ゲームオンが運営するPC用オンラインRPG『黒い砂漠』の戦闘は、3Dアクションゲームと銘打っても違和感がない。動きの速い“格闘家”にいたってはほとんど格闘ゲームである。
その格闘家の女性版とも言うべき新クラス“ミスティック”が2017年12月13日に実装。格ゲーではまず女性キャラをチェックするミス・ユースケが先行体験してきたので、そのリポートをお届けする(内容は実装時に変更となる場合もあります)。
僕は『黒い砂漠』の新キャラ取材になると、キャラメイクと外見のチェックに時間をかけすぎて、いつもプレイ時間が足りなくなる。今回はプレイを優先したために、キャラメイクの時間が不足。この後悔や記事タイトルで「男装の美少女だ!」と断言してしまった点については記事の後半で。
絶え間なく殴り続ける快感に気付いてほしい
ミスティックは接近戦を得意とする女性ファイターだ。チャームポイントは素早い動きと華麗な足技。多くの人がイメージする(であろう)格ゲーの女性キャラクターが、そのままMMORPGに登場した感じである。
格闘家は“コンボを極めるのはやや難しいが、ガチャプレイでもそこそこ戦えるクラス”だった。基本的な方向性はミスティックも同じ。
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左右クリックとF、Qキーがおもな攻撃ボタンで、ここにShiftキーやWASDの移動キーを組み合わせてスキルをくり出す。攻撃ボタン押しっぱなしで多少はコンボがつながるので、アクションが苦手な人でも安心だ。絶え間なく殴り続ける快感に気付いてほしい。サイコパスみたいな文章を書いてしまった。
ミスティックは手数重視のクラスである。格闘家はヒットストップ(※)で“重さ”を演出していたが、こちらにはそれがない。だから、スムーズに、スピーディーに動かせる。プレイヤーの想定通りに動くのでストレスを感じない。
(※ヒットストップ:攻撃を命中させたときに一瞬だけ動きが止まること。重い一撃が入ったように感じる)
ヒットストップが悪いというわけではなく、“一撃の重さを感じるなら格闘家”、“動きの軽さを感じるならミスティック”と切り分けて考えればいい。
最大効率でダメージを与えるにはスキル連携の把握が必須だが、“そこそこ”レベルでいいなら簡単だ。好きな組み合わせを2~3個だけ覚えておき、コンボの合間に回避スキルを挟む(反撃を受けたときに首を傾げるとそれっぽく見えるぞ)。
僕が選んだメインスキルは以下のふたつ。理由はかっこよかったから。僕はいつも見栄えを重視する。
閃烈拳(Shiftキー+右クリック)
正面に踏み込んでから放つ超高速の連続パンチ。使用後に左クリック押しっぱなしでコンボにつながる。前方ガード付きなので、強引に切り込みたいときにも有効。
震脚(Fキー押しっぱなし)
こちらはFキー押している限り蹴り続ける連続キック。敵の移動速度を落とす効果もあるが、ガードやスーパーアーマーは付いていないので攻撃されると崩れやすい。いったんFキーを離してから再度押すと敵を上空に蹴り上げる“コンボ:蹴天”に派生する。
どちらも連打系のスキルである。ヒット数が多いとうまくなった気がして好きなのだ。攻撃が長引いて反撃を食らいそうになったらShiftキー+WASDキーの回避スキルもいいが、避けながら攻撃を続行できるスキルもある。
追爪刃(Sキー+左クリック)から始まる一連のコンボは、バックステップで間合いを離した後に一気に詰めて攻撃。コンボ:剛烈衝(A or Dキー+右クリック)なら左右に回り込んで側面を攻撃できる。便利なだけでなく、うまそうに見えるスキルなのでおすすめだ。
自在に動きながら臨機応変に立ち回れるミスティックではあるが、コンボを考えるのもまた楽しいものである。
コンボの起点として使いたいのが連肘打(Shiftキー+左クリック)。前方ダッシュ&ガード付きの2連続肘打ちで、敵の防御力を下げる効果を持つ。
憤氣(特定スキル使用中にスペースキー)はつなぎ技として便利。周囲の敵を引き寄せる範囲攻撃をくり出し、さらに攻撃速度を10%アップさせる効果も持つ。もともと高いスキルの回転率がさらに上がる。
動きが大きいと爽快感があるので、跳び上がりアッパーの天上拳(Qキー)も組み込みたい。となると、こんな感じだろうか。
連肘打(Shiftキー+左クリック)
↓ 防御力ダウン
震脚(Fキー押しっぱなし)
↓
コンボ:蹴天(Fキー)
↓ 敵を空中に浮かせる
憤氣(スペースキー)
↓ 攻撃速度アップ
天上拳(Qキー)
コンボ:蹴天で蹴り上げた敵を天上拳で追撃。空中コンボみたいでかっこいいと思う。まだまだスキルを盛り込む余地はあるので、実装されたらもう少し練りたいところである。
体験プレイ中はゲーム内の時間が夜だった。スピーディーに敵を殴るたびに、つぎつぎと光の花が咲く。「イルミネーションみたいできれいだな」と思った。なお、いちばんきれいなのは、闇の精霊の怒りゲージ100%時に使える双極拳(左クリック+右クリック)である。
お嬢ちゃん、それは恋だな。
操作感のみならず、ミスティックは背景ストーリーもいい。『黒い砂漠』のキャラには珍しく、ほのかな恋愛要素が見え隠れしている。
ミスティックは戦争孤児である。失意の彼女に手を差し伸べた“師匠”は、格闘家の師匠と同一人物。ミスティックと格闘家は同門なので、スキルが似ているのだ。
師匠の故郷である東方に渡り、武術の研鑚に励むミスティックは、金髪蒼眼の精悍な男性と出会う。間違いなく格闘家である。絶望の淵にいた彼女が興味を抱いた唯一の存在が、自分と似た姿の異邦人だったのだ。彼といっしょにいる間は孤独と虚無を感じなかったという。甘酸っぱい! 甘酸っぱすぎて胸焼けする!
その後、別れも告げずに旅立っていった格闘家を追い、ミスティックもカルフェオンへと渡るのであった。感情に突き動かされるように行動する。若さゆえの衝動というやつだろうか。僕が『黒い砂漠』の世界にいたら、壁に寄りかかりながら帽子のつばを人差し指でクイッとやり、ニヒルに語りかけているだろう。「お嬢ちゃん、それは恋だな」と。
こんなお話を知ってしまったら、キャラメイクに活かさないわけにはいかない。“格闘家はミスティックを大人の女性として扱っていなかった”と、勝手に設定してみてはどうだろうか。“男と勘違いしていた”でもいい。だから、ふらりと旅立ってしまったのだ。「師匠、じゃあ行ってきますわ。あいつによろしく」くらいのテンションで。
ミスティックのキャラメイク画面で髪型の項目を開くと、おあつらえ向きのショートヘアがあった。ボーイッシュな雰囲気にしつつ、おっぱいのサイズは最小で(戦闘の邪魔になるからサラシで胸をつぶしているのだ。きっと)。厳しい修行で引き締まっているだろうから、全身はやや筋肉質に。
うわー! 細部にこだわる時間はなかったものの、なかなかのクオリティではなかろうか。女であることを隠す男装の美少女として見るのも悪くない。胸元が空いていないアバターなら完璧だと思うが、それは今後の課題にしたい。
なお、ゲームオン側には“胸が小さく見える下着アバター”をリクエストしておいた。リアルではけっこうな売れ筋アイテムみたいだし。
僕には見える。久しぶりに再開した格闘家から「お前、女だったのか!」と言われる未来が見えるぞ!
ミスティックの実装予定日は2017年12月13日。12月6日からキャラメイク選手権が始まっている。誰か、僕の代わりにボーイッシュ美少女を作ってくれ。