『文アル』の公式コラボレーション本が出版
2017年10月31日、DMMがサービス中のPC・スマートフォン向けゲーム『文豪とアルケミスト』と新潮社のコラボレーションに関する記者発表会が開催された。ここでは、その模様をお届けする。
『文豪とアルケミスト』は、主人公が再びこの世に転生した文豪たちとともに文学の存在を守る任務につく、という基本プレイ無料のシミュレーションゲーム。2017年11月1日には、配信開始から1周年を迎える。
本発表会は、単行本『「文豪とアルケミスト」文学全集』の発売に先だって開催されたもので、新潮社文庫限定コラボカバーやゲーム内コラボイベントの展開のほか、文豪に関する第一級の新発見資料の紹介も行われた。
まずは、DMM GAMESプロデューサーの谷口晃平氏と新潮社取締役の三重博一氏が登壇し、コラボに至った経緯を説明した。谷口氏によれば、以前より新潮社よりコラボ書籍の出版を提案されていたところ、今回の新資料の発見を機に、実現に至ったという。また三重氏は、『文豪とアルケミスト』がリリースされて以来、各地の文学記念館が盛況となっており、若い世代のあいだで文豪や文学作品への関心が高まっていると述べ、このコラボをきっかけに文学についてより広く知ってほしいと、本企画への思いを語った。
『文豪とアルケミスト』×新潮社 コラボレーション内容
新潮社より『文豪とアルケミスト』の公式コラボレーション本が10月末に出版。ゲームに登場する文豪たちのリアルな素顔と関係性を丸ごと伝える文学全集となる。
『「文豪とアルケミスト」文学全集』
10月末刊行
価格:2200円+税
また、新潮文庫とのコラボレーションとして、芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』、川端康成『雪国』など6作品が『文豪とアルケミスト』仕様の限定カバーで登場する。
続いて、今回の新発見資料の調査にあたった早稲田大学名誉教授の中島国彦氏が登壇。そしてスペシャルゲストとして、お笑いコンビのメイプル超合金と、作家の羽田圭介氏がステージに登場した。
ここで、中島氏より新発見資料の紹介ならびに解説がなされた。発見された資料のうち、会場で公開されたは下記の4点。
雑誌「新潮」に全4回連載された長編小説「斜陽」の2回分の冒頭原稿。「斜陽」の生原稿は、保管していた美知子夫人から日本近代文学館に寄贈されたが、その時点ですでに一部が欠けていた。今回発見されたのは、その欠けた原稿のうちの第3回と最終回の冒頭2枚計4枚となる。
雑誌「新潮」(昭和3年5月)に掲載された短編小説「続蘿洞先生」の生原稿。きれいな状態で保管されていたこと、そのままの状態で読みやすい文字で書かれていることから、『「文豪とアルケミスト」文学全集』では、すべての原稿をそのまま写真版で掲載している。
「其面影」は、数年執筆していなかった二葉亭四迷が久しぶりに書いた作品。今回新たに発見されたのは連載第1回の試作と考えられている。書き出しが完成稿とまったく異なり、号外売りの台詞から始まっている。生き生きとした文体を模索していた二葉亭の苦心が伝わる資料。
大正5年に芥川龍之介が久米正雄と旅行していたところへ、菊池寛が送ったはがき。菊池寛は当時、東京で雑誌「新思潮」の編集にあたっていた。新進作家としての3人の息づかいがよくわかる興味深い資料。
神楽坂「la kagu」にて、今回公開された資料4点を含む、文豪に関する新発見資料を期間限定で展示することも発表となった。
ゲーム内でコラボイベントが開催!
『文豪とアルケミスト』では、ゲーム内でもコラボイベントが行われる。文豪「萩原朔太郎」のプレゼントをはじめ、発見された新資料のひとつ「斜陽」に関連するイベントを含む4種のイベントの実施が予定されている。
<関連記事>
『文豪とアルケミスト』1周年記念6大キャンペーンが開催決定、新潮社とのコラボレーションイベントも
本日はハロウィン……ということで
ここで、スペシャルゲスト3名によるトークショーがスタート。『文豪とアルケミスト』について、カズレーザーが「イケメンがしゃべってきてくれるから時間がいくらあっても足りない」とコメントすると、安藤なつも太宰治がかっこよくイケメン揃いと興味津々。羽田氏は「『文豪とアルケミスト』をきっかけにして、文豪の作品に触れてくれる方もいると思うので、すごくいいですね」と、作家として読者(読書好き)増加に期待を寄せていた。
そして、本日はハロウィンということで、羽田氏が仮装を披露。羽田氏といえば、芥川賞受賞の報告時にデーモン閣下のコスプレをしていたという逸話もあるが……今回はこちらの姿に!
なんとカズレーザーの姿に扮した羽田氏が登場。カズレーザー定番のWi-Fiネタも披露し、羽田氏自身も満足している様子。また、自身が仮装するとしたらという質問にカズレーザーは「石破茂さん」、安藤なつは「ミシュランマンは塗装だけでいける」と、終始会場の笑いを誘っていた。そして、ふたりのカズレーザーという謎のインパクトに包まれ続けたまま、イベントは締めくくられた。