東京オリンピック・パラリンピックのマスコットデザインは、2017年8月に公募を開始。2週間の募集期間中に集まった2042作品の中から、8度のマスコット審査会による検討を経て、最終候補として“ア”案、“イ”案、“ウ”案の3作品に絞り込まれていた。

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最終候補に絞られた3作品。各作品は、オリピックとパラリンピックのマスコットのペアとなっている。

 この3作品から採用されるマスコットを決定するのは、なんと日本の未来を担う小学生たち。全国の小学校でクラス単位の投票が行われ、対象となった約2万1000校のうち、1万6000校以上の約20万学級が参加する結果となった。なお、ここまでの規模の小学生投票によってオリンピックのマスコットデザインを選ぶというのは、オリンピック史上初の試みとなる。

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採用マスコットの発表を、それぞれが応援するマスコットが描かれたうちわを手に、いまかいまかと待つ小学生たち。

 いよいよ開会。東京2020組織委員会会長を務める森喜朗元首相は、開会のスピーチで小学生たちに向け、今回の試みの意義を語った。その後、壇上にはマスコット審査会の座長を務める文化庁長官の宮田亮平氏と、副座長のファッション・ジャーナリストでアートプロデューサーの生駒芳子氏、そしてしょこたんこと中川翔子と児童たちが登壇。各案に寄せられた、全国の小学生の投票結果を発表した。

[2018年2月28日20時13分修正]記事初出時、森喜朗氏、中川翔子さんのお名前の表記に誤りがあったため、修正いたしました。読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びしたします。

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東京2020組織委員会会長を務める森喜朗元首相は、開会のスピーチで小学生たちに向けてこの試みの意義を語った。その後、壇上にはマスコット審査会の座長を務める文化庁長官の宮田亮平氏と、副座長のファッション・ジャーナリストでアートプロデューサーの生駒芳子氏、しょこたんこと中川翔子と児童たちが登壇。各案に寄せられた、全国の小学生の投票結果を発表!

 数あるマスコットデザインのうち、栄えある採用作品となったのは“ア”案。発表された瞬間には、会場内の児童たちから大きな歓声があがった。このデザインを手掛けたキャラクターデザイナーの谷口亮氏は「頭の中が真っ白。大好きな奥さんに知らせたい」と、やや興奮気味にコメント。各作品の獲得票数は、“ア”案が10万9041票、“イ”案が6万1423票、“ウ”案が3万5291票。ア案が過半数を超える投票を獲得する結果に。

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こちらがマスコットに選ばれた“ア”案のデザイン。大会エンブレムでも使用されている市松模様があしらわれている。
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採用マスコットのデザインを手掛けた谷口亮氏も登壇。賞状の授与が行われた。

 発表会後に行われた記者会見では、マスコット審査会のメンバーが登壇。発表を受けての感想や、今後の展開が語られた。

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左から東京2020組織委員会スポークスパーソン(司会)の高谷正哲氏、組織委員会副事務総長の古宮正章氏、審査会メンバーで白泉社の代表取締役社長の鳥嶋和彦氏、採用デザインを手がけた谷口亮氏、審査会副座長でファッション・ジャーナリストの生駒芳子氏、審査会メンバーで弁護士の林いづみ氏、審査会メンバーでレベルファイブの代表取締役社長の日野晃博氏、そして審査会メンバーで慶応義塾大学大学院で特別教授を務める夏野剛氏。

 マスコットのネーミングは、2018年の夏の正式な発表に向けて、マスコット審査会でディスカッションを行い、決定していくという。谷口氏も名前のことは考えずにデザインを描いたらしく、「ピッタリな名前が決まればいいなと思う」と期待を寄せた。

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 審査員メンバーの中で、唯一ゲーム業界からの参加となるレベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏は「キャラクターはただの絵ではなく、人を元気づけられるものだと思っている。谷口さんが作ったキャラクターが、オリンピックという大きな舞台でたくさんの人を元気づける存在になってほしい」と述べた。また、数々の人気マンガなどを世に送り出してきた、白泉社の代表取締役社長の鳥嶋和彦氏も「結果発表を待つ子どもたちの姿を見て、改めてこのデザインに自信を持った」と語った。

 組織委員会副事務総長の古宮正章氏によると、今回採用されたマスコットは、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまな場面で活用されるという。またマスコット審査会は今後、採用マスコットの正式なネーミング決定のため、夏の正式なお披露目発表に向けて、さらなる審査会を実施する予定だとのこと。1998年に開催された長野オリンピック以来の国内開催を盛り上げるためにも、全国の子どもたちの声で採用されたマスコットの、今後の活躍に期待したい。

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