パリで『FFXIV』のファンギャザリングイベントが開催! 吉田P/Dへの“絶”ミニインタビューも

フランス・パリで行われた、『ファイナルファンタジーXIV』のファンギャザリングの模様をリポートする。

 2017年11月2日(現地時間)、フランス・パリにて『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)のファンギャザリングが実施された。その模様をリポートしよう。

 まず、“ファンギャザリング”という言葉をご存じだろうか。文字通り“ファンの(Fan)集い(Gathering)”のことなのだが、ゲームカルチャーにおいては特定のタイトルのファンがひとつの会場に集まり、ユーザーどうしが交流を楽しむイベントを意味する。欧米地域では比較的ポピュラーなイベントで、バーやクラブなどを貸し切り、大好きなゲームの話をしながら、お酒や軽食を楽しむ。そして最後にはダンスパーティーになったりする。

 日本では、こうしたユーザーどうしの交流を目的としたイベントはまだ少なく、どちらかというとオンライン上の知人と実際に会って親睦を深める“オフラインミーティング”(通称オフ会)のほうが一般的。オフ会はすでに形成されたコミュニティーの範囲から出ないイベントであるのに対し、ファンギャザリングは同じゲームが好きな者どうしが各地から集まってくるイメージ。言うなれば、“リアルF.A.T.E.”に近い感じだろうか。

 さて、ヨーロッパにおける『FFXIV』のユーザー数は、ドイツがもっとも多いのだそうだ。その要因のひとつは、ドイツではファンギャザリングを始めとしたコミュニティーの拡大施策を地道にコツコツと続けてきたからだと、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターは語る。ドイツでは、ゲームファンに向けた世界最大級のイベント“gamescom”が毎年開催されるため、それに合わせてファンギャザリングが催されることも多く、そのこと自体がタイトルの人気のバロメーターになっていたりもする。そうした流れはフランスにも波及しており、このたび、2017年11月1日から5日にかけてパリで開催されたParis Games Week 2017に合わせ、大規模な『FFXIV』のファンギャザリングが実施されたのだ。記者はちょうどParis Games Week 2017の取材でパリに滞在中で、ありがたいことに「参加したければどうぞ」とお声がけいただき、潜入に成功。この記事を書いているという次第である。

 今回のファンギャザリングには、事前募集で参加を希望した300人が来場。会場は、エッフェル塔からほど近い水族館(!)。20時開場、24時終了という完全なナイトパーティーで、参加者はただひたすら『FFXIV』の話をして過ごすのみ。ゲームを使った催しやアクティビティーもなければ、プロデューサーレターLIVEももちろんない。あくまで“交流”が主体なのだ。

会場のエントランス。階段を降りて水族館に入場する。ちなみに、人影がいっさいないが、これは入場を規制するロープが張られていたためで、この手前側にめちゃくちゃ人が溜まっていた。

参加者へのおみやげ。パッチ4.1のイメージアートをプリントしたカード、パイッサのペーパークラフトの組立説明書。そして……

うおおおお、これはナマズオのラバーストラップ!! 裏にはNOT FOR SALEと書いてある。

水族館なので、当然水槽がある。クラゲ多い……。

開場直後のメイン会場。正面に巨大な水槽がある。いくつか椅子が用意されていたが、ご覧の通り地べたに腰を下ろす人も。自由。

2時間ほど経ったところで吉田氏が会場に姿を見せ、フランスのファンに感謝の挨拶。世界中を飛び回る吉田氏だが、フランスはおよそ2年ぶりとのことで、今回のファンギャザリングに参加できたことを喜んでいた。それはそうと、水槽の奥に映し出されているのは……?

挨拶からの流れで、抽選会へ移行。入場時に番号が書かれた券が配られ、プレイステーション4 Proなどの豪華景品が抽選で当たるというもの。

抽選会の後、なんと水槽に人魚(?)が登場!

サプライズの演出が終わり、吉田氏が控え場所に戻ろうとすると、一瞬のうちにユーザーに取り囲まれ、記念撮影とサイン会が開始。

戦士の演舞:弐を決めつつ撮影。(なんでもやらされるプロデューサー)

 今回のファンギャザリングですばらしかったのが、参加者は『FFXIV』をプレイしていない人の同伴もオーケーという点で、“閉じたイベント”になっていないこと。ユーザーの熱気を実際に肌で感じてもらい、そこからゲームに興味を持ってもらう。これは、“人とプレイする”オンラインゲームではとくに有効だと感じた。

 イベントリポートは以上だが、吉田氏の控え場所までついて行き挨拶をすると、特別に10分間のインタビューをお許しいただいた。この流れからすると、本来であればファンギャザリングの意義であるとか、ヨーロッパ市場の盛り上がりについて聞くべきなのだが、記者の完全な好みで絶バハムート討滅戦の話のみになってしまった。興味がある方だけ読んでいただけると幸いだ。

つぎの絶の企画はすでに進んでいる

『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。

──絶バハムート討滅戦が実装されて10日ほどですが(取材日は現地時間11月2日)、トッププレイヤーの攻略の様子を見てどんな印象ですか?

吉田直樹氏(以下、吉田) “三重奏”に入って、もうちょっと順調なのかなと思っていましたが、やはりその後が鬼畜ギミック連発なので……。いかにトッププレイヤーでもワンミスでワイプになるため、特定のギミックを練習したくても、気が焦るとそこに到達する手前でやられてしまう。そこがいちばん辛いところだろう、と開発とも話していました。ただ、あと一両日中には決着がつきそうな気配です。
(編注:実際にこの2日後、日本のチームがワールドファーストでクリアーを果たした)

──確かに難度は高いのですが、レイドレースのような熱気はありますよね。

吉田 今回、予想以上に攻略の様子を配信している方が多くて、“見る側”も「eスポーツみたいでおもしろい!」と言って盛り上がってくれているのは、副産物としてすごくよかったです。配信を見ながらコメントで声援を送ったり、プレイヤーといっしょにギミックの解法を考えてくれたりして。

──偶数パッチのレイドレースは各チームが手の内を明かさないというか、水面下での争いになるので、今回は新しい流れですよね。

吉田 やはり、今回の“絶”は極端に難しくて、攻略まで時間がかかるから、というのがあってのことだと思います。もしかすると、「上位1%のプレイヤーしか楽しめないものを実装して……」という批判も多く出るかなと思っていたのですが、いまのところは大きくはないです。あと、「諦めずに少しずつでもいいからやろうぜ」という気運が、配信によって出ているということも、すごくいい方向に向かってくれていると感じています。配信しつつ攻略してくださっている方々には大感謝です。

──しかし、ある程度は覚悟していたものの、想像を絶する難度ですね(笑)。

吉田 いや……最初はもっとひどかったんです(苦笑)。調整に参加したメンバーは「須藤神(須藤賢次氏。絶バハムート討滅戦の企画者)がご乱心だ(笑)」と言っていましたから。ギリギリ現実的な難度に抑えてあれですから……。ひとつひとつのギミックの発想は、新しいものを盛るというよりは、いままでやってきたことをすべて組み合わせるというところから来ています。このあたりは、須藤の経験と企画者としてのうまさが出たと思います。

──見覚えがあるギミックが多いので、どんな技がくるかはなんとなく想像できるけど、かわし方がまったくわからないという(苦笑)。

吉田 つぎの“絶”の企画は進んでいるので、バランス調整の参考として、クリアーした人たちの感想はぜひ聞かせていただきたいです。Paris Games Week 2017の期間中、ANGERED(ヨーロッパの強豪レイドチーム)のメンバーが僕のところに来て、「レイド攻略チームからのメッセージなんだけど、今回の絶バハムートはベストバランスで、こんなに難しくて楽しめるとは思っていなかった。だから、絶対に難度を下げないでくれって」とフィードバックをいただきました。

──海外の有力レイドチームどうしがネット上で対談もしていましたね。

吉田 はい、拝見しました。うれしかったのは、「『FFXIV』チームはもしかしたら難しいコンテンツを作れる人がもういないんじゃないかと思っていたけど、そうではなかった」というコメントで、“ギリギリクリアーできるか”というコンテンツを作るのがいちばんたいへんです。そこを見ていただけたのは、よかったと思います。誰もクリアーできないものを作るのは簡単なんです。ギミックの解法がわかっていても、チャレンジを続けないと前に進めないというバランスを作るのが本当に難しい。それを、演出も込みで作れたのは、開発を4年やってきた成果だと思っています。

──絶対数は多くはないのでしょうけど、トップ層以外も“絶”を楽しんでいる印象があります。

吉田 本当にちょっとずつかもしれませんが、やればやっただけ前に進むように、その点は意識して作ってあります。とにかく、最初のツインタニアを抜けたら、あとはちょっとずつ。当時(侵攻編)のネールと同じです。ついに俺たち“天地フェーズ”まで来たぜ、みたいな。

──開発チームとしては、トップ勢がクリアーできそうでホッとしていますか?

吉田 そうですね。調整に入る前は初クリアーが出るまで3日くらいかなと話していましたが、いざ全体を通しての調整を始めてみたら、これは果たして精神力が保つのかなと……。難しすぎて、「こんなのやってられない」となる可能性もありますから。難しいけど、それを楽しみながら続けてもらえるというところに落とし込めないといけないので、最終的な難度はすごく悩みました。結果、トップ勢も一進一退というわけでなく、前に進んで行ってくれているので、あとは時間の問題だと思います。いま僕たちが注目している3チームは、いちばんヤバいところはもう抜けています。あとは最後、シンプルなバハムートとの勝負のみなのですが……それでも難しい(笑)。

──ほほう、冒頭で「一両日中に決着がつきそう」と話していましたが、本当にクリアーが目前のチームがあるんですね。

吉田 ええ。最終局面の直前、とある特別な演出が入るのですが、ちらほら報告が出てきました。じつは、そのシーンの演出として出るテキストは、最後は僕も校正を入れています。これ、誰が最初に見るのかな……と思いながら想いを込めて書いたつもりです(笑)。今回の絶バハムート討滅戦は、第七霊災のいい面を切り取ったように作ってあります。

──それにしても、『FFXIV』はカジュアルに遊べることや、休止者が追いつきやすいMMORPGというイメージを持っている人も多いと思うのですが、国内外のハードコアゲーマーが心血を注いで攻略するコンテンツもちゃんと用意されているというところが、本当にすごいと改めて感じました。

吉田 なんとかそれを日本発信で作れていることは、ゲーマーとしてもうれしいです。いまの市場では、そういう機会が減ってきているのは事実ですしね……。

──もう約束の10分になってしまうのですが、今度はぜひ須藤さんにも参加いただいて……。

吉田 では、企画書を(笑)。

 ということで、ファミ通では“絶”のもっとディープな話をうかがうべく、須藤氏にインタビューを実施予定。ファミ通.comでも公開予定なので、お楽しみに!