロックで製の巨大な犬型のモニュメントなどなど、こんなところで戦ったら楽しいだろうなという場所ばかりが整合性度外視で詰め込まれており、ビジュアルとも相まってなかなかのカオス感を醸している。

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戦いの舞台となる孤島。プレイヤーたちはこの上空を通過するメルヘンチックなバトルバスからつぎつぎに島へと降下していく。このとき周囲を見渡して、近くに降りるライバルの位置を確認しておくことも重要だ。

 この島を見てもわかるように、本作はややコミカルにデフォルメされたビジュアルや世界観も特徴のひとつ。さらに武器も、アサルトライフルならAK-47などの実在の武器名が登場するのではなく、そのまま“アサルトライフル”と表記されるなど、ミリタリー要素もそれほど強くはない。その分、万人向けで取っつきやすくなっていると言えるだろう、たぶん。

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強烈な嵐到来中の孤島へ乗り込め!

 バトルロイヤルは、オブジェクト破壊&近接攻撃用のツルハシ一本だけを持ったほぼ丸腰の状態でスタート。そのため、プレイヤーは島中にランダムで配置されたアイテムを手に入れて戦っていくこととなる。プレイヤーのアイテムスロットは一律5枠で、武器に取り付け可能なカスタマイズパーツなどは存在しない。パーツは“サイレンサー付き○○”といった具合に武器とセットになっており、煩雑さとは無縁のシンプル仕様になっている。

 また、アイテムにはコモンやアンコモンといったレア度が存在し、同じ種類のアイテムでもレア度が高いほど性能がよくなる。レア度は直接手に入れなくてもアイテムが放つ光で判別でき、遠目でオレンジの光(最高のレア度・レジェンダリー)を放つアイテムを見つけたときなんかは、脳汁を垂れ流しながら直行することとなる。

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 アイテムは基本的に建物周辺に配置されているのだが、本作ではふつうでは登れない崖の上などに宝箱が配置してあることも少なくない。そして、中にはRPGの宝箱よろしくレアなアイテムがガッポリ入っているのだからたまらない。こういった場所に行く際は、上空から直接ダイブする以外に、資源で足場を組むという方法が取れる。クラフトが可能が本作ならではの遊び要素だ。

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 バトルロイヤル中はランダムで上空からレアなアイテムが詰まった補給物資が投下されることがある。これを回収する際も、クラフトを利用して周囲にバリケードを張り巡ら、安全を確保することが定石となっているのだ。

 なお、本作にはピストルやスナイパーライフルなどのほか、グレネード、ハンドキャノン、ロケットランチャーなど、見た目にも派手な武器が多い。加えて、踏み入れた者にダメージを与えるトラップ床や相手ダンスを躍らせるミラーボールなどという、特殊なものまで用意されている。

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ミラーボールのおかげで、相手の目の前で強制的に踊り狂わされるハメに。もちろん、この直後殺された。

 そういったわけで装備や資源が揃うまでは戦いを避けてゆっくりと探索したいところだが、そうも言ってはいられない。島には嵐が接近中で、安全地帯である“嵐の目”が時間経過に従って、徐々に狭まっていくからだ。嵐の中にいるとライフが減少していくため、嵐の目縮小のアナウンスが入ったら、プレイヤーは安全地帯を目指して移動していくこととなる。

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紫の部分が嵐ゾーン。ここに入るとライフが減っていく。わざと嵐すれすれに留まり、安全地帯へと向かうプレイヤーを狙い撃つといった戦法も有効だ。
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敵から身を隠し戦いを避けるのも、積極的に戦いを仕掛けていくのもプレイヤー次第。生き残りを懸けたバトルロイヤルらしい緊張感溢れる攻防が展開していく。

強固な砦を築き優位に立つ!

 嵐の目が縮小してくると、生き残っているプレイヤーはある行動を取ることが多い。それはズバリ、集めた資源で強固な砦を築くこと。高さのある塔のような構造がポピュラーで、身を守ると同時に周囲を観察しやすくするという意図がある。実際、相手に先に砦を築かれるとかなり戦いづらい。ただし、こちらに武器が潤沢にあれば、ミサイルやライフルで相手の砦を吹き飛ばしながら攻めるといった籠城戦スタイルのプレイもでき、それはそれで脳髄がシビレるおもしろさだ。

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ふたつの巨大砦のあいだで激しい銃撃戦が展開する、手に汗握るシーンも本作では珍しくない。
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資源不足&及び腰で出遅れたりすると、ライバルが働きアリの如く砦をガシガシ築いていく様子を「ほほう、やりますなあ」などと、まるで他人事のような気持ちで眺めることに。もちろん、この直後殺された。

 と、このように『フォートナイト』は、おなじみのバトルロイヤルをモチーフに、無二のおもしろさを生み出しているタイトルだ。基本プレイ無料なので、少しでも気になったという人は気軽に触れてみてほしい。