2018年2月17日(土)、AbemaTVウルトラゲームスチャンネルにて放送されたポケモンバトル番組『P-Sports ~目指せ、ポケモンバトルマスター!~』第3回に、「ファミ通」ポケモン担当ライターの竹内白州が出演。番組が用意した4人の猛者“P-Sports四天王”とのポケモンバトルに挑戦した。本稿では、番組出演のために用意したポケモンたちについて詳しく解説する。

 2018年1月24日(水)よりAbemaTVウルトラゲームスチャンネルにて、本格的なポケモンバトルにフォーカスした番組『P-Sports ~目指せ、ポケモンバトルマスター!~』が放送を開始した。番組では、2017年11月17日(金)に発売された『ポケットモンスター』シリーズ最新作『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』を用いて、番組独自に招集された“P-Sports四天王”と各界で最強と名乗りをあげるチャレンジャーたちがポケモンバトルを行う。
 ルールは互いに1匹ずつのポケモンを場に出して戦うシングルバトル。レベル50までのポケモン(レベル50以上のポケモンは自動的にレベル50に調整される)最大6匹によるチームを用意して互いに見せ合い、その中から3匹ずつを選んでバトルを行う。

 第1回放送時の“P-Sports四天王”メンバーは、1月14日に行われた公式大会“第3回 ポケモン竜王戦”にも特別招待選手として出場して話題となったYouTuberのはじめしゃちょー氏、6000人の弟子を持つ“芸能界最強”プレイヤーでお笑いタレントのロバート・山本博氏。そして、人気・実力ともにトップクラスのゲーム実況者・ライバロリ氏、昨年の公式大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2017」(「PJCS2017」)マスターカテゴリ3位の実績を持つ実力者・喰い断氏の4人。
 チャレンジャーは四天王のうちのひとりとバトルを行い、勝利すれば次の四天王に挑戦。見事4人全員に勝利すると“P-Sportsチャンピオン”の称号と番組限定 トロフィーが贈呈され、殿堂入りとなる。第2回までに“早稲田大学ポケモンサークル最強”、“「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2016」シニアカテゴリ優勝者”など、いずれも凄腕の4人のチャレンジャーが四天王に挑んだが、未だチャンピオンは誕生していない。

 2月17日(土)に放送された第3回では、四天王のメンバーを一部入れ替え。はじめしゃちょーに代わり、“ポケモンバトル界の帝王”と呼ばれる人気実況者・もこう氏が新しく四天王に加わった。そしてチャレンジャーは、ファミ通から『ポケモン』記事担当ライターの竹内白州が参戦! 「今後の発行部数に関わる大一番」などという胃の痛くなる番組内での煽り文句にも負けず、猛者ぞろいの四天王たちと激戦をくり広げた。

 本稿では、“週刊ファミ通最強”のチャレンジャー・竹内白州こと筆者が、実際に番組で使用したポケモンたちをそれぞれ詳細に解説していく。さらに、どのような考えで6匹を選んだのか、このチームでバトルをする際に何を考えているかなど細かく書き連ねているので、番組をさらに楽しむためのエッセンスとして活用してもらえれば幸いだ。

 また、詳しい番組の内容や対戦結果に関してはこの記事ではあえて触れていない。AbemaTVには放送終了後も好きな時に番組を視聴できる見逃し視聴機能が付いており、『P-Sports ~目指せ、ポケモンバトルマスター!~』は放送後1か月間無料で観られるので、番組の内容はぜひこちらを利用してチェックしてほしい。

 以下、ポケモンバトルに関する濃いめの話が続くが、本格的なポケモンバトルについて真剣に考察した結果なのでご容赦願いたい。

今回用意してきた自慢のポケモンたち。約2週間本気で悩み続けた。

【この6匹を選んだ経緯】

 せっかく番組に出られるのであれば、何か視聴者を驚かせられるようなポケモンを使いたかった。すぐに思いついたのが、普段からよく使っているゾロアーク。そして、個人的に使ってみたいと思っていた、性格ひかえめのフェローチェだ。

 フェローチェの持つ特性ビーストブーストは、一度だけ技の威力を高めるZワザとの相性がかなりいいと感じていたので、持ち物はZクリスタルに決定。タイプ一致の技は元から強力なのだから、それ以外の技をZワザにしようと考えたところ、すぐに“ふぶき”が浮かんだ。初手の対面でカバルドンやランドロス(れいじゅうフォルム)などを1発で倒せるロマン度の高さに一目惚れし、コオリZを持たせたフェローチェが誕生。この2匹を軸に周りを考え始めた。

 四天王は皆さんお強く、シングルバトルの最高レートが1900程度の筆者が、バトル好きのあいだで言われるところの“サイクル戦術”(相手のポケモンに有利なポケモンを対面させるために交代を多用する戦術)などを用いて長期戦を仕掛けるのは分が悪いと感じた。そのため、短期決戦を狙う、いわゆる“積みサイクル(※)”の形にすることに。

※積みサイクル……先発のポケモンがサポート役となって場を整え、2匹目のポケモンが能力上昇の技を使って相手のポケモンを次々に倒していき、2匹目がやられたら、3匹目がさらに能力上昇の技を使う戦術。“りゅうのまい”など能力を上昇させる技を使うことを、俗に“積む”という。

【ポケモン紹介】
※一部インターネット上にて紹介されているポケモンの育成案を参考にしている箇所あり。

名前:ゾロアーク
性格:せっかち
特性:イリュージョン
持ち物:きあいのタスキ
技:ナイトバースト、カウンター、おきみやげ、ふいうち

 純粋に使いたかったポケモンその1。ゾロアークも“わるだくみ”を覚えるが、エースとして勝負を決め切るほどのパワーはないと判断し、味方のサポートをする型に育成した。“ステルスロック”や“あくび”などの代表的な変化技は覚えないものの、“おきみやげ”によって相手の能力を下げつつ、自らひんしになることでエースとなるポケモンに交代することができる。

 タイプ一致の攻撃技として候補に挙がるのは“ナイトバースト”と“あくのはどう”だが、相手の命中率をさげる効果が今回のコンセプトと相性が良いので“ナイトバースト”を採用。また、耐久の高くないゾロアークを行動させやすくするため、“きあいのタスキ”を持たせた。

 ゾロアークの“ナイトバースト”では十分なダメージを与えられない相手が多いこと、“きあいのタスキ”を持たせたことでシナジーが生まれたことを理由に“カウンター”を、“きあいのタスキ”でギリギリ耐えた後の先制攻撃に対抗するために“ふいうち”を採用した。

 ゾロアークより遅いポケモンには“ナイトバースト”か“カウンター”から、速いポケモンなら割り切って“おきみやげ”を使う。もちろん、「どのポケモンに化けているか」でも行動は変わってくる。

名前:ユクシー
性格:しんちょう
特性:ふゆう
持ち物:オボンのみ
技:ステルスロック、あくび、まもる、とんぼがえり

 “ステルスロック”と“あくび”を両立する優秀なサポート役。同じような役割のメジャーなポケモンとしてカバルドンなどがいるが、“とんぼがえり”を覚えることに魅力を感じてユクシーを選んだ。“まもる”は、“あくび”対策である“ボルトチェンジ”や“とんぼがえり”への対策。相手の交代を止めて眠らせたときのドヤ顔指数が高めなのでおすすめ。

 また、この枠には当初“テレキネシス”の採用を考えていた。というのも、相手にカプ・コケコやカプ・レヒレがいると、フィールドの効果でねむり状態にならないため、相手を浮かせてフィールドの効果を無効化できる(ひこうタイプや特性がふゆう、“ふうせん”を持っているなど、地面にいないポケモンはフィールドの効果を受けない)この技に注目した。

 しかし、ミストフィールドは“あくび”によるねむけ状態が発生する(次のターンの眠るタイミングで、「ミストフィールドに守られている」とメッセージが出る)のだが、エレキフィールドは“あくび”自体が無効化されてしまう。ミストフィールドのように“あくび”自体は効くのであれば、フィールドで無効化できると思って居座る相手を浮かせて眠らせることができると思ったのだが……採用は見送りとなった。

名前:フェローチェ
性格:ひかえめ
特性:ビーストブースト
持ち物:コオリZ
技:きあいだま、むしのさざめき、ふぶき、エレキネット

 使いたかったポケモンその2。今回のチームはカバルドンを“レイジングジオフリーズ”で倒したいという発想から組み始めたと言ってもいい。相手を倒すと能力が上昇する特性“ビーストブースト”によって、能力上昇の技を使う1ターンを稼ぐ必要がなく、初手にくり出されることが多いカバルドンに合わせて出しやすい。

 “レイジングジオフリーズ”はカバルドンを1発で倒せるのはもちろん、ゾロアークとユクシーが揃って苦手なカプ・コケコも、耐久を上げない一般的な育て方であれば1発で倒せる。そのほか、流行中の“とつげきチョッキ”を持たせたランドロス(れいじゅうフォルム)などの「フェローチェの“れいとうビーム”なら耐えられる」といった油断を許さず、そのまま勝負を決めてくれることも多い。

 特殊技を採用するフェローチェの場合“ちょうのまい”を覚えさせることも多い。しかし、今回はより多くの相手に有効打を持たせたかったことに加えて、元の素早さが非常に高いフェローチェは“こだわりスカーフ”を持たせたポケモンくらいにしか抜かれないので、その場合は後述するリザードンやギャラドスが“りゅうのまい”を使う隙になると判断して採用を見送った。

 “エレキネット”は主にギャラドスに対して使う。ギャラドスナイトを持っているギャラドスであっても、むし・かくとうタイプの技を半減できるひこうタイプから、逆に弱点となるあくタイプへ変わるメガシンカはまずしてこない。

“エレキネット”の威力では4倍弱点であっても耐えられるのではないか、という意見もあるだろう。しかし、ビーストブーストが発動していないフェローチェと、HP満タンかつメガシンカしていないギャラドスが初手で対面するシチュエーションの場合、相手のギャラドスは“りゅうのまい”を選択することが多く、相手の素早さを下げられる“エレキネット”なら次のターンもフェローチェが先に行動できる。実際、調整段階で十数匹のギャラドスと遭遇したが、フェローチェが負けることは1度もなかった。ビーストブーストが発動していればもちろん1発で倒せるが、初手で対面するシチュエーションであっても、非常に有効な技であると考え、採用した。

名前:ジャローダ
性格:おくびょう
特性:あまのじゃく(隠れ特性)
持ち物:エスパーZ
技:リーフストーム、めざめるパワー(ほのお)、ミラーコート、みがわり

 カプ・レヒレのほか、キノガッサの対策をしておきたかったため選ばれたポケモン。特性あまのじゃくによって、“リーフストーム”が命中90威力130で特攻2段階上昇のとんでも技に化ける。どう考えても強い。

 その分、覚える技のタイプが少ないのだが、そんな弱みを克服するのが“ミラーコート”、そしてエスパーZだ。“ミラーコート”は能動的にダメージを与える技ではないが、分類としては攻撃技なので、Zクリスタルを使用すると“マキシマムサイブレイカー”(威力100)が使える。それ自体の威力はあまり高くないものの、“リーフストーム”による特攻アップを考えれば、タイプ相性を補完する技として十分に優秀だ。

 カプ・テテフの“サイコキネシス”(サイコフィールドの威力上昇込み)を確定で耐えられるくらいには特殊耐久があるので、“ミラーコート”を狙える場面も多い。

名前:リザードン
性格:ようき
特性:もうか(メガシンカ後、かたいツメ)
持ち物:リザードナイトX
技:フレアドライブ、ドラゴンクロー、りゅうのまい、かみなりパンチ

 ユクシーの“あくび”や、ゾロアークの“おきみやげ”から繰り出して“りゅうのまい”を使う。フェアリータイプの流行やアーゴヨンを警戒してのヒードランが増えたこともあり、最初は“ドラゴンクロー”を“じしん”に変えて使っていて、そちらの使用感もかなり良かった。

 しかし、ボーマンダへの有効打がないことが致命的に思えてきたのでやはりドラゴンタイプの技は必要と感じた。威力の高い“げきりん”との選択は迷ったが、フェアリータイプの多い環境では、行動が固定されない“ドラゴンクロー”の方が使いやすいためこちらに。

 ゾロアークが化けるポケモンとして非常に優秀。そもそもメガシンカがXかYかでも悩むのに、それがさらにゾロアークかもしれないというややこしさ。……と言いつつ、ユクシーがいる時点でまぁまぁXがバレている。しかしそれすらも逆手にとり、ゾロアークで耐久力の高いポケモンを誘って消耗させられれば、メガリザードンXを止められるポケモンはいなくなる。

名前:ギャラドス
性格:ようき
特性:いかく(メガシンカ後、かたやぶり)
持ち物:ギャラドスナイト
技:たきのぼり、こおりのキバ、りゅうのまい、アイアンヘッド

 ミミッキュは誰かしら使ってくるだろうと思い、ミミッキュのばけのかわを無視して攻撃できる特性かたやぶりを持ったメガギャラドスを採用。最近流行りのミミッキュは、“りゅうのまい”を1回使ったメガギャラドスのたきのぼりを確定で耐えるように育てられているので、それでも倒せるようにアイアンヘッドを覚えさせた。

 汎用性はかなり下がるが、シングルバトルにおいて使用率1位のポケモンに対してならピンポイントの対策を用意しても損はないと思った。特性いかくによってゾロアークが化けられない(ゾロアークは特性まではコピーできないため、場に出たときに発動するタイプの特性のポケモンに化けるとすぐにゾロアークだとばれてしまう)アンチシナジーが意外と苦しく選出率は低いが、それでもミミッキュに対してはかなり強いので満足。

基本的な選出の考えかた

 基本的に、ユクシーorゾロアーク+フェローチェorジャローダ+リザードンorギャラドスの3匹となる。ゾロアークをうまく活躍させられそうならゾロアークを、そうでないならユクシーをサポート役とし、残りは相手のポケモンとの相性と、ゾロアークを選出するならゾロアークとの相性を考えて選ぶ。

【Point.1】ねむり状態を防ぐフィールドに注意!
 相手のチームにカプ・コケコ、カプ・レヒレがいる場合はゾロアークもユクシーも動きづらい。

●カプ・コケコがいる場合
 カプ・コケコは元々初手で出しやすいポケモンであり、かつゾロアーク入りのチームに対して有効な“ボルトチェンジ”を高い素早さで使えるポケモンなので、かなり出てきやすい。カプ・コケコよりも素早さの高いフェローチェを初手に合わせて“レイジングジオフリーズ”で倒しに行く。

●カプ・レヒレがいる場合
 カプ・レヒレにはジャローダが圧倒的に強いため合わせていきたいが、カプ・コケコほど初手に出てきやすいポケモンでもない。しかし、ジャローダ以外の全員に強いポケモンなのでほぼ確実に選出はされるだろう。そこで、ジャローダに化けたゾロアークから繰り出し(カプ・レヒレが初手で出てきても、ジャローダの姿を見せれば交代してくれる)、相手にダメージを与えつつ“おきみやげ”を使えば、能力が下がった場のポケモン、ジャローダに弱いカプ・レヒレ、もう1匹となる。

 このとき、相手の残りのポケモンがジャローダを止められないならジャローダから繰り出し、ジャローダを止められるポケモンが残っているなら、別のポケモンから繰り出す(カプ・レヒレ入りにメガギャラドスは厳しいので、“かみなりパンチ”で有利に戦えるメガリザードンXが好ましい)。

●どちらもいる場合
 どちらにも強いジャローダを初手に出したい。カプ・コケコに対しては“ミラーコート”から入るのが無難。ただ、デンキZを持っているカプ・コケコに“マジカルシャイン”から入られると、次のZワザで倒されてしまう可能性があることと、たまに“とんぼがえり”を使うカプ・コケコがいるので注意……といってもどうしようもないが。

【Point2】ゾロアークは警戒の薄くなる2匹目に
 例えばカプ・テテフが初手に出てきた場合、サイコフィールドの効果で威力が高まる“サイコキネシス”ではなく、“ムーンフォース”で攻撃されるケースがかなり多い程度には初手のゾロアークへの警戒度は高い。しかしこれが2匹目となるとガクッと警戒が薄くなる。

 というのも、ゾロアークは耐久の高いポケモンではないし、そもそも攻撃を受けたらイリュージョンが解けてしまう都合上、交代で出せる状況がかなり限られるポケモンなのだ。だが、そもそもこちらはコンセプト的に交代をするつもりがないので問題ない。

 上述のように初手にフェローチェやジャローダを繰り出すことはままあるので、その際に2匹目として選出すれば、まずゾロアーク読みの行動をされることはない。カプ・テテフだって“サイコキネシス”を使ってくれる。ただ、この場合化ける相手がリザードンに固定されてしまうのが難点。

みんなも一緒にバトルしようぜ!

 “積みサイクル”自体はやることが分かりやすくて初心者向けの戦術なのだが、ゾロアークを加えるだけで難しくなってしまったなぁ(苦笑)、という印象。そういうところが好きで使っているので、ゾロアーク使いとしては非常に満足なのだが、ライターとしてこれでいいのかは謎。

 番組ではかなり面白いバトルを見せられたと思うので、これを機にポケモンバトルを始めてみよう、再開しようと思ってくれる人が少しでもいてくれたら本当に嬉しい。

 『ポケットモンスター サン・ムーン』から追加されたQRレンタルチーム機能によって、これまで高く思われがちだったポケモンバトル入門の敷居は間違いなく大幅に下がった。もし少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひQRレンタルチームを利用してみてほしい。

 もちろん、ポケモンバトルは観るだけでも楽しめるエンターテインメント。“P-Sports”と銘打っているだけあって、特性などの説明がテロップで出たり、実況解説が選手の行動の意図まで汲み取って伝えてくれたりと、誰もがハイレベルな対戦を楽しめるような工夫をこらしてくれている。

 また、番組の見せ方なども回を重ねるごとに変化しており、今後ますます良い番組になっていくに違いない。『ポケモン』ファン必見のポケモンバトル番組『P-Sports ~目指せ、ポケモンバトルマスター!~』は隔週土曜日21時からAbemaTVウルトラゲームスチャンネルにて放送! 次回以降もどうぞお見逃しなく!

■番組で使用したチームをポケモングロバールリンクで公開!
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