『スキノスキル』ミュージックビデオ裏話も!
声優ユニットWake Up, Girls!(吉岡茉祐さん、永野愛理さん、田中美海さん、青山吉能さん、山下七海さん、奥野香耶さん、高木美佑さん/以下、WUG)のNewシングル『スキノスキル』が、2018年2月28日に発売予定。テレビアニメ『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(以下、『デスマ』)のエンディング曲として起用されている同曲は、これまでのWUGになかったケルト音楽のような曲調が新鮮な楽曲となっており、WUGの新たな一面を感じられる。
そんな同曲について、そしてカップリング曲である『SHIFT』について『デスマ』に出演している奥野香耶さん(タマ役)と永野愛理さん(ミーア役)のふたりにインタビューを敢行。MVの見どころやアニメ『デスマ』の見どころについても語ってもらった。
奥野香耶さん(おくの かや)
3月1日生まれ。岩手県出身。声優ユニット、Wake Up, Girls!のメンバー。代表作は『Wake Up, Girls!』シリーズ(菊間夏夜役)、『ハナヤマタ』(笹目ヤヤ役)、ゲーム『八月のシンデレラナイン』(天草琴音役)、『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(タマ役)など。文中は、奥野。
永野愛理さん(えいの あいり)
1月19日生まれ。宮城県出身。声優ユニット、Wake Up, Girls!のメンバー。代表作は『Wake Up, Girls!』シリーズ(林田藍里役)、ゲーム『実況パワフルプロ野球 チャンピオンシップ2017』(響乃こころ役)、ゲーム『八月のシンデレラナイン』(永井加奈子役)、『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(ミーア役)など。文中は永野。
――まずは、新曲『スキノスキル』がどんな曲なのかを教えてください。
奥野 『スキノスキル』はケルト音楽のような楽曲です。民族音楽などで使っていそうな楽器の音がしたりする、かわいい曲になっています。
永野 リズムが難しい曲ですね……。すごく難しいんですけど、聴いている人には本当に聴き応えがあるものになっていると思います。WUGにありそうでなかった曲ですね。
――新しいところですよね。
永野 これまでにも、いろいろな引き出しを開けてきたつもりだったんですけれど、まだここにもあったか、と。
――最初に聴いたときは、どんな印象でしたか?
奥野 最初はホントに「リズムどうなってるの?」って……(笑)。焦りというか、聴き込まないとダメだってすぐに思いました。私のパートが出だしのところだったのもあって、とくに「やらなきゃ!」と気を引き締めてたくさん練習しました。
――曲の聴きどころはどんなところになりますか?
永野 香耶と私は今回ひとりで歌うことがホントに多いんです。ふだんはまゆしぃ(※吉岡茉祐さんの愛称)とよっぴー(※青山吉能さんの愛称)が力強い歌声で歌うことが多くて、すごくパワーがあって、聴いた方に元気を与える曲調が多いと思うんですけど、今回は私たちふたりなのでけっこうフワッとしているというか、かわいらしい感じの出来上がりになっています。曲調も癒し系の曲だと思っていて、疲れているときに聴いてほしい曲だと思っています。
奥野 そうですね。WUGがふだん歌っていた曲より、みんなさらにやさしさ増しで歌っている印象がありましたね。元気になりたいときに聴いてほしいなと思います。
――これまでとかなり雰囲気が違いますが、かわいく歌うというのはとくに抵抗なく歌えましたか?
永野 ここのふたりはそんなに抵抗ないよね(笑)。
奥野 かわいく歌ってくれというよりは、「やさしく歌ってほしい」というディレクションだったので、すごく歌いやすかったです。じつは、『恋愛暴君』のときによっぴーがキャラクターの声で歌っていたから、最初は私もタマの声で歌うんだと思っていました。でも、みんながふつうに歌った中にひとりタマがいたら、変じゃないですか(笑)。それはそれで、ちょっとおもしろいかなとも思ったんですけど、「タマじゃなくて大丈夫です」と言われて安心しました(笑)。
永野 みんなもすごくやさしく歌っているので、ぜひ注目してほしいです。
奥野 ちなみに『スキノスキル』の歌詞だと、あいちゃんが歌っているオチサビの「一緒にいたい 癒やしていたい チカラになりたい」というところがすごく好きで。その前にひとりひとり歌っていくんですけど、そこでそれぞれの想いを歌った後に音がちょっと落ちて、あいちゃんの癒しパートになるんです。それが、個人的にすごく大好きです。
永野 うれしい。
――青山さんのサビのソロから始まって、順番に歌っていくところですよね。そのまさにトドメというか。
奥野 トドメ(笑)。
永野 ちょっと戦っている感じのあるリズムから、1回落ちる感じがすごく好きです。
奥野 いいよね。
永野 あと、カッコで括られているコーラス部分の「スキニサセル スキガサセル」といった、スキの三段活用みたいなところは、パッと聴いたときにキャッチーなんですよね。しかも、ちゃんと聴くと深い内容になっているので、ぜひ歌詞といっしょに聴いてほしいですね。
――ちなみに、歌ううえで気をつけた部分やこだわった部分は?
永野 『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』のアニメの雰囲気ももちろん投影されているんです。タイトルが仰々しくて、「デスマーチで狂想曲!?」ってビックリすると思うんですけど、アニメ自体は異世界だけど日常を楽しみつつ世界を観光するというのがテーマなので、そういう雰囲気を大事にしたいなって。やっぱりエンディングがこの曲でよかったと思ってもらいたいので、そういうところも意識してレコーディングをしました。
奥野 私は、歌声は自分として歌っていたんですけど、気持ちはすごくタマの気持ちで歌いました。ご主人様といっしょに旅をするうえで、「ご主人様の力になりたい」という想いを込めて歌ったんです。サトゥーのことを想いながら(笑)。「だって守られてるだけじゃないよ」という歌詞も、タマとして「ちゃんとがんばって役に立つぞ!」という想いを込めて歌ったりしているので、そういうところも感じ取ってもらいたいですね。
――なるほど。あと、現在MVのshort ver.が公開されていますけど、full ver.の見どころをおうかがいできれば。
Wake Up, Girls!/スキノスキル MV short.ver
永野 short ver.でも世界観がかなり伝わっていると思うんですけど、fullになると「そういうことだったのか!」というか、観ている人が主人公で、MVを通しての主人公はいち視聴者であり、ご主人様ということがわかると思います。だから、fullで観ることによってより「自分が主人公なんだ」と感じてもらえるかなと思います。
奥野 short ver.だと私と愛理がメインで出ているんですけど、fullで見るとみんなまんべんなくというか、見せ場がそれぞれにあって。今回のMVは7人のメイドというコンセプトで撮影したのですけど、それぞれキャラクターの個性が立っていておもしろいんです。
永野 ひとりひとりキャラ付けがちゃんとされているんですよね。
――個人的には、2番以降が恐ろしいほどの田中美海無双だったなという印象が……。
永野 わかるー。
奥野 確かに。「もう!」みたいな(笑)。
永野 あれ、かわいかった(笑)。
奥野 「ご主人様、そんなんじゃダメですよ!」みたいなね(笑)。
永野 「ちゃんと怒ってください!」っていう感じの。本当にひとりひとりのキャラが立っていて、おもしろいので、ぜひ観てほしいですね。
――とくに印象的だったところはありますか?
永野 私は、まゆしぃとよっぴーが料理をしているシーンですね。あのシーンを私たちはぜんぜん見られていなくて、何をやっていたのかすごく気になっていたんです。ふたりが料理をするというのは知っていたのですが、出来上がった映像を観たらニンジンが……(笑)。
奥野 ザックザクで、たいへんなことになっていたよね(笑)。
永野 ふたりとも「これじゃダメだな……」ってなっているところが、本人たちのことも感じさせていて、設定としてすごくおもしろいです。ふたりのことを知っている人なら納得できるだろうし、知らない人が観ても「かわいい!」ってなると思うんですよね。だから、私はまゆしぃとよっぴーのシーンがけっこう好きです。
――このふたりならこうなるよね、みたいな(笑)。
永野 知っている人なら、「だよね!」ってなりますからね。
奥野 私はそれぞれソファに座って、空中を眺めながらうっとりしている画があるんですけど、そこが好きですね。そのシーンの撮影のときは、じつはみんな、自分が好きなキャラクターを思い浮かべて語っているんです。
永野 みんな、ちゃんとしゃべっているんだよね。
――まさか、そんなシーンだったとは……(笑)。
奥野 「あのキャラクターが好きなんだー?」とか。
永野 「こういうところが好きで……」っていうのを話し合っているんです。
奥野 だから、本気のうっとり顔なんです(笑)。楽しそうだったな、みんな。
永野 ね(笑)。ひとりひとり「奥野さん撮影します」、「永野さん撮影します」という感じで、ひとりずつ撮影をしていったんですけれど、そのときにみんな好きなキャラクターのことをしゃべっていって、どんどん盛り上がっていきましたね。
奥野 そういえば、まゆしぃだけ「ひみつ」って言っていて。みんなで「なんだよー! 言えよ〜!」みたいな感じになっていたんですよ(笑)。
永野 言ってたね。
奥野 まゆしぃだけは言いたくないっていう顔をしていたので……。
永野 それがまたかわいかったです。
奥野 オススメです。
――(笑)。永野さんは及川さん(※)ですか?
※『ハイキュー!!』の登場キャラクター、及川徹。
永野 もちろんです。
――即答(笑)。奥野さんは?
奥野 私は『ダイヤのA』の小湊亮介がすごく好きなので、その話をしています(笑)。
――この情報を知ったうえで見ると、また違った印象を受けそうですね(笑)。衣装はどうでしたか? すごくかわいいですよね。
永野 衣装って曲の印象になるものだと思っているんですけど、パッと見でどういう曲かがすごくわかるんですよね。よく、曲がキャッチーだという言われかたをすると思うんですが、今回は衣装がすごくキャッチーだなって。1回見たら忘れないし、衣装を見ただけで曲が浮かんでくるような素敵な衣装だなと思います。
奥野 WUGで赤が使われている衣装って初めてですよね? I-1clubとかにはあったんですけど、WUGだと初めてだなって。個人的には赤が好きなので、うれしかったです。
――確かに。CDのジャケットでも、同じ衣装をキャラクターが着ていたりしますね。
永野 かわいい、これ。
奥野 うん、めっちゃかわいい! まさかキャラクターが着てくれるとは思っていなかったので、すごくうれしかったです。
永野 想像を超えてきた感がありますね。
――ダンスも特徴的ですよね。スカートをひらひらさせるところがあったり。
永野 「うまくできるかな?」って、みんな不安だったんですけど、やってみるとかわいいし、衣装もそういう感じだったのでけっこう使いやすかったというか……。
――練習するときは、自分のスカートで練習したんですか?
永野 空気ですね。空気をつかんで(笑)。
――エアスカートだったんですね(笑)。
永野 ダンスの先生はスカートを用意して教えてくれるんですけど、私たちは初めてだったので最初はエアで練習して、実際に衣装を着た状態で練習をした後にMVを撮りました。
――ちなみに今回のダンスは、難しいんですか?
永野 けっこう難しいかもしれないです。ほかの曲に比べて早いとか、そういう曲ではないんですけど……。
奥野 確かに。いままでになかったような足のステップがリズムに合わせてあるんです。ダンスで三連符みたいな……。
永野 そうそう!
奥野 でも、すごく楽しいダンスですね。跳ねているような振りもあって、楽しく踊っています。
――なるほど。おふたりは『デスマ』にもご出演されていますが、それぞれ演じているキャラクターについて教えてください。
奥野 私が演じているのはタマという猫耳の女の子です。この子はもともと奴隷だったところをサトゥーに助けられて、新しいご主人様になったサトゥーといっしょに旅をしていくんです。タマは、すごくマイペースで元気で……元気だけど……。
永野 ポチ(※)とは違う元気さだよね。
※タマとともにサトゥーに助けられた奴隷のひとり。河野ひよりさんが演じる。
奥野 そう。なんかひとりちょっとズレているみたいな感じのマイペースさを持っていて、でもそれがすごく心地よかったりするんですよ。そういうところが、ホントにかわいいです(笑)。
――演じるうえで気を付けているところはありますか?
奥野 1度、「タマだけは顔とセリフと声が全部違っていていい」というディレクションを受けたんです。「顔はニコッと笑っているけど、別に笑っている感じにしなくていいよ」みたいな。「画面から声だけハズしているくらいの意識でお願いします」と言われたことがあって、私は最初、画に合わせようと一生懸命やっていたんですけど、だんだんタマはそうじゃないんだとわかってきて。その切り離しの部分で最初はちょっと苦労していたんですけど、いまはすごくしっくりいくようになったと思います。
――なるほど。永野さんはいかがですか?
永野 自分はミーアという役を演じています。ミーアは、ほかの女の子たちと比べると、あまりしゃべったり感情を出したりすることがないんです。みんなが喜んでいるときもボーッと立っていたりする子で。一見静かな女の子で、あまりしゃべらない子なのかなという印象なんですけど、心の中ではひとつひとつのことに対して反応していて、じつは感情がすごく動いていて、急に怒りだしたりとか「そこは気になるんだ」みたいなところがけっこうあるんです。また、タマとは違って自分の中に世界があって、マイペースな女の子なのかなと思います。かわいいです。
――ふたりとも必ず最後にかわいいって(笑)。
奥野 かわいいんです(笑)。
永野 『デスマ』に出てくる女の子たちはひとりひとり魅力的で、女の子がたくさん出てくるので個性の区別というのがすごく難しいと思うんですけど、ひとりひとりの個性が本当に強くて。サトゥーはもちろんなんですけど、それに負けないぐらいみんなおもしろいところがあるんです。たぶん、ひとりひとりにスポット当てていくと、また違った異世界感というのが出てくるのかなって思います。
――なるほど。ちなみに、アニメの今後の見どころも教えてください。
永野 記事が載るころは、ようやくミーアが出てきたくらいかな?
奥野 そうだね。
永野 皆さんが、「いつ出てくるのかな?」と思ってくれていたらうれしいんですけど……。ようやくミーアがサトゥーたちのパーティーに加わっていくというのが、私的には注目してほしいポイントですね。
奥野 私的には、サトゥーに注目してほしいですね。サトゥーはかわいい女の子たちに囲まれながらも、「俺はロリコンじゃない」という絶対的な信念があるから、まったく揺らがないんです。
永野 女の子として見てもらえていないんですよ。あくまで、パーティーのメンバーとしてしか(笑)。
奥野 そう。でも、これから安野希世乃さんが演じるナナという女の子が出てくるんですけど、彼女が出てきてから、これまでとは違うサトゥーが見られるので、ぜひ注目してほしいなと思います。