ゲームオンがサービス中のPC用MMORPG『BLESS』は、重厚な物語が秘められた広大なファンタジー世界を舞台に、冒険やPvP、ペットテイミングといった多彩なコンテンツが楽しめる正統派タイトル。

 2017年11月の正式サービス開始から約5ヵ月が経過し、2018年3月14日に大型アップデート“南海の戦場”が配信。15vs15のPvPや最大5人で挑戦する新ダンジョンなど、多くのコンテンツが追加されたホットな現況だが、同時にいくつかの不具合や問題点により、ユーザーから少なくない不満が挙がっていることも事実だ。

 今回はそんな状況にある『BLESS』がどう変わっていくのか、日本運営プロデューサーの箕川学氏と、運営チームの中村直樹氏にお話をうかがった。

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日本運営プロデューサーの箕川学氏(左)と、運営チームの中村直樹氏(右)。

まだまだ未完成の『BLESS』を変えていく

 まずは、箕川氏にこれまでの『BLESS』を振り返ってもらった。

箕川氏 2017年11月のサービス開始から現在にいたるまで、理想としていることがほとんどできなかったというのが正直な感想です。一部の不具合解消は結果的にユーザーにとって下方修正となってしまったこともあり、先日実施したユーザーアンケートも満足度の低い結果となりました。
 すべてを劇的に改善することは難しいですが、少しずつでも遊びやすい環境を整えていけるよう、開発元のNeowizと調整に尽力していきます。

 具体的なユーザーからの改善要望や対応については、以下の項目が挙げられた。明確なスケジュールはお伝えできないものの、開発元と調整しだい順次実装していくとのことだ。

・金策の追加
コンテンツで得られる報酬を引き上げるほか、継続的に新しい金策手段を用意してゲーム内経済を活性化させる。

・カーストラ攻防戦
陣営の人数差が多いと参加できなくなる仕様については、事前入場を促進する仕組みの導入に向けて動いている。引き分けが多いルールバランスの変更については、修正の方向性は定まっているが、実装時期は検討中とのこと。

戦闘
一部単調になってしまう戦闘は、モンスターのAI変更を含めてよりダイナミックさが味わえるものへ変えていく。緊張感とテンポのバランスも重視していきたい。

ランダムダンジョン機能
パーティーを自動編成するランダムダンジョン機能は、タンクなどのロールが不足してマッチングに時間がかかる問題に対して、参加者のロールを事前確認できるパーティーマッチングのシステムを提案中。実現すれば、足りないロールをユーザーが把握して申請キャラクターを変更することで、パーティー成立を早められるだろう。

製作
不具合修正のための製作数の低下で実質下方修正となった各種製作は、ゲームバランスを維持しつつ製作個数を増やせないか協議中。

ワイバーン
利用に慣れてくると移動時間の長さに退屈を覚えるとの意見があったため、街と街の間を移動する際のスピードアップを計画中。

そのほか
ゲームデータの最適化や不具合修正。

 また、ユーザーからの要望が多いアカウント共有倉庫についても言及。開発自体は可能であるとのことだが、実装までの作業手順が非常に多いため、どうしても先送りになってしまうそうだ。優先度の高い修正項目として開発元と協議しているようなので、気長に実装を待とう。

 ちなみに、現在ゲーム内で最も活気のあるコンテンツは、指定のモンスターをほかのプレイヤーといっしょに討伐する“戦歴の誇り”で、運営チームも想定外の反響があったとのこと。報酬の獲得効率のよさや、同地域にプレイヤーが集結することで偶発的に発生する陣営間のPvPなども人気の要因となっているようだ。

 戦歴の誇りに関してはいまのところアップデートの予定はないが、討伐段階や対象モンスターの追加はいずれ行いたいとのこと。開発元にも、絶対に下方修正をしてほしくないと要望しているそうだ。

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クオリティアップを重視する2018年

 今後の運営方針についてうかがったところ、新規コンテンツの実装と同時に、振り返りで挙がったような既存の問題点を解決することに力を入れていきたいとコメント。メジャーアップデートの頻度も上げ、数ヵ月に1回の現状よりもっと早いスパンで提供していきたいとのことだ。

 また、2018年の開発展望として、以下のようなコンテンツが語られた。

・要望が多いハウジングは現在計画中。『BLESS』の世界観に合い、特色を出したものにしたい。

空を活かしたコンテンツ(たとえば空に浮かんだ島を舞台にしたようなもの)の追加。海上もコンテンツに利用できないか考えている(海中のグラフィックなども作られており、アクセス自体は可能なので)。

・レベルキャップの開放。

戦争系のPvPコンテンツの追加。今後もPvPコンテンツはゲームの軸のひとつにしていきたい。

新クラス、新種族の追加。まずは自然の力を借りてパーティーのバフや回復、敵への攻撃やデバフもこなすヒーラー“ミスティック(仮称)”が実装予定。アクションのスクリーンショットも公開されたが、こちらは先に挙げた戦闘の調整によって変更の可能性もあるとのこと。

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・ダンジョンの追加。予定されているダンジョンのひとつとして、マッドサイエンティスト風のマスクやキメラのような巨大モンスターが確認できるスクリーンショットも公開された。

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・ゲーム内イベントやオフラインイベント、配信も企画中。また、GMとしてゲーム内に入ってユーザーの生の声も聞いていきたい。ユーザーとの交流場所のひとつにしていた箕川氏の個人Twitterも忙しさのため余裕がなく、今年に入ってからは更新できない状況だったが、少しずつ復活したい。

 「コンテンツはただ実装するだけではなく、しっかり楽しめる内容が伴わなければ意味がない。ですので、日夜開発元とは熱いディスカッションを交わしています。」と箕川氏は語る。

 ペットコンテンツのひとつであるミニオンがその一例で、もっと早い段階で実装予定だったものの、コンテンツの完成度や楽しさを追求したため、一時的に断念。現在は運営チームの要望を開発元に改めて汲んでもらい、新たなコンテンツとして再始動しているようだ。

 また、アバターなどのアイテムもこれまで通り追加が予定されている。3月14日に実装された“機工都市の技師アバター”など、ユーザーからもらった意見を反映して実装したものも多く、これからも不具合報告だけではなく、「こんなものがほしい!」というユーザーの意見はどんどんいただきたいとのことだ。

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 ここで取材に同席したファミ通.comのミス・ユースケが「100人でバトルロイヤルするPvPとかどうですか?」と箕川氏に提案。本人としては場を和ませる冗談のつもりだったようだが、「お、いいですね! 最初は空からフィールドに降りて、宝箱から装備を集めて、みたいな(笑)。首都をインスタンスエリアにしてやってみるのはかなりおもしろいかも……。開発元に提案してみます!」と意外に好感触な反応が返ってきた。類似のコンテンツが実装された暁にはこっそり自慢したいところである。

 最後に、箕川氏よりユーザーへコメントをいただいた。

箕川氏 僕たちは日本の運営チームである以上、不具合修正や新紺鉄の実装は開発元の方針やリソースを考慮しなければならない点はどうしてもあるのですが、それを皆様への言い訳にするつもりはまったくありません。そこを協議して、いかにユーザーの意見を精査して伝えるかが僕らの役目だと思っています。
 運営、開発、ユーザーの三位一体となって『BLESS』を作り上げたいという想いはβテストの頃からずっと変わっていませんので、これからもよろしくお願いいたします!