フリーゲームの投稿・配信サービス“PLiCy”を運営する浮田建設(岡山県津山市)は、Nintendo Switch用ソフト『Buddy Collection if -宿命の赤い糸-』(開発・なるとりっく)でコンシューマパブリッシング事業に参入することを発表した。

フリーゲーム・インディーゲームの可能性さらに広げる実験的な試み

 PC用ブラウザやスマートフォンで遊べる自作フリーゲームの公開・共有プラットフォームとして、2013年からサービスを開始している“PLiCy(プリシー)”。Unity、HSP3、『RPGツクールMV』といった多くのエンジンツールで製作したゲームの投稿に対応しているだけでなく、2Dアクションゲーム、ノベルゲーム、3DRPGをブラウザ上で作成できる独自のゲーム製作ツールの無償提供や、賞品が授与されるゲームコンテストの実施など、ゲーム製作の支援・活性化をさまざまな形で行っている。

 そんなPLiCyがコンシューマゲームのパブリッシング事業への参入を表明。第1弾ソフトとしてNintendo Switch用ソフト『Buddy Collection if -宿命の赤い糸-』を2018年春にリリースすることをあわせて発表した。

 同作は、“第3回PLiCyゲームコンテスト”(2016年)にてライター部門金賞を受賞した推理ノベルゲーム『Buddy Collection』のシナリオに、新エピソードを大幅に追加したもの。オリジナル版をすでにプレイしたユーザーだけでなく、女性向けゲーム初心者にも楽しめる内容・構成となっている。

 今後のパブリッシングタイトルや対応コンシューマプラットフォームに関して、PLiCyの運営を担当する浮田匡俊氏(浮田建設取締役)は、「『Buddy Collection if -宿命の赤い糸-』リリース後の推移を見て判断します」とコメントした。とはいえ“個人・小規模チーム製作のブラウザ(HTML5)ゲームのコンシューマソフト化”は大きな可能性を秘めているだけに、同サービスの今後の動向に注目していきたい。

『Buddy Collection if -宿命の赤い糸-』

 『Buddy Collection if -宿命の赤い糸-』は、シナリオ、グラフィック、プログラムの3人構成のゲーム制作サークル“なるとりっく”が開発した、女性向け推理ノベルゲーム。

 内容は、同サークルが全5エピソード完結の連載型PC用ゲーム(フリーゲーム)として制作中の『Buddy Collection』シリーズ(※現在エピソード2まで公開中)のエピソード1に、テキスト約10万字に及ぶ新規シナリオを追加した“豪華仕様版”となっている。

 オリジナルPC版の開発環境は、HTML5で動作するオープンソースのノベルゲーム制作エンジン“ティラノスクリプト”。コンシューマソフト化にあたり、Nintendo Switchのインターフェイス(Joy-Con、タッチスクリーン)による操作への対応と、Nintendo Switch用ブラウザで正しくかつ快適に動作させるための、独自のカスタマイズがほどこされている。

ストーリー

 明鐘高校の“探偵科”の生徒である凪沙(主人公)は、とある捜査の最中に、それまでの記憶と、探偵科で定められたバディ(相棒)を失ってしまう。優秀な人材が揃った“特Aクラス”から、誰ともバディを組めない問題児揃いの“Eクラス”に編入された凪沙は、合宿期間中に、3人のクラスメート・戌亥信吾、九条悠、瀧翔太の中から新たなバディを選ぶことになるが、そこで“事件”が起こった──。

PC版(エピソード1)との違い

(1)事件発生後のシナリオが、3人のキャラクターごとに分岐するようになった

 もともとはひとつのエピソードごとにひとりのキャラクターにスポットを当てたストーリーが展開するシリーズ構成だった『Buddy Collection』。エピソード1は戌亥信吾メインのストーリーだったが、コンシューマ版では、プレイヤーの選択によって、事件発生後のシナリオが分岐するようになっている。分岐によって事件の真相自体は大きく変わらないが、 PC版でもまだ描かれていない部分を含んだ、各キャラの“意外な一面”が見られる。

(2)特Aクラスの生徒とバディを組む“特別シナリオ”の追加

 本作のシナリオは、誤った選択をすると凪沙が殺されるなどの凄惨な結末を迎える、一本道構成となっている。そして、いずれかのキャラのルートでHAPPYENDに到達すると“特別シナリオ”が解放される。特別シナリオでは、特Aクラスの生徒たち坂城美貴や七見隼人と人狼ゲーム風の模擬演習を楽しめる。

(3)CASE(チャプター)ごとのオートセーブに対応

 本作では、新たなCASE(チャプター)に到達するごとに、ゲーム進行がオートセーブされる。数多くのバッドエンドが用意されている本作にとっては大いに役立つ機能と言えるだろう。

『Buddy Collection if -宿命の赤い糸』

■プラットフォーム:Nintendo Switch ※ダウンロード専売
■配信元:PLiCy
■配信日:2018年春予定
■価格:800円[税抜]
■年齢区分:CERO B