2018年1月25日~1月29日、台湾の台北世界貿易センターで行われた台北ゲームショウ2018。25~26日には、商談が中心のB2Bビジネスゾーンと、“INDIE GAME FESTA”が行われた。ここでは台湾でのインディーゲーム事情や記者の雑感を交えつつ、会場の様子をリポートしていこう。
B2Bビジネスゾーンには、27ヵ国と地域から合計279社が出展。新たなヒット作の可能性を求めて集まったバイヤーやディストリビューターとの熱のある商談・交流が行われていた。ショウ主催者である台北市コンピュータ協会(TCA)の公式発表によると、前年比の約3割増となる2361人が訪れたとのことで、賑わいも当然といったところだろう。
前述したように参加国は多数に上り、また地理的にアジアの中心に位置する台湾ということもあって、参加国は台湾以外にも、香港韓国、マレーシア、インドネシア、中国、アメリカ、イギリス、日本などとじつに多彩。変わりどころではイスラエルやマルタ共和国からの出展があり、TCA的にも力を入れていることが感じられた。
また、一般公開日となる1月27~29日にはショウ会場内にて“INDIE HOUSE”を実施。一般ユーザーが手にとって遊べるということで、B2Bゾーンとはまた違った熱気を生み出していた。
日本のインディーゲームが大挙して出展
B2Bゾーンで見かけた日本のインディーゲームの数々をドバッと紹介。いずれもインディーらしい個性派揃いで、見ているだけでも楽しさ満点(抜けがあったらゴメンナサイ!)。
『シュココーココ』(MIYAZAWORKS)
入力デバイスに押すとソープボトルを使った射撃ゲーム。横スクロールのシューティングゲームとなっており、ボトルを傾けて上下に向きを変え、ポンプを押すと弾(泡?)を発射。「いっぱい押すと怒られるものをコントローラーにしてみました」というだけに、女性や子ども受けがすごかった。
『Back in 1995』(Throw the warped code out)
1990年代の初期ポリゴンゲームのテイストを用いたホラーアクション。開発はUnityで行われ、低解像度やテクスチャの歪み、さらには高難度などをあえて再現しているあたり、作者のこだわりが強く感じられる。近日中にニンテンドーNew 3DS版がリリースとの新情報が!
『JumpGun!』(JumpGun! Project)
福島ゲームジャムで行われた「30分でゲームを作る」という企画でできあがったものをベースに、開発が進められている固定画面のパズルアクション。当てるとなんでもジャンプさせられる銃を使ってステージ中の仕掛けをクリアーしていく。自身はジャンプできないので、どうやって弾を自分に当てるかがミソ。
『弾姫 BulletPrincess』(MULTI-TASK)
ふたりで向かい合って楽しむアナログ感覚が楽しい対戦アクションゲーム。盤面上にある5つの球に強弱いずれかのショットを当てて、相手のゴールに一定数押し込むと勝利。キャラクターごとに異なる必殺技もある。2018年リリース予定。
『ねこかわいい ぼくゆうれい』(ハラペコーポレーション)
沖縄の開発会社ハラペコーポレーションが手掛ける、猫を集めるゲーム。すでに国内外でリリースされているが、台湾での売れ行きが好調とのことで今回の出展となったそう。英題は『PURRFECT SPIRITS』
『PARADE!』(ukn)
スマートフォン向けに開発中のリズムアクション(写真はPC)。動物が生み出すリズムをフリック操作で奏でていくと、どんどんプレイヤーの背後に並んで行く様子が大名行列のようで楽しい。ザコはイヌネコの小型動物だが、ボスとしてカバなどの大型動物も出現。
『空棲精神性 レゾナンス / コンフリクタ』(Reminisce)
パッと見は3Dロボットアクションだが、プレイヤーの攻撃によってリズムやメロディが奏でられていくのが楽しい。スピード感あるアクションに加えて、音楽ゲームの気持ちよさが体験できる。アンリアルエンジン4を用いて制作されており、2018年にSteam版がリリース予定だ。
『恋Fit』(ArticNet)
5年前に来日したイタリア人プログラマーのカステルヌオーヴォ・リッカルドさんらが開発を手掛けるスマートフォン向けタイトル。恋愛SLG+フィットネスゲームという変わり種。彼女と歩調を合わせていっしょにウォーキングすれば高感度アップ!?
『ステライツ -STELLIGHTS-』(COLLESTA)
プレイ画面の美しさが特徴のリズムアクション。すでに配信中のタイトルだが、各所に調整を加えたフリートゥプレイ版のリリースも予定中であるとのこと。
『BackSlash』(Skeleton Crew Studio)
すでにSteamでリリース中のドット絵を用いた和風対戦型アクションゲームで、開発者のトマ・オルソン氏がひとりで作り上げた。「台湾は日本のゲームファンと好きなものの傾向が似ていて反応がいい」と出展の感想を語ってくれた。
『マリモのパズル』(Peculia)
マリモを題材としたロハスなテイストの思考型パズルゲーム。決められた手数内でマリモを動かし、すべてのマリモを4つ繋げて消すのが目的。一筋縄ではいかない手強さ!
『NOAH : The Gunslinger Witch』(NOMANA Interactive)
かわいいキャラクターがハードな戦いをくり広げる全方位シューター。反射や貫通など能力の異なる武器を切り替えながら、自動生成マップの中を進んでいく。弾幕避け的な要素もアリ。
※『NOAH : The Gunslinger Witch』公式サイト
『Multidimensional cube puzzle』(ARC MINAMI LLC.)
いわゆるルービックキューブ形式のパズルだが、互いのキューブが連動して動くのがカギ。あちらを立てればこちらが立たずな感覚で、パズルの苦手な筆者は頭がこんがらがりそうになった。
『MONKEY WALL』(Game Attack)
京都在住のレイモンド・シミョン氏によるスマートフォン/タブレット向けのアクションパズル。走っていくおサルが壁の穴をピッタリ抜けられるよう、欠けているパネルをタッチ。ゲームが進むに連れスピードが早くなったり、壁が傾いたり!
『Cuve』(Ambllera)
ボクセル描画の縦スクロールシューティング。パワーアップアイテムを取ると自機がどんどん巨大化、ザコ的を体当たりで破壊できるようになる。途中で敵が編隊を組んで攻撃してきたりと、往年の名作シューティングゲームを思わせるテイストも。
『Escape Rooms』(ナカユビ・コーポレーション)
部屋にあるアイテムやヒントから謎を解き明かす“脱出ゲーム”を数多く手掛けるナカユビ・コーポレーションが出展。「台湾人にも脱出ゲームは浸透していて簡単な説明だけで理解して遊んでくれる」とコメント。
『Put Out The Fire(仮題)』(Pon Pon Games)
『ヒーラーは二度死ぬ』の開発で知られる同社が、次回作となる3Dダンジョン型のRPGを出展。複数の冒険者でパーティーを編成し、魔物が住み着くダンジョンへと潜っていく。灯りや高さの概念を利用した謎解き要素も。
『Break Arts II』(PLAYISM)
HDグラフィックで描かれたロボットを操縦し、コースを高速で疾走するレースゲーム。ほかのロボットとのコース上でのバトルや、パーツを組み合わせてのカスタマイズ要素なども。
『GREEN』(Studio Green)
レトロなドット絵グラフィックが印象的なパズルアクション。放物線を描いて飛ぶショットはボタンを離した場所で足場となるので、それをうまく使ってゴールを目指す。シンプルなれどテンポのいい遊びにテンションが上がる。
『Million Onion Hotel』(Onion Games)
5×5マスのマス目に出現するオニオンを、モグラ叩きの要領で引っこ抜いていくパズルゲーム。引き抜きかたで発生するビンゴを繋げていくことで高得点を狙う思考型の要素も併せ持つ。開発は『moon』の木村祥朗氏。