ついに発売となったマスコン型ゲーム機『電車でGO! PLUG&PLAY』。往年の『電車でGO!』シリーズファンならば、当記事を読むまでもなく知っている(またはソッコーで買いに行く)であろうし、「電車を運転できるゲーム? ちょっと遊んでみたいかも」というライトな方には、長々と説明しても最後まで読んでもらえないかもしれないので、本商品の魅力を端的にお伝えしていきたいと思う。
本商品は、2004年にプレイステーション2で発売された『電車でGO! FINAL』をベースに、グラフィックを高解像度化・ワイド化(アスペクト比16:9)して内蔵。シリーズでおなじみのマスコン型コントローラがゲーム機本体として生まれ変わったうえに、関東&関西の人気路線(下記)を収録してシリーズ最大ボリュームを誇った『電車でGO! FINAL』が高画質・ワイド画面で遊べるのだから、そう聞いただけでシリーズファンはお財布の紐がゆるむというもの!
本作は、プレイステーション2時代のソフトをベースにしているので、各路線で登場する車両は1世代前のものが多かったりするが、山手線のE231系などはいまも現役で走っているし、運転中に見かける他の車両も、いまなお現役だったり若干懐かしかったりして、思わず見入ってしまう。また、上野東京ラインが開通する前の上野~東京間(山手線の乗務中に見ることが可能)や、高架化される前の三鷹~立川間(中央線)など、現在は見ることができない光景も収録されているので、これも本作のひとつの価値と言えるだろう。
電車の制動は、クルマの運転と比べると、加速や減速が緩やかなので、速度制限を守ったり停止位置にピタリと止めるのは若干コツが要る。筆者(川島KG)も、初代プレイステーションで発売された『電車でGO!』シリーズの第1作を遊んだ当時は高校生で、『マリオカート』は得意だったが『電車でGO!』はなかなか上達しなかった。ところが、社会人になって電車通勤をするようになり、鉄道好きが本格化し、先頭車両からの前面展望や運転士の働きぶりをよく見るようになったことが功を奏したのか、『電車でGO! PLUG&PLAY』はとくに苦労することなくコツを掴めた。
ぶっちゃけ、自分はプレイステーション2版の『電車でGO! FINAL』は遊んだことがなかったので、この上達スピードには我ながらビックリである。高校生時代は停止位置までの距離や速度計といった“数字”ばかりに目が行っていたが、実際の車両に乗って“感覚”をなんとなく掴んだ今、「これくらいのブレーキをかければ、これくらいの距離で止まるだろう」といった具合に、画面の数字に頼りすぎることなく運転できている。それだけ、本作は実車に近い(と思わせてくれるような)感覚で運転できるのだ。
たとえ減点を食らいまくって途中でゲームオーバーになっても、コンティニューすれば直前の停車駅から再開できるので、各路線を走破すること自体はさほど難しくない。また、運転乗務のほか、扉の開閉や車内アナウンスといった車掌乗務が体験できるモードや、作中に登場する電車の写真、車両モデルデータ、映像を鑑賞できるモードもある。
かつて、鉄道ファンはもちろんのこと、女子高生やサラリーマン、子どもや鉄道関係者などにも親しまれ、社会現象となった『電車でGO!』シリーズ。未プレイの人は、本商品でぜひ体験してみてほしい。