2018年1月21日、東京・大崎ブライトコアホールにてセガ・インタラクティブのアーケードカードゲーム、『WORLD CLUB Champion Football 2016-2017』(以下、『WCCF16-17』)の全国大会、”WCCF CUP WINNER’S CUP The 12th"全国決勝大会が行なわれた。ここではその模様をお届けする。

戦術の変化でDFの活躍が際立つ大会に!?

 本大会は今年でシリーズ16周年目を迎える『WCCF』のユーザーにとってはおなじみの全国大会。昨年秋ごろからスタートした店舗予選、エリア大会を勝ち抜いた30名の監督(プレイヤー)と当日予選を勝ち抜いた1名、そして前年大会の優勝者、ランボー監督を加えた計32名が、全国の頂点を目指して戦った。

”WCCF CUP WINNER’S CUP The 12th"全国決勝大会が開催、激戦を勝ち抜いて『WORLD CLUB Champion Football 2016-2017』チャンピオンに輝いたのは?_01
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毎年バージョンアップを続ける『WCCF』のシーズンを締めくくるイベントとして定着している本大会。今年は会場外のロビーにもモニターと観客席が置かれた。

 大会は参加者が8つのグループに分かれて4名が総当たりで対決し、上位2名が決勝トーナメントに進出できるグループリーグが8台進行でスタート。『WCCF』の全国大会と言えば、(現実のサッカーにおいても)規格外のアタッカーの活躍が目立つのがつねで、今年もC.ロナウドを筆頭にメッシ、ロナウド(『WCCF16-17』で追加された全盛期のカードが人気)といった選手カードが多くの監督に選ばれ、ピッチでも一定の結果を残していた。しかしグループリーグが進んでいくにつれて存在感を増していったのが、センターバックやサイドバックといったDF。攻撃系のチームスタイルにロングパス重視、アーリークロス重視といった戦術を採用する監督が多かったためか、後方から質の高いロングフィードやクロスを蹴れるDFは攻撃でも印象的なパフォーマンスを披露(センターバックはS.ラモス、パロワ、クリバリなどパスに加えてヘディングの強い選手が人気。そこにロンカリア、サントンといったクロスのうまいサイドバックを1枚加える陣容が多かった)。その中でもS.ラモスは敵陣ゴール前に現れてゴールまで決めることも多く(攻撃力に期待してFWで起用する監督もいた)、現実のサッカーでもたびたび見せる、スーパーなヘディングで多くの監督に勝ち点をもたらしていた。

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完璧なチーム育成と的確なプレイングによって、長いボールを次々に繋いでゴールまで持ちこむ、”ロングパスでのポゼッションサッカー”ともいうべき戦法を多くの監督が実現していた。
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DFだけでなくGKにレアカード(ブッフォン)を割く監督が多かったのも今大会の特徴か。
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グループリーグを突破した16名の監督たち。

 引き分けなしの決勝トーナメントに入ってからは、PK戦の増加&飛び出してボールを取りに行くか、ガマンしてシュートを止めるのに専念するか……といった監督どうしの判断、駆け引きの重要性が上がったことにより、GKの存在感もアップ。また、監督のプレイスタイルを分析したスタッツが試合前後に表示されるようになったためか、選手カードを操る監督そのものの個性にも注目が集まる試合が続いた。

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セガ独自の大会分析システム”bi-e-Play.”によって出場監督のグループリーグでのプレイ内容を可視化。
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試合中はカードの動きやチームスタイルの切り替えをリアルタイムで反映。
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試合後は試合展開をグラフ化したデータや、両チームのパスコースを分析したスタッツが表示された。

 一度の判断ミスが勝敗に直結、そしてPK戦で勝ちを拾う勝ち運をも必要だったきびしいトーナメントを勝ち進み、決勝にたどり着いたのは、トーナメントでは全国大会優勝経験者シンキチ監督を退け、店舗予選から“無敗”を続けているというNIWA監督(関西Aエリア)と、GKフェアマンの飛び出しを始め、的確なプレイングが光っていたとんぼ監督(九州Aエリア)の両名。

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NIWA監督(写真手前)ととんぼ監督(写真奥)。

 試合はNIWA監督はライカールト、とんぼ監督側はビダルと、攻守の切り替え役のMFが目立つ、お互いがボール奪取からのショートカウンターをかけあう展開でスタート。先制点が生まれたのはこのままハーフタイムに入ろうかと思われた前半30分過ぎ。自陣左サイドでボール奪取に成功したとんぼ監督が、左サイドに張ったメッシにボールを運ばせながらチームスタイルをダイレクトプレイ重視Gからクロス重視に切り替え、中央で待つC.ロナウドに極上のクロスを供給。これを冷静に決めてリードを奪う。しかしNIWA監督も負けじとリスタート直後からの流れるような攻めで前半の間に得点を返し、1-1で後半戦に折り返すことに成功した。

 後半は追いついたNIWA監督がライカールトのドリブルでファウルを誘いフリーキックを獲得するなどやや優勢に試合を進めるが、決定的なチャンスが生まれるような距離ではとんぼ監督の守備陣が完璧な仕事を行ない、お互いに決定機らしい決定機は作れずにPK戦へと突入。PK戦は後半終盤にPK戦用キーパーのシリグを投入したとんぼ監督が優勢に思えたが、これが不発。両チームともにミスなくゴールを決め続ける展開になると、NIWA監督側のGK、ハンダノビッチが6人目のシュートをセーブ。この瞬間、NIWA監督の“不敗優勝”が確定した。

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優勝したNIWA監督には“フェノーメノ”の特別称号、C.ロナウドのサイン入りユニフォームが贈呈された。

NIWA監督インタビュー

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――優勝おめでとうございます。今日は実況でかなり“不敗神話”が強調されていましたが、実際はどこから負けなしで優勝までたどり着けたのでしょうか?

NIWA 店舗予選からですね。その中でも大きかったのは大阪のエリア予選のグループリーグ第3戦です。あの試合を勝ってなかったらここに来れなかったので。

――今日の大会で苦労した、印象に残った試合はどれになりますか?

NIWA やっぱり決勝ですね。先制されましたし。PKが入ってよかったです。去年は関西の人はみんなグループリーグで敗退してしまったので、今回は絶対に優勝して(『WCCF』最強の座を)関西に持って帰ろうと思っていました。

――決勝は後ろの応援も相当気合いが入っていたように思いました。

NIWA そうですね。対戦相手の方の応援もすごくて、大会自体を盛り上げようとしてくれたのがいいですよね。

――大会を通じてライカールトの動きが際立っていたように思うのですが、過去作のレアカードの中からライカールトを選んだ理由は?

NIWA ライカールトは『WCCF16-17』が稼動したその日からいままでずっと使っています。安定感がすごくて、選手によってはチームスタイルによって動きが変わったりするんですけど、ライカールトはバージョン1.0からいまの3.0までずっと変わらず強いので使い続けています。

――今回って、過去に例がないぐらいDFが点を取る大会、後ろの選手にレアカードが多かったように思うのですが、NIWA監督は中盤にライカールト、ビダルと2枚レアカードを使う布陣です(※レアカードが使えるのは1チーム5枚まで)。

NIWA 今回はリベロディフェンスやアーリークロス重視が強いとされてて、バージョン初期はぼくもやってたんですけど、やっていくうちにちょっと違うかなと。それでいまはロングパス重視Gで試合を組み立てて、チャンスを必ずものにするスタイルにしました。中盤に2枚レアが入っているのはぼくのフォーメーションが(対人戦でもっとも多い)4-3-1-2じゃなくて4-4-2なのが大きいですね。2枚レアがあると4-3-1-2であっても押し負けないんですよ。その後にロングパスが蹴れることも多いですしね。

――ロングパスでポゼッションサッカーをするっていうスタイルはなかなか衝撃的でした。成立させるためのコツはありますか?

NIWA ロングパス重視が強いっていうのがわかってからは練習でGを取って、あとはユニオントロフィーのS(監督任期を消化せずに試合ができる)でいまの軌道が出せるように練習しました。

――確かに斜めにクロスのように曲がっていくロングパスは印象的でした。

NIWA 斜めもなんですけど縦に大きく出せるときがあって、それが通った時はチャンスかなと思って攻めますね。

――今日はPK戦も多かったと思うのですが、勝つ秘訣はありますか?

NIWA ロナウドは蹴らさない(笑)。絶対外すので(笑)。試合中のPKは決めるんですけどね。

――ロナウドといえば優勝賞品の特別称号がフェノーメノでしたね。

NIWA 好きで使っている選手だったんでめちゃくちゃうれしかったです。C.ロナウドのユニフォームもすごいですよね。あんなんもらってよかったんすかね(笑)。

――最後にまもなく稼動する『WCCF2017-2018』に向けて、ゲームをプレイする人にコメントをお願いします。

NIWA 初心者でも誰でもみんなで遊べるゲームだと思うので、つぎのバージョンからでも楽しめると思います。ぼく個人としてはつぎも優勝したい……優勝します。さっきから「待ってろよ!」とめちゃめちゃ(ほかのプレイヤーに)言われてるんで(笑)。