『龍が如く 極2 』には冬が似合う。いま味わいたい、東西の龍の激突【プレイインプレッション】

2017年12月7日、セガゲームスから発売されたプレイステーション4ソフト『龍が如く 極2』。週刊ファミ通の『龍が如く』担当ライターがその魅力を解説する。

 『龍が如く』シリーズ担当ライターとしてこの10年近くシリーズ作をプレイしている筆者。よく聞かれる「なかでもどれがおもしろい?」という質問に対しては、どれにも思い入れがあって答えに窮する場面もあるのだが、2018年の年明け時点で同じ質問をされたら、「『龍が如く 極2』かな」という答えでいい気がしている。では最初に、『龍が如く』シリーズにあまり触れてこなかった人のために、いくつかオススメのポイントを語っていきたい。

 まずもって、本作はシナリオがいい。東西の極道抗争という、『龍が如く』シリーズの中でも、もっともわかりやすい内容。「極道&バイオレンス色たっぷりのゲームで遊びたい」という動機があれば、これ以上スッと入ってくる物語はないのではないだろうか。それでいて、海外組織の暗躍や神室町で起きた過去の事件なども描かれており、深みも十分。シリーズ屈指の名キャラクターである郷田龍司のカッコよさもあり、文句の付けようがないデキ。ぶっちゃけると、かつての『龍が如く2』では、関西弁のイントネーションの違和感が気になって少し物語に没入しづらい部分もあった(これは関西出身者特有だと思う)。しかし、すべてを作り直したという本作では、それも解消。グイグイ物語に引き込まれていく感じは、『龍が如く2』プレイ当時を上回っているのだから不思議なものだ。仕事柄、数あるリメイク作を遊んできたが、そういった作品を遊んで「ああ、懐かしいねえ」以外の感情を抱くのはごくまれ。にも関わらず、本作は初プレイのゲームで遊ばせるかのようにグイグイ心を掴んで離さないのだ。これってなかなかスゴいこと。

東西で最強と評される極道どうしの戦い。物語を貫くわかりやすいこの構図があるから、気分が最高にブチ上がる!

 そんな圧倒的求心力には、本作がプレイステーション4スペックになったことも決して無関係ではないだろう。ムービーシーンとアクションの両面には、シリーズ作を経ることで培った技術が惜しみなく投じられている。ゆえに、最新のゲームで遊んでいる感覚のまま、かつての物語を楽しめる。とくに、『龍が如く6 命の詩。』をベースにした上で、新たに加えられたいろいろな武器を持って楽しめるアクションは出色。桐生をガッツリ育ててさまざまな武器を振り回すことで、「俺ツエー」感を思う存分味わえるのだ。さらに言えば、そんな「俺ツエー」状態だった自分を軽く恥じるほどの強敵も、本筋と関係ない“用心棒ミッション”という遊びで戦えるため、用意されたやり込みという面でも充実している。筆者は2017年末にある程度まで進めて「これ以降は年明けに……」としてしまったが、そういう「この遊びはやる、これはやらない」という取捨選択ができることも本作のメリットと言えるかもしれない。

最近の桐生は要所以外では武器を使わない“拳で語る男”のイメージが強めな桐生だが、本作ではガンガン武器を使う方向で戦える。“元”とは言え、これぞ極道!

 仮にそんなやり込みをしない前提で考えたとしても、本作のボリュームはとにかく圧倒的。駆け足でクリアーするだけなら、2~3日ガッツリプレイすれば終わると思うのだが、あくまでクリアーだけ。『龍が如く』シリーズ特有の豊富に用意されたプレイスポットまで満喫しようと思ったら、集中的に1週間やり込んでも終わりが見えないほどのボリューム感だ。もともと据え置きのゲームというのはコストパフォーマンスがいいタイプの遊びではあるが、『龍が如く 極2』に関しては、ほかのゲームと比べてもぶっちぎりでいい。とかく出費が多い年末年始後には、非常にありがたい遊びだと思う。

 と、ふだん『龍が如く』シリーズを遊んでいない方に向けて本作の魅力を語ってきたが、できることなら『龍が如く0 誓いの場所』→『龍が如く 極』→『龍が如く 極2』の順に遊んでいただきたいというのが正直な気持ちだ。もちろん、本作を単独で遊んでも十分に楽しめるのだが、最高に楽しむためには前述の順番で遊ぶのがベター。新価格版などもあり、いまならすべてを買っても2万円でお釣りが来るし、これで春までどっぷり『龍が如く』シリーズを堪能できること請け合いなので、ぜひご一考いただきたい。

本作独自の要素である真島編を真に堪能したいなら、『龍が如く0 誓いの場所』から遊び始めるのがベスト。

 では続いて、すでに本作をクリアーしている人に向けて筆者の思いの丈を綴っていきたい。ここからはネタバレが大量にあるので、読み進める方は覚悟を決めてどうぞ。なお、個人的な意見がゆえに賛否両論あるとは思うが、身近な人とクリアー前提の話ができないという方は、筆者の意見に「そうそう」、「いや、それは違うだろ!」など、セルフでツッコミなどを入れていただけたらと思う。

感動的な物語……だけにしないのが『龍が如く』の懐の深さ!

 というわけで、ココからはネタバレ前提の感想を書き連ねていきます。いやあ、なんというかそりゃ物語は『龍が如く2』と同じなんだけれども、そのいいバカバカしさまでしっかりPS4スペックになっていて……本当にくだらない部分も再現されててイイ! 当時も感じた「なんだよ、この大阪の城は!」みたいなところを、あの映像クオリティーで見せられたら笑うしかないでしょ。そして、そこからの猛虎。筆者は武器をあんまり使わない派なんだけど、それゆえに感じたあのタフさには笑わせてもらった。最終的な本作の感想が「やっぱ楽しいね。それにしても猛虎強かった!」となるくらいには衝撃だったかな。そうそう、じつは龍司戦の最後のアレも、プレイするまで本作に残っているかどうか半信半疑で。当時から「失敗すると即終了なんて最高にフザけてるな!」とは思っていたんだけれど「このご時世からすると、不親切と思われそうだから、なくなったのでは?」なんて勘ぐっていたワケ。でも、フタを開けてみればバッチリ健在。なんだか、龍が如くスタジオの気骨を感じさせてもらったような気がしましたよ。

現代劇だと言っているのに、これだけフザけたシーンもある。これが『龍が如く』シリーズのスゴさだと思うわけです。

 で、真島編の物語もすごくよかった。あ、もちろんそれは、第一章の終わりにキーパーソーンになる雰囲気をムンムンに醸していた植松が即お亡くなりになっていた衝撃ではなくて、全体の話です。正直『龍が如く0 誓いの場所』を遊んでいなかったら「はあ、そうですか」で終わっていたかもしれないけれど、遊んでいたからこそあの話の流れは格別で。語弊がある言い方だけど、やっぱりクレイジーな真島は人並みの幸せなんか手にしちゃダメだと思うんですよ。で、ちゃんとそうはならなかったところが個人的にツボでした。かといって、クソみたいな気持ちになって終わるわけでもないし。ホントいい落としどころだったんじゃないかと。

このシーンなんて、『龍が如く0 誓いの場所』を遊んでいるか否かで、だいぶ受け止めかたが変わるところだと思うわけですよ。

 ゲーム的な面でも、お金と飲食がキチンとゲームに反映される『龍が如く6 命の詩。』のシステムをベースにしていたのは好印象。個人的には、『龍が如く6 命の詩。』でアドベンチャーパートは完成形になった気がするので、もうそれ以前には戻れない身体になっているのです。振り返れば、昔の『龍が如く』シリーズは、稼ぐだけ稼いだお金の使い道って、あまりなかったから。そうそう、お金稼ぎと言えば、個人的に好きな新・水商売アイランドがお金稼ぎの主軸に据えられていたのも好評価なポイント。反面、報酬がお金だけのサブストーリーには「ケチかよ!」なんて思ったりもしたけれど、まあ報酬目当てだけでサブストーリーを遊ぶわけではないので、それはそれで。また、ほかの寄り道要素として語るべきプレイスポットだけど、その難度も簡単なものから難しいものまで、バランスがよかった気がする。そもそもの収録数が半端じゃないから、クリアーしていないものがあっても「まあいいか」と思えるのが、『龍が如く』シリーズのいいところ。損した感がないというか。とはいえ、難しいのを放置するのも悔しいので、とりあえず新・クランクリエイターと用心棒ミッションはじっくり年始にプレイしようかと。とくに用心棒ミッションの高難度のものは、アクションがもはや得意とは言えなくなってしまったオジサンにとってハードルが高くて。年明け早々に終わらせられるといいなあ……。

 筆者の中でも、これまで以上に作品を堪能している感の強い本作。プレイ後に“語れる”タイプのゲームだとは思うので、ぜひ知り合いの方ともども楽しんでいただき、皆でアレコレ語っていただくのがいいんじゃないかと!



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