2017年11月3日(現地時間)に開催された“BlizzCon 2017”にて、『ハースストーン』の新拡張コンテンツ“コボルトと秘宝の迷宮”が発表。同コンテンツについて、リードミッションデザイナーのDave Kosak氏とシニアコンセプトアーティストのJerry Mascho氏にお話しを伺った。
――ワールドワイドのユーザー数は、現在どの程度になりますか?
Jerry 約7000万人以上です。いろんな国の方々がプレイしてくださり、同じジョークで世界中のプレイヤーが笑ってくれて、とてもうれしいです!
――7000万人という数字に、手ごたえは感じているのでしょうか?
Jerry ここからさらに7000万人のプレイヤーを増やすことも、不可能ではないと考えています。“コボルトと秘宝の迷宮”で登場する“ダンジョン攻略”は、上級プレイヤーにも新規プレイヤーにとってもエキサイティングなコンテンツですので、“コボルトと秘宝の迷宮”で新規ユーザーを増やせればいいですね。また、“ダンジョン攻略”はPvPではないので、初心者の方は“ダンジョン攻略”で自分の使いたいヒーローを試していただきたいです。
――そもそも、ダンジョン攻略を盛り込もうと思ったきっかけは?
Dave それぞれの拡張パックで新カードを手に入れられましたが、今回はシンプルにシングルモードでストーリーを語りたいと考え、実装に至りました。そこで表現したかったのは、“ダンジョンを探索していき、始めは弱いモンスターから始まり、宝物を見つけ、強いボスに出会う”……。そういった従来のダンジョン攻略を、『ハースストーン』で見せたいと思います。
――ということは、“コボルトと秘宝の迷宮”から初めて『ハースストーン』を遊ぶプレイヤーでも、すぐに楽しめるのでしょうか?
Dave “ダンジョン攻略”ではカードコレクションの必要はないので、たしかに初心者の方にはピッタリです。また、ダンジョンを進むにつれてボスが強くなっていきますので、上級者プレイヤーも楽しめるモードです。
――“コボルトと秘宝の迷宮”のストーリーはどんな物語が展開されるのでしょうか?
Jerry ゲームプレイとしては、ユーザーが自分のストーリーを作れるのが特徴です。初めは10枚のカードセットから始まり、ダンジョンを進むごとに新しいカードをチョイスできます。死んでしまった場合は、また初めからスタートとなるので、何度も新しい自分だけのストーリーを楽しめるでしょう。また、8ステージあるのですが、最後まで行くと5パターンのボスの中のひとりと戦うことになります。どのボスもとても強いので、ぜひ期待していただければ!
――“ダンジョン攻略”の報酬は、どういったものが用意されているのでしょうか?
Jerry 一番のリワードは“プレイする楽しさ”です(笑)。実際の報酬は、9人のヒーローでダンジョンをクリアーすると、特別なカードパックが入手できます。
――“コボルトと秘宝の迷宮”ではレジェンド武器カードが登場しますが、これについて詳しく教えていただけますでしょうか?
Dave プリーストやメイジは武器を持っていないので、彼らにどういった武器を持たせるかを考えるのはとても楽しかったです。デザインするにあたって、ウォーリアのような殴る武器ではないと考え、“メイジならターン終了後にカードを三枚引く”という能力のレジェンド武器を収録しました。ただ、デッキのカードを出し尽くしてしまうリスクもありますね。
――新能力“招集”は、どういった能力を持つのでしょう。
Dave “招集”は非常に戦略的なカードで、“雄たけび”ではなく、デッキ内のカードから1枚ミニオンを盤面に召喚できるカードです。デッキ構成とゲーム運びの構築がしっかりしていないと、うまく使いこなせない能力でしょう。また、“友達を召喚して戦ってもらう”という雰囲気を感じてほしいという思いも込めています。
――“コボルトと秘宝の迷宮”が配信された後、どういったデッキのタイプが流行るのかも気になりますね。
Dave 開発側としてもまったくわからない状況なので、配信後がとても楽しみです。“コボルトと秘宝の迷宮”ではいろいろなツールを用意していて、プレイヤーがデッキを作るのがとても楽しいと思えるはずです。そのひとつが“呪文石”です。呪文石カードが手札にある状態でその条件を満たすことで、呪文石がアップグレードされます。そのアップグレードをどのタイミングで発動させるのかが、とても重要です。ほかにも、フリーカードパックがありますし、“狐のマリン”と9種類あるレジェンド武器のひとつは、ログインすることで全員が入手できるカードになっていますので、ぜひ楽しみにしてほしいです。
――前回からアドベンチャーモードが無料になり、カードパックのみに課金することになりましたが、今後新たな課金要素を導入する予定はありますか?
Dave マンモス年は、アドベンチャーモードに加え135枚の新カードを導入できて、とてもよかったです。新カードを導入することでメタも変わりますし、アドベンチャーを無料で配信することで本作のバックストーリーをより多くのプレイヤーに伝えることができました。私としては、この販売方法に満足していますし、将来どういった課金要素が出てくるかはまだ分からないというのが本音です。
――“凍てつく玉座の騎士団”びDKレクサーやデスナイトカードはとてもおもしろかったです。デッキの幅が広がったので、スタンダード落ちしてほしくないレベルです。これらはコミュニティーからも好評を得ているのでしょうか?
Dave まずコミュニティーの反応としては、「ファンタジー要素を味わえて刺激的だった」、「9人のヒーローがデスナイト化するのは、とてもおもしろい」というフィードバックをいただきました。今後も、こういったデスナイト化に近いシステムの導入を検討していきたいです。
――ハロウィンイベント“ハロウェンド”で遊べたデュアルヒーローもとてもおもしろかったです。ぜひ何らかの形で、また採用を検討してほしいです。
Dave Good! デュアルヒーローは我々にとって、とても大きな実験でもあったので、こうやってよろこんでもらえたのはとてもうれしいです。今後もこういったレギュレーションをお届けできればいいなと思います。
――最後の質問になりますが、“究極の侵蝕(Ultimate Infestation)”はやはり強力すぎると感じます。前回のパッチでは弱体化の対象外でしたが、今後調整される予定はありますか?
Dave 我々はいろいろなデータを見ており、確かに“究極の侵蝕(Ultimate Infestation)”は強力なカードのひとつはあります。しかし、データを見る限りは、ものすごく強くて、この1枚で戦況をひっくり返すほどではありません。ですので、当面は調整予定はありませんが、引き続きデータを見ていきます。つねにデータやスタッツは見ていますし、ユーザーのフィードバックも大事にしています。