バンダイナムコエンターテインメントとドリコムによる共同出資会社“BXD”は、2018年2月20日にHTML5を活用したスマートフォン向けブラウザゲームプラットフォーム“enza(エンザ)”(以下、enza)の発表会を開催。発表会には、BXD代表取締役社長の手塚晃司氏、BXD取締役の内藤裕紀氏に加えて、スペシャルゲストとして、お笑いコンビ“カラテカ”の入江慎也、タレントの鈴木咲が登壇した。
本記事では、発表会の模様と同プラットフォームにて提供される『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』のプレイリポートをお届けする。
BXDは、Breakthrough X Digital Lifeを合言葉に、HTML5を中核とする技術を活用した、オンラインゲームの配信とプラットフォームの運用を行う目的で設立された会社。同社で提供するブラウザゲームと、映像、グッズ、音楽CD、ライブなど、さまざまなエンターテインメントと組み合わせることにより、これまで以上に生活に密着した身近なゲーム体験の提供を目指している。プラットフォーム名の“enza”には、多くの人が輪の形に座る“円座”という意味も込められており、「気心を知れた人たちがどんどん集まってきて、みんなで遊んでいる様子をイメージしています」と、手塚氏は想いを語った。
続いて、enzaの特徴を紹介。enzaで提供されるゲームと通常のアプリの大きな違いはインストールが不要という点。そのため、端末の空き容量を気にすることなくゲームを楽しめる。また、スマートフォンの標準ブラウザでプレイ可能なので、メールやSNSなどでURLを共有するだけですぐにゲームを開始できるのが魅力だ。さらに、SNSと連携することで会員登録をスムーズに行えるなど、まだプレイしていない人にもオススメしやすいような機能が準備されているとのこと。
ここからは、サービス開始より順次配信予定の『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』の3タイトルについて紹介が行われた。
『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』
『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』は、プレイヤーVSプレイヤーでバトルをするリアルタイム対戦カードゲーム。
プレイヤーは、1から8までの数字が書かれたカードをそれぞれ1枚ずつ入れた計8枚で、デッキを構築し、対戦を行う。対戦時には、デッキからランダムで選ばれた2枚のどちらを出すのか選択し、数字の大きなカードを出したプレイヤーが攻撃できるという仕組み。これをくり返していき、相手の体力を0にしたプレイヤーが勝利となる。
ルールは非常にシンプルだが、1度使用したカードはデッキがなくなるまで使用できず、残りのカードからつぎに相手が出してきそうなカードがある程度予想可能できるので、つねにアツい読み合いや駆け引きが行われる。また、ギニュー特戦隊を揃ることで相手に大メージを与えることができたり、条件を満たすことで数字で負けていてもカウンターが発生したりするなど、特殊な条件で発動するスキルによる逆転要素が存在するのもポイントだ。
enzaの特徴であるすぐに遊べるという要素については、二次元バーコードやURLを送信するだけで、友だちとスムーズに対戦ができるほか、招待リンクを送付することで、まだプレイしていないユーザーともインストールや登録の必要なく、すぐに対戦が可能とのこと。
そんな『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』の事前登録が、LINE@、Twitter、メールアドレスの3つの方法で開始された。事前登録キャンペーンに参加することで、“歴代のSR【孫悟空】”や豪華ゲーム内アイテムの特典も獲得することができる。また、キャンペーンページに設置された“ブッチギリガシャ”で引いたキャラクターの中から1体選択して、そのキャラクターをリリース時に手に入れることができるキャンペーンも実施中。詳細はタイトル紹介サイトをチェック!
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
2018年2月7日の“『アイドルマスター』新シリーズ制作発表会”で発表された『アイドルマスター シャイニーカラーズ』。新事務所“283(ツバサ)プロダクション”のプロデューサーとなり、所属するアイドルたちをプロデュースしてトップアイドルへと導いていくことが目的となる。
ステージに登壇した、『アイドルマスター』で総合プロデューサーの坂上陽三氏によると、同作はアイドルを育成するプロデュースパートと、育てたアイドルでオリジナルユニットを組み全国のプロデューサーと対戦するフェスパートのふたつで構成されているとのこと(ゲームの詳細は後述のプレイリポートをご確認ください)。
※『アイドルマスター シャイニーカラーズ』タイトル紹介サイト
『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』
『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』は、多彩な技能を持った選手カードを収集、育成して、日本一の球団を目指す球団育成シミュレーションゲーム。本作に登場する選手カードには、実写カードが採用されているのが大きな特徴。
試合は、自動で進行し、試合の途中に訪れるチャンスやピンチのシーンでは、監督として指示を出し、うまくいけば、各選手のスキルが発動して試合を有利に進めることができる。
モードは、1年間を通して、ペナントシーズンを疑似的に楽しめる“ペナントモード”と、フレンドになったユーザーどうしでリーグ戦が楽しめる“フレンドモード”が搭載予定。
※『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』タイトル紹介サイト
今回紹介された3タイトルは、enzaの初期配信タイトルとして、サービス開始時より順次配信予定とのこと。そして、最後に手塚氏が「ここでしかないゲームの体験というのが、enzaで実現したいものになっています。enzaの“en”というのは、皆さまとのご縁という意味もあります。みんなが集まるところをどんどん広げっていて、大きな大きな“円座”にしていきたいなと思っておりますので、楽しみにお待ちください」と締めくくり、発表会は終了となった。
発表会終了後の手塚氏と内藤氏のインタビューを掲載
――enzaは2018年春サービス開始予定とのことですが、具体的にどのくらいのイメージでしょうか?
内藤半袖になるより前くらいには出したいと思っています。
手塚春……ですね(笑)。
――enzaというプラットフォーム名もついに発表されてサービスも近くなりましたが、心境を聞かせてください。
内藤サービスが近づいてきたので、僕らもパツパツの状況です(笑)。安心感というより、発表もしてしまったのでがんばらないといけないなと。
手塚ネイティブのアプリなら、現在の状況からつぎに打つべき手もわかるのですが、今回はHTML5の新プラットフォームということで、何が起こるかまったくわからないんです。
――実際にサービスを開始してみないとわからないことも多いですよね。
内藤実際にアクセスしていただける人数もそうですし、電車でプレイしてみるなど、いろいろなシチューションを想定したフィールドテストを行っていたりもします。今回は、プラットフォーム、ゲーム、課金周りなど、各所も確認しなければいけないため、テストのパターンも多く、時間がかかっております。
手塚『ドラゴンボール』、『ファミスタ』、『アイドルマスター』は、どれもゲームを発売しているタイトルなので、それぞれのファンの人数などを把握したうえで、大勢の方がいらっしゃっても大丈夫なように作っていこうと思っているところです。
内藤『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』では、リアルタイム対戦が可能なのですが、実際にどのくらい対戦が行われるのかという点は、想像の域を出ないですね。
手塚あとは、ゲームをやっていないときでもチャット機能があって、それがどのくらい盛り上がるのかも読み切れないところです。
内藤チャットもいちいち読み込みを挟まずに会話ができるような仕組みにしていたり、技術的にギリギリのところまでチャレンジしています。
――オンライン系のゲームやサービスにおいては、初日にサーバーダウンといったことも少なくないのですが、正直なところ問題なくいけそうでしょうか?
内藤何かは起こるだろうとは思っています。何か起こることを前提に準備しておかないと対応できませんから。
手塚ですので、ローンチタイトルも段階を経て展開していくことにしています。
内藤様子を見つつ、順次プロモーションを組んでいく予定です。
――今回の発表会でプレイできた、『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、『プロ野球 ファミスタ マスターズ』の3タイトルは、どれもゲームの方向性がかなり違いますね。
内藤なるべく幅広い層に遊んでいただきたいので、ターゲットはそれぞれずらしました。
手塚入り口として、簡単にスタートできるように、ゲームのルールも難しくしていないです。その分、ほかのプレイヤーとの駆け引きで奥が深くなるようなゲーム性にしています。
――『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』も、数字が多きほうが勝つという単純なルールでしたが、場に捨てるとカードが効果を発揮したり、奥が深い部分もありますよね。
内藤トランプやUNOのように、遊んでいて、つい声が出てしまうという、そういうシチュエーションがあったらいいなと。
手塚開発陣で対戦企画やったらものすごく盛り上がりました(笑)。
――今後の最大の山場としては、やはりサービスインのタイミングでしょうか?
手塚&内藤そうですね。
手塚サービスイン後に学んだことをいろいろな会社さんに提供していき、enzaの輪を広げていきたいと思っております。
――デベロッパーへの説明会も行うとのことでしたが、それだけ各社から反響があったということですよね。
手塚連絡を多数いただいています。ただ、すぐにプラットフォームをオープンにして、「何でも出していいよ!」という形にはしていないです。お客様にとって新しい体験になるものを厳選してお届けしようと思っているので。
内藤様子見している部分もありますよね。
手塚プラットフォーマーは、新しいプラットフォームを提供するときに、新しい遊びかたの見本を見せると思うのですが、今回はそれが我々の役割のひとつだと思っています。
――enzaはスマホに最適化とのことですが、どのくらいの端末まで動作する予定ですか?
手塚現在チューニング中なので、確定の情報はお伝えできないのですが、2~3年前の端末であれば動くように調整しているところです。