2017年11月4日、神奈川県の専修大学生田キャンパスにて、『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)の若手プレイヤー向け大会&対戦会“若人杯”が実施された。大学構内にて対戦や交流が楽しまれた現地の模様をリポートする。
若人杯はユーザーコミュニティ“渋対”と渋対を創設したががんど選手が主催する、『ストV』のユーザーイベントだ。2017年4月の第一回開催に続きその第二回を数える今回は、大学生またはそれに準ずる年齢以下のプレイヤーが参加資格を所有。学園祭期間中で賑やかな専修大学生田キャンパスが会場となり、現地には多くの若手プレイヤーが集結した。
当日はプロジェクターが備え付けられた大学施設の一室にプレイステーション4版『ストV』が複数台設置され、事前エントリーした選手とともに当日一般参加も幅広く歓迎。対戦台は2試合先取で両名が交代するルールの台や、勝った方のプレイヤーが残る台など、様々なルールで運用。ときには格ゲーに親しみの少ない一般来場者にスタッフがゲームのレクチャーをするシーンが見られ、熱気ある対戦や交流で盛り上がりを見せていた。
若手最強チームを決定するトーナメント大会
会場では野試合と並行して2on2トーナメント大会が開催。参加選手は2人1組でチームを組み、チームどうしの早稲田式の勝負で勝敗を決するレギュレーションで争われた。本大会には29チーム58名が出場。その中にはDetonatioN Gaming所属プロゲーマーの立川選手と強豪ラシード使いの竹内ジョン選手が組んだチームや、はるばる秋田から参戦したやる気勢の姿が見られ、これからの対戦シーンを賑わすであろう有望株が活躍する注目度の高いトーナメントとなっていた。
トーナメントを勝ち上がり、TOP4に進出したのは以下の4チーム。
【エルトラ】エルシャール(ケン)/trashbox(バーディ)
【やる気部屋】竹内ジョン(ラシード)/DNG|立川(いぶき)
【バナナ&バナナ】ナウマン(ケン)/四五六半丁(バーディ)
【あんこ】あんまん(ユリアン)/きのこボクサー(バイソン)
ここからは各対戦組み合わせが2試合先取制に変更。大会台1台を使用し、全ての試合を来場者全員で見守りながら進行した。そして決勝戦に進出したのは【やる気部屋】と【あんこ】の2チームだ。
決勝戦
先鋒・竹内ジョン選手vs.先鋒・きのこボクサー選手
序盤からラシードが好調。高いヒット率のラッシュでバイソンの体力を奪い、1試合を先取。2試合目の最終ラウンドではバイソンがラシードを画面端に追い詰めてクラッシュカウンターを誘発するものの、痛恨のコンボミス。このスキを見逃さずにラシードが攻めきり、竹内ジョン選手の勝利。
大将・DNG|立川選手vs.大将・あんまん選手
細かい手数で押すいぶきが地上戦を制してユリアンを圧倒。いぶきの攻勢に応じたいユリアンの牽制技には差し返すテクニックも披露して着実にラウンドを取得していく。ユリアンの勝負をかけたタックルや中段攻撃にはガードからしっかり反撃を決め、いぶきが2試合連取で決着。
第二回若人杯は【やる気部屋】の優勝となった。
大会模様タイムシフト twitch.tv
ががんど選手ミニインタビュー
精力的にイベントを主催するががんど選手に突撃。若人杯に関してコメントを頂いてきたのでミニインタビューを掲載しよう。
--本日は運営お疲れ様でした。第二回若人杯の手応えはいかがでしたか?
ががんど選手(以下、ががんど) ストリーミング配信ではカメラの不具合が発生してしまいましたが、会場では参加者たちが不自由なく対戦を行えていましたのでイベント全体としては満足いただける内容になったかと思います。
--今回、大学を会場としたことには何か理由があるのですか?
ががんど 若人杯はレッドブルホールで開催した第一回開催のときに大きく反響を頂きまして、第二回を11月はじめ頃に実施しようと計画してレッドブルと相談しました。その時にレッドブルが専修大学の学祭とコラボするという話を聞いて大学施設を会場とする案が浮上し、参加資格を22歳以下にすれば学生的な盛り上がりに繋がると考えてこの案を決意しました。学生どうしならコミュニケーションをとりやすく、プレイヤーどうしで知り合いを作って欲しいという若人杯の狙いに適うことも理由のひとつです。
--今後、若手プレイヤーに期待することはありますか?
ががんど 期待することは大きくふたつあります。まず、若人杯のようなオフライン対戦会や大会は予想外に自分自信に変化を与えます。それは新しい友達ができたり、大会や対戦会で負けた経験が後に繋がるなど、プラスに働くことが多いです。もちろんマイナスになることもありますが、その経験自体は今後の役に立つと思います。なので若人はもっと表にでて、俺たち若い奴らも古参に引けを取らないやる気や勢力があるんだぞということをアピールしたいですね。もうひとつは、仲良しごっこで終わるだけではなく、トップに追いつけるように頑張ってみませんかということです。これは若人全員に向けてではなく、やる気があるプレイヤーにはそうなって欲しいという思いですね。
--第三回若人杯のコンセプトをお教え頂けますでしょうか?
ががんど 若人杯自体は若いプレイヤーの層を広げたい思いから立ち上げました。今回は接点のない選手どうしが組んだチームが見られて、そういう和が広がっていることを実感しています。しかし次回の若人杯ではシングル戦で誰が一番強いかを決めます。これは年齢が上のプレイヤーさんたちも見てみたいのではないでしょうか。これまでの若人杯では“楽しかった”という感想を多く頂いていますが、第三回ではまず第一の感想が“負けて悔しかった”となるような、バチバチの真剣勝負にしようといろいろ検討しています。
--最後に若手プレイヤーに向けて自由なコメントをお願いします。
ががんど 対戦で誰かに負けて悔しいと思うのは、悪い感情ではありません。当たり前のことであって、格闘ゲームはその思いをもとに上達します。大会で何をされたのかすらわからない負け方をしたとしても、そこで感じた感情は絶対に成長に繋がります。次回若人杯の大会形式はトーナメント一発勝負ではなく、リーグ戦を含めた充実の形式にしようと案を練っていますので是非ご参加下さい!