カリフォルニア州アナハイムで行われたPlayStation Experience 2017で、Friend & Foeのパズルアドベンチャー『Vane』を遊んできたのでご紹介しよう。

 Friend & Foeは、海外から日本にやってきて『人喰いの大鷲トリコ』などに参加したグローバルな開発者たちにより東京に設立されたインディースタジオ。『Vane』はその第1作となる作品で、プレイステーション4向けに開発が進められている。

 そのゲーム内容は、先に引き合いに出した『人喰いの大鷲トリコ』を連想させる部分が大きい。主人公や世界についての説明はほとんどなく、画面上にもUIの類はほとんど表示されず、具体的な指示も出されない。限られたアクションを駆使して謎解きを行い、未知とともに進んでいく、そういうゲームだ。

少年が鳥になって遺跡の上を飛んで行く。謎めいた世界への想像力が刺激されるアドベンチャー『Vane』【PSX2017】_01

 今回のデモをスタートすると、そこは巨大な地下遺跡のような場所。意味深なものが遠方に見えるが、ところどころに断崖絶壁があって、とてもじゃないがそちらには行けそうにない。

 「意外と下に落ちてみるのが正解だったり?」そしてダメ元で飛び降りると、少年が鳥になって羽ばたき始める。ところどころローポリゴンのようなざっくりしたモデルと、絵画のような塗りのシェーダーを組み合わせたアートスタイルで描かれる遺跡には惹き込まれるものがある。

少年が鳥になって遺跡の上を飛んで行く。謎めいた世界への想像力が刺激されるアドベンチャー『Vane』【PSX2017】_02

 そして気がつく。「どうやって少年に戻るんだ?」着地しても鳥のままで、いろいろボタンを押しても“変身ボタン”があるわけではないらしい。やがて、金色の水たまりのような場所に着地してみると、金まみれの人型が出現し、やがて少年に戻る。一体なにが起こってるのかわからないが、ゲームは一切説明しない。

 とりあえず周囲を人間状態で探索してみると、例の金色をした何かが満たされた球体があるのに気がつく。押してみると“それ”が動き出し、レールに沿って例の金色をした何かが満たされた球体がゆっくりと運ばれていく。明らかに謎解きの仕掛けだ。

 ふたたび鳥になって追うと、球体が障害物に微妙にひっかかって止まる。そこで人間に戻れる場所を探して、ひっかかっているのをうまくずらしてやり再始動。終点で壊れた球からこぼれた金の何かに浸かって人間に戻り、扉を開けて外に出た所で今回のデモはエンド。

少年が鳥になって遺跡の上を飛んで行く。謎めいた世界への想像力が刺激されるアドベンチャー『Vane』【PSX2017】_03
これは恐らくコンセプトアートだけども、本作の空気感をよく示していると思う。

 “敵”はおらず、鳥たちと遺跡だけが、静かに少年=プレイヤーを見守る静かな展開。果たしてこの世界はなんなのか、少年はどこに向かおうとしているのか、なぜ鳥になれるのか? 実に続きが気になる内容だった。