皆さん『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズはご存知でしょうか?
主人公は、最強で最凶のスパルタ兵であるクレイトス。戦神アレスに魂を差しだし、神にも劣らない強力な力を得るものの、それはアレスの罠だった。力と引き換えにアレスに呪いをかけられたクレイトスは、怒りと狂気に満ち、わが手で妻と娘を殺めてしまうことに――。そんなギリシャ神話の神々に対して、恨みの復讐を果たす物語。
目の前に立ちはだかるものは、巨人であろうが神であろうが、容赦なくブッ○していくクレイトス。そんな巨大な敵との戦いや、派手で痛快なアクションが、世界中で話題になり、2013年に発売された『ゴッド・オブ・ウォー:アセンション』まで、6作品も発売された大人気アクションゲームシリーズです。物語の最終章『ゴッド・オブ・ウォーIII』では、全能神ゼウスにまで復讐を果たしたが、生死不明の状態になってしまったクレイトス……。そんなヤツが息子を連れて帰ってきた!! 今回は、ひと足先にデモ版を遊んできたので、序盤の見どころをお伝えします!
ひと言で伝えると、「いままでの『ゴッド・オブ・ウォー』とはひと味もふた味も違う!」。ストーリーの描写も、バトルのシステムも、視点もいままでとは異なります。でも、味は違えど楽しいことには変わりなし。クレイトスが息子と冒険することや、システムの変更に驚いた方もいらっしゃると思いますが、アクションは骨太でやり応えがあり、グラフィックの向上や、ワンカットで構成されたスムーズな演出などで、ストーリーにもドンドン入り込めるので、従来の作品とはまた別の視点で楽しめると思います。
まず、自分がいちばんに注目したのはバトル部分。前作までは、自分は爽快感を求めてプレイしていました。現実での悩みやストレスを、クレイトスがぶっ飛ばしてくれるのです! 巨人に挑むのも楽しかったし、ブレイズ・オブ・カオス(※)で四方八方から来る敵をなぎ倒していくのも爽快でした。
※前作までクレイトスが愛用していた武器。アレスとの誓いの際に、受け取った双剣。鎖につながった剣をブンブンと振り回し、敵をなぎ倒していけるのが特徴のひとつ。
本作のプレイ感はどちらかというと、敵の特性を見ながら、攻撃や回避の駆け引きを重視して戦う感じ。序盤では強い敵だけではなく、雑魚の敵も1体ずつ倒していくのが重要だと感じました。前作までも、もちろんガードや回避は必要でしたが、その重要度がよりアップ(これは序盤の話で、この後の冒険では、本作から追加されたスキルシステムなどで、自分好みのスタイルに変えられるのだと思いますが)。感覚だけではカンタンに敵を倒せませんが、自分で戦略を考え、それがしっかりと攻略につながる感覚は気持ちいい!
物語の序盤からかなり手強い“謎の男”という敵が出てきます。スピードが速く、気を抜いているとすぐ倒されてしまうのですが、敵の技のパターンは決まっているので、よく見て対策を考えれば、大丈夫。盾をうまく使い、カウンターを突く。また、盾だけでは防げない攻撃もあるので、回避からの反撃も重要。ガチャガチャとボタンを押しているだけでは倒せません。この、戦った“謎の男”は北欧神話の神“オーディン”が送り出した刺客だとのこと。今後、北欧神話の神とのバトルもできるのか、それとも味方になってくれるのか……。わくわくしますね!
物語を進めると、トロール族との戦いにも発展。ここの戦いでは“謎の男”戦とは違い、息子であるアトレウスもいます。自身で攻撃をしながらも、アトレウスに指示を出すことも重要。アトレウスが攻撃をすることで、敵の視線がアトレウスに向き、クレイトスが自由に動けるようにもなります。敵の大技は痛いですが、必ずヌケ道はあります。たとえばこのトロール、片腕に大きな岩を担いでおり、これを使う攻撃が非常に痛い。でも、大技の前にはモーションがあるので、たとえば大岩を使うモーションがでたら、腕に武器のリヴァイアサンを投げれば、攻撃は中断されます。また、技を避けつつ近接攻撃をくり返すのもアリですが、遠方から斧をチクチク投げ続けるのも、ひとつの手段。人によって戦法が大きく変わるのも本作の魅力のひとつだと思います。
本作から大きく変わった見どころのふたつめ、それはやはり息子アトレウスとの冒険! クレイトスは復讐の過去を捨て、新たに北欧の地で妻をめとり、息子をもうけていました。しかし、突然の死によって妻を失ってしまいます。「いちばん高い山の頂から遺灰を撒いてほしい」という妻の遺言を守るために、息子と旅に出ることに。
復讐の血にまみれた過去があるクレイトスは、そのことに引け目があって息子とは距離を取っており、最初はふたりの関係はとてもぎこちないのです。見ているこっちがドギマギしちゃう。遺灰を撒くために山を登る中、必要なのは狩りのスキル。それを教えるため、アトレウスに試しにシカを射させるクレイトス。しかし、アトレウスは焦ってなかなかうまくいきません。慣れない狩りなので仕方ないのですが、クレイトスは「焦るな」、「もういい」などと弓を取り上げます。拗ねるアトレウスに、「もう帰るぞ」というクレイトス。なかなか距離がつかめない模様。
でも、いままでのクレイトスとは違い、息子に対して歩み寄ろうという人間らしい姿勢が垣間見えます。息子の背に手を添えようとして、添えられずに、厳しく前を向かせるところなどに、もどかしくも奮闘する、父親らしさを感じちゃう……! そんなクレイトスの人間的成長につれて、アトレウスも素直に、勇敢になっていきます
そんな中、家に訪ねてくる“謎の男”。どうやら、クレイトスの過去を知っているみたい。クレイトスはアトレウスに地下に隠れるように命令。アトレウスの存在を知られないようひとりで会いに行きます。
そして“謎の男”との戦闘後、このまま家にはいられないとすぐさま旅に出ることに。再度息子へ狩りを教えるクレイトスですが、今度は焦って怒ることなく、しっかりと息子へコツを伝えます。そんなクレイトスの態度の変化から、アトレウスも学び、きちんと矢を射ることができるように。物語はまだ序盤ですが、ふたりの歩み寄りが十分に感じられるシーンでした。今後もふたりの間には驚きの展開が待っているとのことで、どうなっていくのかとても楽しみ!
ふたりのやりとりには微笑ましいものもあります。崖などを登る時にクレイトスがアトレウスをおんぶして運ぶときには思わず「ふふっ」と笑ってしまいます。また、カギが掛かっている宝箱を開けようとするクレイトスに、アトレウスが「まだ開けられないみたいだねっ」と煽り(?)を入れ、クレイトスが「うるさい」というやりとりには、「この子、怖いもの知らずで恐るべし……!」と感じました……相手はあのクレイトスさんだよ! ほかにも、アトレウスが「こっちだよ!」って道案内をしてくれたり、おなじみの謎解き(パズル)や戦闘ではヒントをくれたり、さすがクレイトスの血を引く息子、かなり頼もしい。
宝の地図や工芸品と言ったワクワクするような収集要素もあるようで、それらや、サイドミッション(困っている人を見たアトレウスが勝手に受けてきて、クレイトスがいやいやながらも付き合う……のだそう)を含めると本作のボリュームは25~35時間くらいとのこと。ちなみにフィールドには、亀裂が入っている壁など、気になるスポットが用意されており、そういったところは全部進めるようになっているそうな。探索要素も多そうで、楽しみ!
また、本作をプレイして驚いたことのひとつに、ワンカットでの進行があります。戦闘シーンやムービーがつながっている演出は、ほかのタイトルでも多いとは思うのですが、そのクオリティーの高さに驚きました。ムービーとプレイシーンの見分けが本当につかない。ムービーシーンにも関わらず、スティック操作を続けていたり……(笑)。でも、急にムービーからプレイシーンに変わった! と焦ってプレイしなければならないような場面は少なく、非常に快適に物語に入り込めました。この作り方にもこだわりがあるようで、今後、さらにその魅力を追っていければいいなと思っています。
従来の作品と、プレイ感は違えど、見どころも魅力も技術もたっぷり詰まった本作。いままでのシリーズのファンは、クレイトスの新たな旅立ちとして、新鮮な気持ちで楽しめると思います。また、いままで遊んだことのない方も、物語の舞台などが一新されて本作から始めやすくなっていますので、この機会にぜひ『ゴッド・オブ・ウォー』の世界に足を踏み込んではいかがでしょうか?
ちなみに、同日に『ゴッド・オブ・ウォー』コミュニティーマネージャーのアーロン・カウフマン氏にインタビューを実施しました。気になるアレやコレを聞いてきましたので、ぜひご覧いただけたらうれしいです!
新生『ゴッド・オブ・ウォー』クリエイターインタビュー 復讐だけじゃない、新たなクレイトスに注目!