“創壊共闘”をキャッチフレーズに展開してきた『ガンダムブレイカー』シリーズ。その4作目となる『New ガンダムブレイカー』発表を受け、本作の開発者に直撃インタビュー! プロデューサーの薄井宏太郎氏とディレクターの福川大輔氏は、第1作から開発に携わってきた『ガンダムブレイカー』制作チームの中核とも言える人物。登場するごとに進化を続けてきたシリーズだが、本作はどんな姿で我々の目の前に現れるのか? タイトルの“New”に込められた意味とは? その全貌に迫るべく、両者に限界まで質問をぶつけてみたぞ。

薄井宏太郎(うすいこうたろう)

バンダイナムコエンターテインメント
『New ガンダムブレイカー』プロデューサー

福川大輔(ふくがわだいすけ)

クラフト&マイスター
『New ガンダムブレイカー』ディレクター

──本作の開発はいつごろ始まったのですか?

薄井2017年初頭からです。『ガンダムブレイカー』1作目が2013年発売で、今年で5年目ですが、5年で4作というハイペースなシリーズですね(笑)。

──『ガンダムブレイカー4』ではなく『New ガンダムブレイカー』とした意図は?

薄井じつは、『ガンダムブレイカー』はアジアでも人気があり、昨今のガンダムゲームの中ではアジアでいちばん売れているほどです。さらに今回は、欧米も含めた世界で売り出そうということも考えています。まず、そういう意味での“New”です。

福川また本作では、遊びかたがかなり変わりました。『ガンダムブレイカー』と言えば“共闘”をうたっていますが、これまではひとりプレイがメインで、そこに友だちが入ってくればいっしょに遊ぶというスタイルでした。本作も“共闘”という点は変わらないのですが、3対3のチームバトルも可能にしています。もちろん、ひとりでも遊べますが、最大6人が参加することで、バトルがより白熱する作りになっています。

薄井バトルや対戦と言うと、ほかのガンダムゲームを連想されるかもしれませんが、それらとは一線を画しています。すごく簡単に言うと、運動会のような感じ。テーマ(お題)が提示されて、そのお題に沿ったミッションをこなすことでチームにポイントが入る。そのポイント数を競うというものです。

『New ガンダムブレイカー』タイトルの“New”に込めた意味とは? プロデューサー&ディレクターインタビュー_03

──そのお題ですが、どのようなものが用意されているのでしょうか?

福川“第3勢力を◯体倒す”、“コンテナを◯個破壊する”、“巨大モビルアーマー(MA)を倒す”などがあります。

薄井単純に“相手チームを倒す”というお題もあります。それ以外のお題でも相手チームを攻撃できますが、それは相手を倒すためというより、相手の妨害をするという意味合いが強いですね。相手チームを攻撃しないで、ひたすら避けまくってミッションをこなしてもいい。

福川お題をひとつクリアーしたら、つぎのお題が提示されて……というのが基本ですが、お題がつぎつぎと提示されることも。最大で3つのお題が同時に提示されることがありますよ。役割を分担してバラバラにお題にあたるか、3人で協力してひとつのお題に集中するか、といった作戦を取れるのも醍醐味です。

──そうなると、本作はオンラインプレイの比重が大きくなるのでしょうか?

福川そんなことはないですよ。ひとりプレイ用のストーリーモードも、セリフやキャラクター数など、これまで以上のボリュームです。以前は宇宙世紀風、商店街といった世界観でしたが、今回は学園ものです。『2』のシリアスストーリーに対して『3』はソフト路線でしたが、今回もそんなイメージですね。学園に転校してきた主人公が、トラブルに巻き込まれて、ライバルたちをつぎつぎと倒していきます。

『New ガンダムブレイカー』タイトルの“New”に込めた意味とは? プロデューサー&ディレクターインタビュー_01

──3対3のチームバトル、学園もののストーリーと言えば、テレビアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』に似ていますね。

薄井人気アニメでしたし、世界観を近づけたところはあります。

──前作『3』のユーザーからは、どのようなリクエストがありましたか?

福川もっと機体を登場させてほしいという要望は当然ありましたし、いろいろとカスタマイズの幅を増やしてほしいという声も多かったです。今回はパーツごとにEXスキルが紐付いているというシステムなので、それによってパーツひとつひとつの重みが変わってくると思います。ひとつのパーツに複数のEXスキルが紐付いていることもありますが、使えるのはそのうちのひとつだけ。カスタマイズパートの“EX SKILL”の項目で、今度のミッションでは複数のEXスキルからこれを付けていこうというものを選ぶことになります。

薄井バトル中に手に入れたパーツを換装できる“リアルタイムカスタマイズバトル”がカスタマイズや遊びの幅を広げていますね。カスタマイズそのものだけではなく、たとえば相手チームに強敵がいる場合、そいつを攻撃してパーツを外し、そのパーツを換装すれば、そのパーツに備わっているEXスキルを、逆に自分が使えるようになります。つまり、相手の弱体化と自分の強化を同時に行えるわけです。自チームでも相手チームでもない、第3勢力に強敵がいる場合も同様で、相手チームより先にその強敵のパーツを手に入れられれば有利に戦えます。パーツ、EXスキルの奪い合いがすごく白熱するゲーム性になっていますね。従来の『ガンダムブレイカー』は、EXスキルを設定したらその範囲内でしか戦えなかったんですけど、本作ではバトル中にもどんどんEXスキルが変わって、バトル中にいろんなスキルが使えます。

『New ガンダムブレイカー』タイトルの“New”に込めた意味とは? プロデューサー&ディレクターインタビュー_04

──パーツを奪われたガンプラは戦えなくなってしまうのでしょうか?

福川じつは、本作では外されたパーツが自動的にもとに戻るという機能がありません。その代わり、頭、胴、腕、脚、バックパック、盾の6つのパーツと、近接武器、射撃武器のほかに“INNER FRAME”というパーツがあります。機体内の骨組みのようなパーツで、これのおかげで、脚パーツが外れたから動けなくなる、腕パーツが外れたから武器が使えなくなるといった状況にはなりません。チームバトルですので、ひとりでも戦闘不能なプレイヤーができると困るので、その救済にもなっています。

薄井手に入れたパーツはストックできるのですが、それを捨てて仲間に拾わせるとか、パーツを分け合うということも可能です。

福川前作では最後まで使わないパーツがたくさん溜まりがちだったと思います。同じパーツを複数持っているために整理がたいへんだったり、自分がどのパーツを持っているのかわからなくなるということもありました。本作では、カスタマイズパートでは自分が所持しているパーツを大事にするようにして、バトル中はまだ見ぬパーツと出会うことを楽しめるようになっています。“俺ガンプラ”の作成だけではなく、ガンプラのちょっとした変化、新しい姿が楽しめる。バトル後のカスタマイズパートでいじるだけでなく、バトルしながら変化を体感できるようにしています。

薄井出撃した“俺ガンダム”が、帰ってきたときには“別ガンダム”になっていることも(笑)。もちろん、俺ガンダムで戦いたいという人のために、パーツが外れにくくなる補強要素や、覚醒したら俺ガンダムに瞬時に戻るなど、自分の最強ガンプラを楽しむこともできます。

『New ガンダムブレイカー』タイトルの“New”に込めた意味とは? プロデューサー&ディレクターインタビュー_02

──前作までの要素で、本作に引き継がれているシステムはあるのでしょうか?

薄井形は変わりますが、ガンプラをデコレートできた“ビルダーズパーツ”は、たいへん好評でしたので、本作でも登場しますよ。

──これまでのお話を聞く限り、SDガンダムの登場は……?

薄井人気は高かったのですが……今回は入る余地がないですね。私も直撃世代ですし、どこかに入れたいと思っていますが……。

福川その代わりというわけではないのですが、新システムにはなりつつも、登場しなくなるプレイアブル機体は、基本的にはありません。インナーフレームが登場したため、“ボール”の概念は少々変わるかもしれませんね。前作までの登場機体プラス、新機体のガンプラが登場予定です。ただ、一気にすべての機体が入手できるとパーツの整理がたいへんになると思うので、機体の登場のさせかたは検討中です。

──追加ダウンロードコンテンツの配信予定はあるのでしょうか?

薄井検討はしていますが、少なくとも機体のみを有料で提供するという形はありません。『ガンダムブレイカー』といえば一度に多くのパーツが手に入りやすくなる時短アイテム“ラックブースター”があります。これをどういう形で提供するかは、いろいろ考えているところです。